いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻②~別天つ神(2)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻②~別天つ神(2)~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
天と地が分かれ始めた(=天地開闢)時に、天上世界である高天原に、天御中主神という名の神様が現れました。
(註:今後【高天原】の【天】という字は、【あま(=阿麻)】と訓読みして下さい)
続いて高御產巢日神(たかみむすびのかみ)が誕生し、次に神產巢日神(かみむすびのかみ)が誕生しました。
これら三柱の神は皆、独り神であらせられ、やがてその姿をお隠しになりました。

以前もお話しましたが、上巻はほぼ【神々の物語】で占められています。
昨日は、その神々の中でも始めに誕生した造化三神についてご説明しました。
本日は、その神々次いで誕生した神々が語られます。


『古事記』本文上巻②~別天つ神(2)~

【原文と読み方】
【原文】
次國稚 如浮脂而 久羅下那州 多陀用幣琉之時。
(琉字以上十字以音)
如葦牙 因萌騰 之物而 成神名 
宇麻志阿斯訶備比古遲神(此神名以音)
次 天之常立神。(訓常云登許 訓立云多知)
此二柱神 亦獨神 成坐而 隱身也

【読み方】
次に國稚(わか)く、浮かぶ脂(あぶら)の如くして、クラゲなす漂(ただよ)へる時に、
(琉の字より上の十字は音を以(もち)いる)
葦牙(あしかび)の如く、萠(も)え騰(あ)がる物に因りて、成りませる神の名を、
宇摩志阿斯訶備比古遲(うましあしかびひこぢ)の神。
(此の神の名は音を以いる)
次に、天之常立(あめのとこたち)の神。
(常を訓み、登許と云う。立を訓み、多知と云う)
この二柱の神もまた獨神(ひとりがみ)に成りまして、身を隱したまひき。

【訳】
天地が分かれたばかりの頃、地の国の姿はまだ浮いている脂の様であり、国土は依然としてクラゲが漂うようにフワフワしている状態でした。
(註:【琉】の字から上の、10個の字は全て音読みで読んでください)
その大地から若い葦の芽が真っ直ぐに高く伸びるようにして、宇麻志阿斯訶備比古遲神、続いて天之常立神という名の神様が現れました。
(註:宇麻志阿斯訶備比古遲神は音読みで「うましあしかびひこぢ(の)神」と読みます)
(註:天之常立神の「常」の字は「とこ」、「立」の字は「たち」と読みます)
これら2柱の神もまた皆、独り神であらせられ、やがてその姿をお隠しになりました。



【解説】
次國稚 如浮脂而
「國稚」は「国が稚(わか)い」です。
ここでいう「國」とは何を指すのか?
この時点では昨日ご説明したように、世界が天と地しかありません。
前の文で「天上世界である高天原」、つまり【天】を語っていて「次に~(次國稚)」と言っているのですから、ここでいう「國」とは【地】を指しているのだと思います。
そして「国が稚(わか)い」というのは「天地が分かれたばかりの頃、地が誕生したばかりの頃」という意味なのでしょう。

「如浮脂而」は「浮かぶ脂(あぶら)の如く」でしょうか。

ここは「天地が分かれたばかりの頃、地の国の姿はまだ浮いている脂の様であり」と訳しました。


久羅下那州 多陀用幣琉之時(琉字以上十字以音)
まずこの文には太安万侶から注釈が付け加えられていて、この注釈を読んでから出なくては読めません
逆に言えば、注釈の意味を理解してしまえば凄く簡単です。

...と言う訳で注釈の【琉字以上十字以音】から見て行きましょう。
これは分解してみると分かりやすいです。
「以」がポイントですかね…1番目の「以」は「~より」の意味、2番目の「以」は「以(=用)いる」の意味です。

「琉の字より上の十字は音を以(もち)いる」って感じです。

これを更に分かりやすくすると「【琉】の字から上の、10個の字は全て音読みで読んでください」ってことです。
ここで本文に戻って見てみましょう。

久羅下那州 多陀用幣之時
赤字にした「琉」から左に(※)十字、【久羅下那州 多陀用幣琉】の十字は全て音読みにして読んでね?っていう意味です。
※このブログは横書きですが、古事記本文では縦書きです。

この注釈を踏まえて、読むと…
【久羅下那州多陀用幣琉】➩【くらげなすただよへいる】➩【クラゲなす漂える】となります。
この「なす(那州)」は置き換えるとすれば「做す」かな...「~の様に」って感じの意味です。

なにがクラゲの様なのかは前後の文面から、地の国(台地?国土?)の状態を形容しているのでしょうから、ここは「国土は依然としてクラゲが漂うようにフワフワしている状態でした」と訳しました。


如葦牙 因萌騰之物而
「葦牙」は「あしかび」と読みます。
「 葦の若芽、若い葦」という意味です…知ってました風に書いていますが、調べるまで読み方も分かりませんでした💦

「因萌騰之物而」は「萌え騰がる物に因りて」と読みました。
「萌騰」も難しかったです…。
「萌え騰がる」と読みます。
「萌」には「芽が出る、芽生える」という意味があります。
「騰」には「高くのぼる、高くあがる」という意味です。

この文はこの後の神様の登場シーンを表している様です。
ちなみに調べたら【葦】は「水辺から垂直に高く伸びる」そうです。
生えた場所は当然、天ではなく大地からでしょう。
これを踏まえて...「 その大地から若い葦の芽が、真っ直ぐに高く伸びるように~」と訳してみました。


成神名 宇麻志阿斯訶備比古遲神(此神名以音) 次 天之常立神(訓常云登許 訓立云多知)
この文にも注釈がついていますね。
まず注釈文から見て行こうと思います。

【此神名以音】は簡単に言うと「此の神の名は音を以いる」=「この神様の名前は音読みです」
ですから【宇麻志阿斯訶備比古遲神】➩【うましあしかびひこぢ(の)神】。

【訓常云登許 訓立云多知】は「常を訓み、登許と云う。立を訓み、多知と云う」
つまり「【常】は【登許=とこ】って読んでね」
同じく「【立】は【多知=たち】って読んでね」
ってことですので...
【天之常立神】➩【あまのとこたち(の)神】。

正確に訳すとこんな感じですかね?
「宇麻志阿斯訶備比古遲神(註:この神様の名は音読みで「うましあしかびひこぢ(の)神」と読んでください)、続いて天之常立神(註:【常】の字は【登許=とこ】と読み、【立】の字は【多知=たち】)と読み【あまのとこたち(の)神】です)という名の神様が現れました」
...読みづらッ!なので

「宇麻志阿斯訶備比古遲神、続いて天之常立神という名の神様が現れました。
(註:宇麻志阿斯訶備比古遲神は音読みで「うましあしかびひこぢ(の)神」と読みます)
(註:天之常立神の「常」の字は「とこ」、「立」の字は「たち」と読みます)」
としました。
...それでも読みづらッ!


此二柱神 亦獨神 成坐而 隱身也
この文は前回の訳と同じですので、解説はそちらをご覧ください。
「獨神(ひとりがみ)」の説明も前回文にあります。
imomiquest.com

「これら2柱の神もまた皆、独り神であらせられ、やがてその姿をお隠しになりました」と訳しました。

以上で『古事記』本文上巻②~別天つ神(2)~のご紹介はおしまいです。
次回は『古事記』本文上巻③~別天つ神(3)「別天つ神のまとめ」~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
本日のおまけは一番下にあります。

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