いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻70~誓約(2)剣を噛んでみる~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻70~誓約(2)剣を噛んでみる~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
スサノオの言葉を聞くと天照大御神は「そなたに邪な心が無いと言うのならば、心が潔白かどうか私に証明してみせなさい」と仰せになられました。
これに対しスサノオは「では、お互いに誓約を立てて子を成しましょう」とお答えになりました。
(註:宇氣比の【宇】以下の三字は音読みを用いて【うけひ】と読んで下さい。以下もこれに倣って読んで下さい)

誓約(うけい)は占いではありますが、予め結果を宣言してから、その出た結果で吉凶正邪を決めるものでしたから、私個人としての感想では占いより勝負の意味合いが強いのかな...と思います。
現在は法治国家として【法】で善悪など判断できますが、古代においては占いで判断することは合理的だったように思います。
他に正邪を判断するツール無い気がするし...。


『古事記』本文上巻70~誓約(2)剣を噛んでみる~

【原文と読み方】
【原文】
故爾 各中置天安河而 宇氣布時
天照大御神 先乞度 建速須佐之男命所 佩十拳劔
打折三段而 奴那登母 母由良邇
(此八字以音 下效此)
振滌 天之眞名井而 佐賀美邇迦美而
(自佐下六字以音 下效此)

【読み方】
故(かれ)爾(ここ)に各(おのおの)天安河(あめのやすのかわ)を中に置いて宇氣布(うけふ)時
天照大御神(あまてらすおおみかみ)先(ま)ず建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)の佩(は)かせる十拳劔(とつかのつるぎ)を度(わた=渡)したまえと乞(こ)いたまいて
三段に打ち折りて奴那登母母由良邇(ぬなとももゆらに)
(此の八字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う)
天之眞名井(あめのまない)振り滌(すす)ぎて、佐賀美邇迦美(さがみにかみ)て
(【佐】自(よ)り下の六字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う)

【訳】
こうして天安河を間に挟んで向かい合った天照大御神とスサノオは誓約を立てることにしました。
天照大御神はまずスサノオが帯びている十拳剣を渡すように言い、それを3つに折ると玉が触れあう様な音を立てて、
(註:奴那登母母由良邇の八字は音読みを用いて【ぬなとももゆらに】と読んで下さい。以下もこれに倣って読んで下さい)
高天原に湧く清浄な水を振りかけて洗いすすぐと、口に含んで噛み砕きました。
(註:佐賀美邇迦美の【佐】以下の六字は音読みを用いて【さがみにかみ】と読んで下さい。以下もこれに倣って読んで下さい)

【解説】
故爾 各中置天安河而 宇氣布時
「天安河」は「あめのやすのかわ」と読みます。
天界の高天原にある川で、後ほど再登場します。
固有名詞ではなく、以下の様な意味です。
界(高天原)にあるらかなで「天安河」です。

「各中置天安河」は「各々(天照大御神とスサノオが)天安河を真ん中に置いて」➩「天照大御神とスサノオは天安河を間に挟んで向かい合っている」事でしょう。

「宇氣布時」は「うけふ時」➩「誓約(うけい)時」ですね。


天照大御神 先乞度 建速須佐之男命所 佩十拳劔 打折三段而 奴那登母 母由良邇(此八字以音 下效此)
「乞度」は「(剣を)渡すように乞う」つまり「剣を渡しなさい」とお願いする...ような意味だと思います。

「佩十拳劔」は「スサノオが帯びている十拳劔(とつかのつるぎ)」の意味ですね。
十拳劔(とつかのつるぎ)についてはこれまで何度か登場してきました。
これについては『古事記』本文上巻㉜~迦具土神のその後(4)~に書いていますので、興味がありましたらご覧ください<(_ _)>

「奴那登母 母由良邇」は太安万侶の注釈(此八字以音 下效此)を先に訳さないと読めません。
(此八字以音 下效此)➩「此の八字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う」➩「奴那登母母由良邇の八字は音読みを用いて【ぬなとももゆらに】と読んで下さい。以下もこれに倣って読んで下さい」です。

という事で「奴那登母 母由良邇」は「ぬなとももゆらに」と読めました。
次に「ぬなとももゆらに」の意味を考えます。
「ぬなと」➩漢字で書くと「瓊音」です。「玉の触れあう音」の意味です。
「もゆら」➩玉などが触れ合って出す音を表しています。これは以前もやりましたね。


振滌 天之眞名井而 佐賀美邇迦美而(自佐下六字以音 下效此)
「天之眞名井」は「あめのまない」と読みます。
「眞名井」は清浄な水(地下水)に付けられる名前です。
これに「天之」と付くわけですから「高天原に湧く清浄な水」みたいなニュアンスで訳せば良いと思います。
最初「高天原に湧く地下水」と訳したのですが、「天なのに地下水っておかしいな?」と思って「高天原に湧く清浄な水」という訳にしました。

ちなみに鳥取県米子市に名水百選にも選定されている地下水「天の真名井」が湧き出る名水スポットがあります。

「佐賀美邇迦美而」は太安万侶の注釈(自佐下六字以音 下效此)を先に訳さないと読めません。
(自佐下六字以音 下效此)➩「【佐】自(よ)り下の六字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う」➩「佐賀美邇迦美の【佐】以下の六字は音読みを用いて【さがみにかみ】と読んで下さい。以下もこれに倣って読んで下さい」

これで「佐賀美邇迦美」は「さがみにかみ」と読むことが出来ました。
では「さがみにかみ」とは何だ?ってなりますよね?
「さ」➩接頭語(例えば「お手紙」の「お」の部分が接頭語です。あまり深い意味はないでしょう)
「がみ、かみ」➩「噛み」の事です。

つまり「噛み噛みした」という意味ですね。
剣を噛み噛みしちゃうなんて...想像しただけで痛いですね…💦
訳では「噛み噛みしました」ではおかしいので「噛み砕きました」としました。


以上で『古事記』本文上巻70~誓約(2)剣を噛んでみる~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻71~誓約(3)剣を噛んだ後、息を吹く~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
本日のおまけは一番下にあります。

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