いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻㉙~迦具土神のその後(1)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『『古事記』本文上巻㉙~迦具土神のその後(1)~』のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。


【前回のあらすじ】
伊耶那岐と伊耶那美の二柱の神が一緒に生んだのは全部で、14の島々と35柱の神々です。
(註:ただし、意能碁呂(オノゴロ)嶋はイザナギ・イザナミの2神がお生みになったのではありません。姪子と淡嶋はイザナギ・イザナミの子としてはカウントしません)

イザナミは亡くなりました…。
太安万侶の注釈では、イザナギ・イザナミの成した島は14。
神々は35柱です。
このうち島の数は古事記本文と合致するのですが、何故か神々の数が合いません...というところまでご紹介してきました。
さて、今回は故意ではないとはいえイザナミの命を奪う結果になってしまった火の神・迦具土神がその後どうなったのか...この辺が語られます。
もう嫌な予感がビンビンしてきますね~…。

『古事記』本文上巻㉙~迦具土神のその後(1)~

【原文と読み方】
【原文】
故爾 伊邪那岐命 詔之 愛我那邇妹命乎
(那邇二字以音 下效此)
謂易子之一木乎

【読み方】
故(かれ)爾(ここに)伊耶那岐命(いざなぎのみこと)の詔(のり)たまはく 「愛(いと)しい我(わが)那邇(=なに=汝)の妹の命乎(を)...」
(【那邇】の二字は音を以いる 下も此れに效う)
「子之(の)一木(ひとつき)に易(か)える乎(か)」と謂(い)われて

【訳】
そこで伊耶那岐命(いざなぎのみこと)の仰せられたのは「愛しい私の妻の命を、生まれた子の一人と引き換えに出来ようか」とお嘆きになりました。

【解説】
故爾 伊邪那岐命 詔之 愛我那邇妹命乎(那邇二字以音 下效此)
まずは太安万侶の注釈(那邇二字以音 下效此)を訳します。
「【那邇】の二字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う」ですから「【那邇】の二字は音読みを用いて【なに】と読んで下さい。以下もこれに倣い読んで下さい」です。

【那邇】を【なに】と読むことが分かったので、「愛我那邇妹命乎」を訳していきます。
まずはやっぱり【那邇(なに)】ですよね。
これは「汝=那邇=なに」です。
汝は二人称ですね。読むうえで参考になるので念のため...

【人称の意味と違い】
➩簡単に書くとこんな感じです。
意味は英語に置き換えると分かりやすいですよ?

一人称→話し手・書き手が「自分自身、自分自身を含む」
    日本語だと「私」「私達」
    英語だと「I」「We」
二人称→話し手・書き手に対し「聞き手・読み手を指す」
    言い換えると「顔を合わせて直接話しかけている相手」でしょうか。
    日本語だと「あなた(汝もここに含まれる)」「あなた方」
    英語だと「you」
三人称→「その場にいない人や物を指す」
    日本語だと「彼、彼ら」「あれ」
    英語だと「He」「it」
...です。参考になったでしょうか?

次に「難しいな~…」と思うのが「愛」です。
愛は今と解釈が少し異なっていて、「愛=love」とは違います。
古代の概念としては「愛=情」であり、loveの意味での愛なら「色恋」になります。
なのでここは「愛=愛おしい気持ち」と解釈して、「愛」を「愛(いと)しい」と読むことにしました。

「乎」は場所や時間、目的や比較を示す助字として使用します。
意味としては「~に、~を、~より」といった感じで良いと思います。

直訳すれば「愛しい我が妹である汝の命を」という感じになるのでしょうが、私的に気に入りません。

なので「愛(いと)しい我(わ)が那邇(=なに=汝)の妹の命乎(を)...」と読んで、「愛しい私の妻の命を」と自分が言われたい言葉にして訳してみました。


謂易子之一木乎
「易」は「かえる」という意味もあります。
「改易」とかそういう場合で使われます。
初見でこの文はかなり難しいですよね?
私はこの文の訳にかなり時間がかかっちゃって困りました…。

「一木」は「ひとつき」と読みましたが「いちぼく」かも?
意味は、文面の内容からして「一木」=「一人」と考えるのが妥当でしょう。
念のため「木」の意味を調べた所、「人数」を意味するものはありませんでした。

ただ、シックリ来るな~と思ったものに「木の語源」があります。
諸説ある中で「木は【生】の略で【生えるもの】を意味する」とありました。

これなら「(愛しい我が妻よ、貴女を)生まれた子の一人と引き換えに出来ようか」となんだか分かりやすい文になると思います。
なのでいもみの日記では「一木(ひとつき)」=「一生(ひとつき)」=「生まれた子の一人」というニュアンスで捉えています。
「一木」を「ひとつき」と読むのかな?と思った理由もこれの為です。

なお、文では伊邪那岐命 之 愛我那邇妹命乎 易子之一木乎と「仰られた」という意味の字が二つ並んでしまって訳しずらいので、の方は「お嘆きになりました」という感じで訳してみました。
何だかこっちの方がシックリきました!(⇦自己満)

以上で『古事記』本文上巻㉙~迦具土神のその後(1)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻㉚~迦具土神のその後(2)~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
本日のおまけは一番下にあります。

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