いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻⑩~柱を廻って結婚する(3)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『『古事記』本文上巻⑩~柱を廻って結婚する(3)~』のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
ここでイザナギは「私の身体は出来上がっているのですが、余っている所が一か所あります。」とおっしゃられました。
そして「なので私の余っている所を、貴女の足りない所に刺して塞いで新たに国を生み出そうと思うけれど、どうでしょうか?」とおっしゃいましたので、
(註:【生】の字は【宇牟=うむ】と読んで下さい。今後も同じ読み方です)
イザナミは『そうですね。よいでしょう』とお答えになりました。

質問も提案もぶっ飛んでいるイザナギですけど、妹のイザナミは快く承諾します。
常人には理解できませんけれど、相手は神様ですからね、皆さん納得しましょう。
そんな訳で、舞台は2神の結婚の場面に移ります。
ここでも、ひと悶着あります。

『古事記』本文上巻⑩~柱を廻って結婚する(3)~

【原文と読み方】
【原文】
爾 伊邪那岐命 詔
然者 吾與汝 行廻逢 是天之御柱
而爲 美斗能麻具波比
(此七字以音)
如此云期 乃詔 汝者自右廻逢 我者自左廻逢 約竟 以廻時
伊邪那美命 先言 阿那邇夜志 愛(上)袁登古袁
(此十字以音下效此)
後伊邪那岐命 言 阿那邇夜志 愛(上)袁登賣袁


【読み方】
ここに伊耶那岐命(いざなぎのみこと)の詔(みこと)のりたまひしく
「然(しか)らば吾(われ)汝(なんじ)と與(くみ=与)して、是(こ)の天之御柱(あめのみはしら)を行き、廻逢(めぐりあい)て
美斗麻具波比(みとのまぐはひ)せむ」。
【此(こ)の七字は音(おん)を以(もち)いる】
此(こ)の如(ごと)く云(い)い期(ちぎ)りて、乃(すなわ)ち詔(みことのり)たまいく「汝は右より廻逢(めぐりあい)、我は左より廻逢(めぐりあむ)」と、約(やく)を竟(お)えて廻りたまう時に
伊耶那美命(いざなみのみこと)先(まず)言う「阿那邇夜志 愛袁登古袁(あなにやし、えをとこを)」と
【愛は上声】
【此の十字は音を以いる 下も此に效う】
後に伊耶那岐命(いざなぎのみこと)「阿那邇夜志 愛袁登賣袁(あなにやし、えをとめを)」と言う。
【愛は上声】

【訳】
そこでイザナギは「では、私とあなたでこの天之御柱をまわって、出会った時に男女の契りを行おう」と仰せられました。
(註:「阿那邇夜志 愛袁登古袁」の10文字は音読みで読んで下さい)
(註:【愛】の字は上声で発音して下さい)
そして「貴女は柱の右から進んでください。私は柱の左から進みます」と約束して、柱をまわって進み二人は出会います。
出会った時に、先にイザナミがイザナギに言いました。
「あぁ…なんて素敵な殿方なんでしょうか…♥」
それを受けてイザナギも『あぁ…なんて素敵な女性なんだろう…♥』と後から言いました。
(註:【愛】の字は上声で発音して下さい)

【解説】
爾 伊邪那岐命 詔
然者 吾與汝 行廻逢 是天之御柱
而爲 美斗能麻具波比(此七字以音)

「吾與汝」は「吾(われ)=私」「與」「汝(なんじ)=あなた」なので「與」がポイントです。
「與」は「与」です、「興」ではないので気を付けてください。
「与」の意味は「くみする、共に力を合わせる」です。
読み方は難しくて「吾(われ)汝(なんじ)と與(くみ)して」と読みました。
単に「吾(われ)與(と)汝(なんじ)」でもいいかもしれません。
つまり「吾與汝」は「私とあなたで~」という意味になると思います。

「行廻逢 是天之御柱」は長いけど、凄く簡単です。
「是(こ)の天之御柱を行き、廻(まわ=めぐ)って逢いましょう」ということです。
「廻」は「まわる、めぐる」という意味があります。
なのでここは「廻逢」を「めぐりあい」と読み、ちょっと素敵な感じで訳しています。

天之御柱(あめのみはしら)は、ちょっと前に出てきましたね。
オノゴロ島にある天界と地上とを結ぶ大きな柱です。

「爲」は「為」です。
「而(しか)」は意味が色々あるので厄介な字なのですが、ここは「しかるに~=その時は」という意味で良いと思います。
つまり「而為」は「而(しか)るに為(な)す」で意味は「その時に為そう(行おう)」となります。

「みとのまぐはひ」について

「美斗能 麻具波比(此七字以音)」は、()に太安万侶の注釈が付いており、この意味が分からなければ読めません。
ですからまずは注釈「此七字以音」を訳しましょう…と言っても簡単です。

「此(こ)の七字は音(=音読み)を以(もち)いる」➩「美斗能 麻具波比の七文字は音読みで読んでね!」ってことです。
これまでも何回も出てきましたので、この解説を読まなくてもわかるよ、という方もいらっしゃるかもしれませんね。

では「美斗能麻具波比」を音読みで読んでみましょう。
「みとのまぐはひ」ですね。
「なんだそりゃ?」ですね。
私もそうでした。

では「みとのまぐはひ」について解説しますね。
「み」➩「御」の意味(=敬意や丁寧さ)です。
「と」➩サラッと行きます!「男性・女性の象徴部」のことです!
「まぐはひ」➩漢字では「目合」と書きます。
       「性交」の意味があります。

さて...私は「まぐはひ」の意味は何となく理解していました。
しかし漢字では「交わり」の事だと勘違いしてしまいました。
上記の様に正しくは「目合=まぐわい」です。

今回はここを掘り下げてみたいと思います。
まず「まぐはひ(=まぐわい)」について、漢字にした方が分かりやすいかな~と思って「まぐわる」をPCで変換したところ...出ないッ!
あれ?と思って私達のスマホでもそれぞれ変換したけど…やっぱり出ないッ!!

焦って調べた所、分かりました。
意外なことに「まぐわる」という言葉は日本語に無いのです。

「まぐわい(う)」はあります。
これは漢字も出てきます。
「まぐわる」という言葉は日本語に無い。
覚えておきましょう。

続いて「目合」の意味ですが、古事記では「男女が契りを結ぶこと」つまり「性交」の意味です。
ですが文字通り「目を見合わせて愛情を通わせること」の意味もあります。
何て素敵な日本語なんでしょう...✨
こっちの方が良かったなぁ…という感想で、「みとのまぐはひ」についての考察はおしまいです。


これらを踏まえ「イザナギは『では、私とあなたでこの天之御柱をまわって、出会った時に【みとのまぐはひ】を行おう』と仰せられました」と訳しました。
より正確に訳してもいいのですが...
「イザナギは『では、私とあなたでこの天之御柱をまわって、出会った時に【性交】を行おう』と仰せられました」となります。

こ、この人何言ってんだ?ってなりません?
正確性と、モラルを考慮した結果「イザナギは『では、私とあなたでこの天之御柱をまわって、出会った時に【男女の契り】を行おう』と仰せられました」と訳しました。
これでもどうかと思いますが。


如此云期 乃詔 汝者自右廻逢 我者自左廻逢 約竟 以廻時
伊邪那美命 先言 阿那邇夜志 愛〈上〉袁登古袁
(此十字以音下效此)

「如此」は「此の如く」と読みました。
「このようである、このように」という意味です。
調べてみたら同じ意味で「如此」を「じよし」と読む場合もあるようです。
ですがいもみの日記では、読みずらいので「如此=此の如く」にします。

「期」は「期間」の様な「時」の意味ではなく、「期約」といった「約束」の意味で使っていると思います。
ちなみに「約束」の意味で「ちぎ(る)」と読みます。

「乃」は「すなわ(ち)」でしょうか。

なんで柱を回る時、男性は左から女性は右からなのか?

「汝者自右廻逢 我者自左廻逢」は簡単ですね。
「汝は右からまわって、私は左から回って巡り合おう」です。

柱をまわって求婚する...ちょっと意味が分かりません。
でも、【柱を回る時、男性は左から女性は左からなのか】は中国の陰陽説が関係していると思います

陰陽説は簡単に言うと「万物を陽と陰に分けて考える」ですが、この説で言うと、男性は陽で、女性は陰です。
この陰陽は実は方向にもあって、左は陽で、右は陰なのです。
まとめますと…
陽➩男性・方向は左
陰➩女性・方向は右

...です。

イザナギが左を進み、イザナミが右を進む...これは陰陽が関係していたと思われます。

余談ですが、医学でも男性は左から治療し、女性は右から治療すると効果が上がる...という都市伝説の様なお話を、私の中学時代に聞いたことがあります。
以上、【なんで柱を回る時、男性は左から女性は左からなのか?】についての考察でした<(_ _)>

「竟」は難しい字ですね~、私は初めて見ました。
この字は「お(わる)、つい(に)」と読み、「おわる、おえる」という意味があります。
なので「約竟」で「約束をし終えて~」という意味になるかと思います。

「あなにやし、えをとこを」って?

「伊邪那美命 先言 阿那邇夜志 愛(上)袁登古袁(此十字以音 下效此)」は長いですが、文の構成は難しくはありません。
簡単に説明すると…
①伊邪那美命が先に言ったんですね。
「阿那邇夜志 愛〈上〉袁登古袁」という言葉を。

②「阿那邇夜志 愛〈上〉袁登古袁」を読むために、太安万侶の注釈が3つ付いていますね。
順番に行きましょう!
・(上)は「上声(じょうしょう)」の略語です。以前も出てきましたね。
 意味は「この字は高く発音して読んで!」って感じの意味です。
・(此十字以音)は何回も出てきているから意味だけでいいですよね?
 「この10つの文字は音読みで読んでね!」って意味になります。
・(下效此)も何回か登場していますね。
 「下も此れに效(なら)う」、つまり「以下この字が出てきたら、この読みで読んでくれ!」という意味です

③じゃあ「阿那邇夜志 愛袁登古袁」の音読みをしてみると「あなにやし、えをとこを」。
これは何?という話になると思います。

まず「あなにやし」ですが、分解するとこうです。
「あなに」➩強い感動を表す語
「や」➩感動の助詞
「し」➩強めの助詞
つまり乱暴に言えば、「あなにやし」を表現する言葉・訳は感動を表わせば、なんでも正解です。

次に「えをとこを」を見て行きましょう。
「え」➩驚きを表現
「をとこ」➩「おとこ=男」
「を」➩感嘆を強調

ですから「あなにやし、えをとこを」は、自分が異性を見た時、あまりの美しさやカッコよさを表現する時に使う言葉を当てはめればいいでしょう
【奥様や旦那様、彼女や彼氏を最上級で褒めたい時の言葉】を好きなように当てはめて下さい。
さぁ…恥ずかしがらずに!!
(;゚∀゚)=3ハァハァ

私は恥ずかしいので「あぁ…なんて素敵な殿方なんでしょうか…♥」と訳しました。


後伊邪那岐命 言 阿那邇夜志 愛〈上〉袁登賣袁
ここは上の説明で過剰な程分かりやすく説明しましたので、省略いたします。

「それを受けてイザナギも『あぁ…なんて素敵な女性なんだろう…♥』と後から言いました」と訳しました。


以上で『古事記』本文上巻⑩~柱を廻って結婚する(3)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻⑪~柱を廻って結婚する(4)~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
本日のおまけは一番下にあります。

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