いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻68~スサノオの弁明~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻68~スサノオの弁明~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
背中には弓矢が千本も入る靫(ゆぎ)を背負い、
(註:千入之靫の【入】の字は【能理(のり)】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい)
(註:曾毘良邇者の【曾】の字より【邇者】までは音読みを用いて【そびらには】と読んで下さい)
さらに五百本入りの靫を付けました。
また威力が強烈な弓を用意し、左手首の内側には音高くひびく鞆(とも)をつけました。
弓腹(ゆばら)を振り立てて、足で踏みしめた固い地面に股(太腿)まで足を取られましたけれども、それらを柔らかい沫雪の様に蹴散らして、激しい勢いで雄叫びをあげてスサノオに問いただしました。
「お前は何故この高天原に上がってきたのかッ!」

私達の訳は「原文の区切りの良い箇所まで」を一日分(一日作業時間は約3時間強なんです)としているのですが、逆に区切りにくい文は訳も長くなります。
正直2~3行くらいがギリギリなんですが、4行以上となると…。
前回も長かったけど、今回も長い...💦
何が言いたいかと言うと、誤解も弁明も簡潔に!です。

『古事記』本文上巻68~スサノオの弁明~

【原文と読み方】
【原文】
爾 速須佐之男命 答白 僕者 無邪心 
唯大御神之命以 問賜 僕之哭 伊佐知流之事故 
白都良久(三字以音)僕欲往妣國以哭 爾 大御神詔 汝者不可在此國而 神夜良比夜良比賜
故以爲請 將罷往之状 參上耳 無異心

【読み方】
爾(ここ)に速須佐之男命(はやすさのおのみこと)答へ白(もう=申)したまはく、「僕(やつがれ)は邪(よこしま)な心無し。
唯(ただ)大御神(おおみかみ)の命(めい)で以(もち)て、僕(やつがれ)の哭(な)き伊佐知流(いさちる)事の故(ゆえ)を問ひ賜(たま)いければ、
白(もう=申)し都良久(つらく)、
(三字は音を以(もち)いる)
僕(やつがれ)は妣(なきはは)の國に往かんと欲し、以(もち)て哭く。
爾(ここ)に大御神(おおみかみ)『汝(なんじ)は此(こ)の國に不可住(すまわざるべし)』と詔(の)りたまいて、神(かむ)夜良比(やらひ)夜良比(やらひ)賜(たま)わりき
故(かれ)以爲(おもえらく)、將(まさ)に罷(まか)り往く之(の)状(さま)を請(こ)い、参上し耳(のみ)。異心無し」

【訳】
この天照大御神の問いに対しスサノオは「私に邪な心はありません。
ただ父上(伊邪那岐大御神)が私に『お前は何故泣き喚いているのか?』と仰せられたので、私は『母上がいなくて辛いので、私は亡き母上のいらっしゃる根之堅洲國に行きたいと思って泣いているのです』とお答え申し上げたのです。
すると父上は私に『それならば、お前はもうこの国に住んではならない!』と仰せになって、父上に私は追放されたのです。
ですから私は根之堅洲國に行く前に姉上にお会いしてお暇乞いしたいと思い、参上しただけです。
他意などはございません」とお答えになりました。

【解説】
爾 速須佐之男命 答白 僕者 無邪心 唯大御神之命以 問賜 僕之哭 伊佐知流之事故
「答白」はこれまでも登場してきた言葉ですね。
私は「答え白(もう=申)し」と読みました。
「お答え申し上げた」という事でしょう。

「伊佐知流之事故」も以前2回ほど登場しました。
「伊佐知流」は音読みで「いさちる」と読みます。
「はげしく泣く、慟哭、泣き叫ぶ」という意味です。

「之事故」の部分は事故(じこ)ではなく「~の事(こと)故(ゆえ)」です。
「~という事ですので」みたいな意味です。


白都良久(三字以音)僕欲往妣國以哭 爾 大御神詔 汝者不可在此國而 神夜良比夜良比賜
「白都良久(三字以音)」は太安万侶の注釈(三字以音)に従って…➩「【都良久】の3字は音を以(もち)いる」➩「【都良久】の3字は音読みを用いて【つらく】と読んで下さい」でしょう。

白都良久は「白(もう)しつらく」と読むわけですが、さて意味は??
文面から察するにこれは「辛い」でいいんじゃないでしょうか?

「白都良久(三字以音)僕欲往妣國以哭」は要するに「僕は辛くて、『亡き母の国に往きたいと欲して哭いていた』と白(もう=申)しあげた」って感じになると思います。

「妣」は「なきはは」と読みます。
つまり「亡き母」➩イザナミの事です。

「神夜良比夜良比賜」
この文は『古事記』本文上巻64~イザナギ怒って隠居する~でもやりました。
詳しい説明はそちらをご覧いただくとして、ここではおさらいで簡潔にします。
「夜良比(やらひ)」は「遣らひ」と書きます。
意味は「追い払う、追い出す」です。

だから「神遣らひ」とは「神を追い払う、追放する」という意味です。
ココでいう神とはスサノオ自身の事ですね。

語尾の「賜(たま)わる」の主語は大御神、つまりイザナギのことですので「神夜良比夜良比賜」は「(イザナギ大御神に)私は追放されてしまったので」みたいな意味で良いと思います。


故以爲請 將罷往之状 參上耳 無異心
「以爲」は「以為」です。
「いい」とも読めると思いますが、ここでは「おもえらく」と読みます。
意味は「思っている、考えている」です。

「罷」も以前出てきました。
「まか(る)」と読みます。
「行く、退出する」という意味があります。

「耳」は「のみ」という読み方があります。
「參上耳」は「耳が参上した」のではありません、当たり前ですが。
「参上しただけです」という意味で良いと思います。

以上で『古事記』本文上巻68~スサノオの弁明~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻69~誓約(1)提案する~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
本日のおまけは一番下にあります。

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