いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻52~禊(2)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻52~禊(2)~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
黄泉の国から帰ってきたイザナギは「私はなんという汚らわしい国に行っていたのだろうか…私の身体に付いた穢れを、禊によって洗い清めなければ」と仰せになられて...
(註:【米】は上声です。高く発音して下さい)
(註:【伊那志許米志許米岐】の9字は音読みを用いて【いなしこめしこめき】と読んで下さい)
(註:【祁理】の2字は音読みを用いて【けり】と読んで下さい)
竺紫(=筑紫=九州)の日向(陽が良く当たる場所?宮崎県の事?)の橘(=立花か?)にある阿波岐原(あわぎはら=宮崎県か?)という小さな湾口に行って、身体の穢れを洗い清められました。
(註:【阿波岐】の3字は音読みを用いて【あわぎ】と読んで下さい)

イザナギ「私はなんという汚らわしい国に行っていたのだろうか…」
いもみ「他の誰でもない、自分で決めて行ったんだよね?」
イザナギ「私の身体に付いた穢れを、禊によって洗い清めなければ」
いもみ「なんか普通の水浴?お風呂?なら私も毎日禊してるって事?」
...だそうです。
そうなんですけど…なんかこう...。


『古事記』本文上巻52~禊(2)~

【原文と読み方】
【原文】
故於投棄 御杖所 成神名 衝立船戶神
次於投棄 御帶所 成神名 道之長乳齒神
次於投棄 御裳所 成神名 時置師神
次於投棄 御衣所 成神名 和豆良比能宇斯能神(此神名以音)
次於投棄 御褌所 成神名 道俣神
次於投棄 御冠所 成神名 飽咋之宇斯能神(自宇以下三字以音)
次於投棄 左御手之手纒所 成神名 奧疎神(訓奧云於伎下效此 訓疎云奢加留下效此)
次 奧津那藝佐毘古神(自那以下五字以音下效此)
次 奧津甲斐辨羅神(自甲以下四字以音下效此)
次於投棄 右御手之手纒所 成神名 邊疎神
次 邊津那藝佐毘古神
次 邊津甲斐辨羅神
右件 自船戶神以下 邊津甲斐辨羅神以前 十二神者
因脫 著身之物所 生神也


【読み方】
故(かれ)投げ棄(う)つる御杖(みつえ)に成りませる神の名は、衝立船戸(つきたつふなどの)神
次に投げ棄(う)つる御帶(みおび=帯)に成りませる神の名は、道之長乳齒(みちのながちはの)神
次に投げ棄(う)つる御嚢(みふくろ)に成りませる神の名は、時量師(ときはかしの)神
次に投げ棄(う)つる御衣(みけし)に成りませる神の名は、和豆良比能宇斯能(わづらひのうしの=煩累大人)神
(此の神の名は音を以いる)
次に投げ棄(う)つる御褌(みはかま=袴)に成りませる神の名は、道俣(ちまたの)神
次に投げ棄(う)つる御冠(みかがふり)に成りませる神の名は、飽咋之宇斯能(あきぐひのうしの=飽咋之大人)神
(【宇】自(よ)り以下の三字は音を以いる)
次に投げ棄(う)つる左の御手の手纏(たまき)に成りませる神の名は、奧疎(おきざかるの)神
(【奧】を訓(よ)み、【於伎(おき)】と云(い)う 下も此れに效(なら)う)
(【疎】を訓(よ)み、【奢加留(ざかる)】と云(い)う 下も此れに效(なら)う)
次に奧津那藝佐毘古(おきつなぎさびこの)神
(【那】自(よ)り以下の五字は音を以いる 下も此れに效(なら)う)
次に奧津甲斐辨羅(おきつかひべらの)神
(【甲】自(よ)り以下の四字は音を以いる 下も此れに效(なら)う)
次に投げ棄(う)つる右の御手の手纏(たまき)に成りませる神の名は、邊疎(へざかるの)神
次に邊津那藝佐毘古(へつなぎさびこの)神
次に邊津甲斐辨羅(へつかひべらの)神
右の件(くだり)、船戸(ふなどの)神以下、邊津甲斐辨羅(へつかひべらの)神より前の十二神は身に著(つ=着)けたる物を
脱ぎたまひ因(よ)りて、生まれし神也

【訳】
そこで、イザナギは水で清めるため身に着けていたものを次々に脱いで投げ捨てられました。
するとイザナギが身に付けていた物から、次々と神が現れました。
身に着けてた杖を投げ棄てると、衝立船戸(つきたつふなどの)神が現れました。
次に身に着けてた帯を投げ棄てると、道之長乳齒(みちのながちはの)神が現れました。
次に身に着けてた嚢(袋)を投げ棄てると、時量師(ときはかしの)神が現れました。
次に身に着けてた衣を投げ棄てると、和豆良比能宇斯能(わづらひのうしの)神が現れました。
(註:此の神の名は音読みを用いて「わづらひのうしの神」と読んで下さい)
次に身に着けてた褌(袴)を投げ棄てると、道俣(ちまたの)神が現れました。
次に身に着けてた冠を投げ棄てると、飽咋之宇斯能(あきぐひのうしの)神が現れました。
(註:飽咋之宇斯能神の【宇】から以下の三字は音読みを用いて【うしの】と読んで下さい)
次に身に着けてた左手の手纏(たまき=腕輪)を投げ棄てると、奧疎(おきざかるの)神が現れました。
(註:奧疎神の【奥】の字の読み方は【於伎(おき)】と言います。以下もこれに倣い読んで下さい)
(註:奧疎神の【疎】の字の読み方は【奢加留(ざかる)】と言います。以下もこれに倣い読んで下さい)
左手の手纏からは、次に奧津那藝佐毘古(おきつなぎさびこの)神が現れました。
(註:奧津那藝佐毘古神の【那】から以下の五字は音読みを用いて【なぎさびこ】と読んで下さい。以下もこれに倣い読んで下さい)
左手の手纏からは、次に奧津甲斐辨羅(おきつかひべらの)神が現れました。
(註:奧津甲斐辨羅神の【甲】から以下の四字は音読みを用いて【かひべら】と読んで下さい。以下もこれに倣い読んで下さい)
次に身に着けてた右手の手纏(たまき=腕輪)を投げ棄てると、邊疎(へざかるの)神が現れました。
右手の手纏からは、次に邊津那藝佐毘古(へつなぎさびこの)神が現れました。
右手の手纏からは、次に邊津甲斐辨羅(へつかひべらの)神が現れました。
右に記した(※ブログでは上から下に読んでいきますが、古事記は右から左に読んでいきます)様に、衝立船戸(つきたつふなどの)神から邊津甲斐辨羅(へつかひべらの)神までの12柱の神々は、イザナギが身に着けていた物を脱ぎ捨てて誕生した神様です。

【解説】
故於投棄 御杖所 成神名 衝立船戶神
今回はほぼ同じ構成の文が続きます。
そこで、3文だけ読み方や意味を抑えておきたいと思います。
①まず「投棄 〇〇所 成神名 〇〇神」➩「身に着けてた〇〇を投げ棄てたら○○神が現れました」です。

「棄」は「すてる」が普通の読み方ですが、古文では他の動詞と複合した場合「うつ」とも読みます。
この文では「投棄」➩「投げる」というもう一つの動詞が入るため「投げ棄(う)つ」が妥当でしょう。
意味は「捨てる」ですが「強く放り投げる」といったニュアンスもあります。
今回はこの構成の文の繰り返しになります。


飽咋之宇斯能神(自宇以下三字以音)
②次は太安万侶の注釈ですね。
これは注釈の前の漢文の読み方を説明しています。
(自宇以下三字以音)は…
読み方➩「【宇】自(よ)り以下の三字は音を以(もち=用)いる」
意味 ➩「飽咋之宇斯能神の【宇】から以下の三字は音読みを用いて【うしの】と読んで下さい」
...といった感じで良いと思います。

よって、飽咋之宇斯能神は「あきぐいのうしの神」と読むのです。
「宇斯能(うしの)」も難しいですけど、正直「飽咋之(あきぐいの)」の方も相当読むの難しいですね…。


奧疎神(訓奧云於伎下效此 訓疎云奢加留下效此)
③これも太安万侶の注釈です。
上同様、注釈の前の漢文の読み方を説明しています。
(訓奧云於伎下效此 訓疎云奢加留下效此)は…
読み方➩「【奧】を訓(よ)み、【於伎(おき)】と云(い)う 下も此れに效(なら)う」と、「【疎】を訓(よ)み、【奢加留(ざかる)】と云(い)う 下も此れに效(なら)う」です。
意味 ➩「奧疎神の【奥】の字の読み方は【於伎(おき)】と言います。以下もこれに倣い読んで下さい」と、「奧疎神の【疎】の字の読み方は【奢加留(ざかる)】と言います。以下もこれに倣い読んで下さい」です。
 
よって奧疎神は「おきざかる神」と読むのです。
注釈が凄く長い文ですね…疲れました。

以上①~③を押さえればこの文はほぼ読むことが出来ると思います<(_ _)>

以上で『古事記』本文上巻52~禊(2)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻53~禊(3)~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
本日のおまけは一番下にあります。

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