いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻54~禊(4)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻54~禊(4)~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
イザナギは身に着けていたものを次々に脱ぎ捨てた後『上流の浅瀬は流れが速すぎるし、下流は流れが弱すぎる』と仰せになられました。
なので最初は中瀬にお降りになられて、水に浸かられました。
禊で身体をすすぎ洗うと、八十禍津日(やそまがつびの)神が現われました。
(註:八十禍津日神の【禍】は【摩賀(まが)】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい)
次に大禍津日(おほまがつひの)神が現われました。
この2柱の神々は、あの汚く穢れた国(黄泉の国の事)に訪れた時に、イザナギの身体に付いた汚れや垢によって誕生した神様です。

イザナギ『上流の浅瀬は流れが速すぎるし、下流は流れが弱すぎる』
...もし丁度いい流れが無かったらどうしてたんでしょうね?


『古事記』本文上巻54~禊(4)~

【原文と読み方】
【原文】
次 爲直其禍而所 成神名 神直毘神(毘字以音 下效此)
次 大直毘神
次 伊豆能賣(并三神也 伊以下四字以音)

【読み方】
次に其(そ)の禍(まが)を直さん爲(ため=為)、成りませる神の名は神直毘(かむなほびの)神
(【毘】の字は音を以いる 下も此れに效う)
次に大直毘(おほなほびの)神
次に伊豆能賣(いづのめ)
(并(あわ=併)せて三神也 【伊】以下の四字は音を以いる)

【訳】
穢れによって生まれた禍(わざわい)の2柱の神様に続いて、次にその禍を直す為に現れた神様が、神直毘(かむなほびの)神です。
(註:神直毘神の【毘】の字は音読みを用いて【び】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい)
次に大直毘(おほなほびの)神が現れました。
次に伊豆能賣(いづのめ)が現れました。
(註:併せて3柱の神々です)
(註:伊豆能賣の【伊】以下の4字は音読みを用いて【いづのめ】と読んで下さい)

【解説】
次 爲直其禍而所 成神名 神直毘神(毘字以音 下效此)
難しい&ポイントは「爲直其禍而所 成神名」でしょう。
これは読めれば分かりやすいのですが、少し戸惑いますよね~。
私達も古事記を読み慣れてきた感がありますが、こういう文は「う~んと…」となります。

ちなみに私は「其(そ)の禍(まが)を直さん爲(ため=為)、成りませる神の名は」と読みました。
「爲」は「為(ため)」の旧字です。
「禍」は訓読みで「まが、わざわい」と読みます。
意味は「災難、不幸」といった感じでしょう。
当ブログの【読み方】では「禍(まが)」としていますが、【訳】では「禍(まが)」だと分かりずらいので「「禍(わざわい)」としています。

要するに前回紹介した【汚れた垢から八十禍津日神・大禍津日神という禍(わざわい)を司る神様が産まれた】ので、その【禍(わざわい)を直す(払拭する)神様が生まれた】というのが今回のお話なのです。
伏線回収が早いですね~。

【禍(わざわい)を司る神様】
➩八十禍津日神・大禍津日神

【禍(わざわい)を直す神様】
➩神直毘神・大直毘神・伊豆能賣
...というわけですね!

なお、原文には伊豆能賣(いづのめ)には「神」が付いていません
これは「巫女であるから」とか「(他の写本には「伊豆能賣神」とあることから)書き忘れたから・後で書き足した」とか意見があるそうです。
いもみの日記では「伊豆能賣(いづのめの)神」と考えています。

理由は簡単で、太安万侶の注釈に「伊豆能賣(并三神也)」とあるからです。
思いっきり神じゃん!ということです。

神号について

「神号」か~。これ前にもやったよね!

どうせ殆ど覚えてないんでしょ?

失礼ね!むしろ全く覚えてないわよ!そもそも「神号」って何だっけ?

...神号は「神様の名・称号」よ。

そう言えば登場する神々の末尾には「〇〇神」とか「△△命(みこと)」が付いてるね。
同じ神様でも末尾が「神」だったり「命」だったり...この違いって何だっけ?

(...本当に何もかも覚えてねーな、コイツ)基本的には以下の事を覚えておけばいいんじゃないかしら?

【神・命(みこと)・尊(みこと)】の違い
全ての神様に「神」と「命」の呼び名が必ずある。
神話に登場する場合「〇〇命」だが、神社の御祭神の場合「〇〇神」という呼称になる場合が多い。
(例:スサノオは神話では【スサノオ命】で登場するが、スサノオが神社の御祭神として祀られる場合【スサノオ神】である場合が多い)
③古事記では「命」だけであり、「尊」の呼称は無い。
「命」は主に国津神(地上に住む神々)に用いられ、「尊」は天津神(天界に住む神々)に用いられる。
⑤「尊」は特に高貴な神々に用いられる。

う~ん...じゃあ大体のルールはあるけど、絶対じゃないってこと?

そうね…例えば上の④⑤あたりは、実は日本書記の解釈なのよ。
『「尊」は天津神・皇室の祖先の神々に対し使用する。「命」はそれ以外の神々(つまり国津神ですね)に対し使用する』と書かれているの

だから、日本書記の解釈が該当しない古事記には③の「尊」の呼称は無い...ってことになるんだね。

そうよ。
個人的には赤字でマークした①②④は覚えておいて欲しいかな。

うん!多分また聞くことになると思うけどね!!

...。あっそ...。

以上で『古事記』本文上巻54~禊(4)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻55~禊(5)~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
本日のおまけは一番下にあります。

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