こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『『古事記』本文上巻㉒~神生み(1)~』のご紹介です。
こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。
この女島は、またの名を天一根(あめひとつね)と言います。
更に次は知訶島(ちかのしま)をお産みになられました。
この知訶島は、またの名を天忍男(あめのおしを)と言います。
更に次は兩兒島(ふたごのしま)をお産みになられました。
この兩兒島は、またの名を天兩屋(あめのふたや)と言います。
(註:上記の様にイザナギ・イザナミが大八島国以降にお産みになった島は、吉備兒嶋(きびのこじま)から天兩屋嶋(あめのふたや)まで併せて6島あります)
イザナギ・イザナミの結婚によって、大八島国と6島の計14島が誕生しました。
この国生みの後、いよいよ神生みが始まります。
...がっ!読み物としては、ハッキリ言いますとあまり面白くありません。
ほぼ馴染みが無く、ほぼ二度と登場せず、ほぼエピソードが無い神様の名前が綴られるだけなのです。
ココは正直サラッと読み流す程度でいいのではないか??と思う程です。
これから紹介する神々は、古事記では大きく4つのグループに分けられています。
本日からこのグループを1つずつ紹介していこうと思います。
『古事記』本文上巻㉒~神生み(1)~
既生國竟 更生神 故生神名
大事忍男神
次生 石土毘古神(訓石云伊波 亦毘古二字 以音下效此也)
次生 石巢比賣神
次生 大戶日別神
次生 天之吹(上)男神
次生 大屋毘古神
次生 風木津別之忍男神(訓風云加邪 訓木以音)
次生 海神 名大綿津見神
次生 水戶神 名速秋津日子神
次 妹 速秋津比賣神
(自大事忍男神至秋津比賣神并十神)
【読み方】
既に國を生み竟(お)えて 更に神を生みたまひきかれ 故(かれ)生みたまう神の名は
大事忍男(おほことおしをの)神
次に石土毘古(いはつちびこの)神を生みたまひ
(【石】を訓(よ)み、【伊波(いは)】と云(い)う 亦(また)【毘古】の二字は音を以(もち)いる 下も此(こ)れに效(なら)う也)
次に石巣比賣(いはすひめの)神を生みたまひ
次に大戸日別(おほとひわけの)神を生みたまひ
次に天吹男(あめのふきをの)神を生みたまひ
(【吹】は上声)
次に大屋毘古(おほやびこの)神を生みたまひ
次に風木津別忍男(かざもつわけのおしをの)神を生みたまひ
次に海の神、名は大綿津見(おほわたつみの)神を生みたまひ
次に水戸(みなと)の神、名は速秋津日子(はやあきつひこの)神を生みたまひき
次に妹、速秋津比賣(はやあきつひめの)神を生みたまひき
(大事忍男の神より秋津比賣の神まで并(あわ)せて十神)
それらお産みになった神々の名は…
初めに大事忍男(おほことおしをの)神。
次に石土毘古(いはつちびこの)神をお生みになりました。
(註:【石】は【伊波(いは)】と読みます。また【毘古】の二字は音読みを用いて【びこ】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい)
次に石巣比賣(いはすひめの)神をお生みになりました。
次に大戸日別(おほとひわけの)神をお生みになりました。
次に天吹男(あめのふきをの)神をお生みになりました。
(註:天吹男の【吹】は上声です。高く発音して下さい)
次に大屋毘古(おほやびこの)神をお生みになりました。
次に風木津別忍男(かざもつわけのおしをの)神をお生みになりました。
次に海の神をお生みになり、名を大綿津見(わたつみ)の神といいます。
次に水戸(みなと=港)の神、名は速秋津日子(はやあきつひこの)神をお生みになりました。
次に速秋津日子神の妹神である速秋津比賣(はやあきつひめの)神をお生みになりました。
(大事忍男の神より秋津比賣の神まで併せて10柱です)
「竟」はこれまでも登場してきた文字ですね。
読み方は「お(わる)」です。
意味も「竟=終」という認識で良いと思います。
ですので「既生國竟」は「既に國を生み竟(お)えて」と読みました。
「既に」はこのままでも良かったんですが、読みづらいな...と思って「物事が済んでしまった」意味で使い、
「この様に国々を生み終えて~」と訳してみました。
「更生神」は「更生した神様」ではありません💦(⇦私は一瞬「更生した神」と読んでしまいました💦)
読み方は「更に神を生む」でしょう。
「国生みに続いて、更に神様を生んだ」という事を言いたいのでしょう。
「故生神名」は「故(かれ)生みたまう神の名は」で良いと思います。
この後、イザナギ・イザナミの生んだ神々の名がズラ~~~ッと並びます。
ハッキリ言って、全く面白くないです…。
・次生 石土毘古神(訓石云伊波 亦毘古二字 以音下效此也)
(訓石云伊波 亦毘古二字以音 下效此也)は太安万侶の注釈です。
これを読むと…
「【石】を訓(よ)み、【伊波(いは)】と云(い)う 亦(また)【毘古】の二字は音を以(もち)いる 下も此(こ)れに效(なら)う也」
でしょうか。
これは「石土毘古神(いはつちびこの)」の読み方の注釈なのです。
意味は
①【石】の字は【伊波(いは)】と読みますよ
②【毘古】の二字は音読みを用いますよ➩音読みで「びこ」と読む
③以下、また同じ言葉が出てきたら同じように読みますよ
...という事を言っています。
・次生 水戶神 名速秋津日子神
「水戶神」は「水戸(みと)の神」!?
...ではありません。
「水戸」=「みなと」=「港」の神です。
【神生みで誕生した神々①】
①大事忍男(おほことおしをの)神
➩神生みで一番最初に誕生した神。男神です。
これから「神生みという大事が多く(=おおし=おし=忍)起きる」という意味でしょうか…?
②石土毘古(いはつちびこの)神
➩男神です。
名前から「石や土」を司る神なのでしょう。
③石巣比賣(いはすひめの)神
➩比賣(ひめ=姫)とあるように女神です。
「砂」を司る神といわれています。
④大戸日別(おほとひわけの)神
➩性別が分からない神様です。
「門」を司る神と言われています。
⑤天吹男(あめのふきをの)神
➩男神です。
「屋上」を司る神と言われています。
⑥大屋毘古(おほやびこの)神
➩同一神格とされる神が存在します。
再登場する神様なので、覚えておきたいですね。
ちなみに毘古は「比古・彦」と共に男神の名です。
「 家屋・木」を司る神と言われています。
⑦風木津別忍男(かざもつわけのおしをの)神
➩「木」の読み方が「き」なのか「もつ」なのか諸説ある神様。
「風木=かざもつ」と読む場合、風にもつ➩風が吹いても持ちこたえる➩「風害を防ぐ神様」という説があります。
男神です。
※ここまでの②~⑦までの神々はそれぞれ「石や土・砂・門・屋上・家屋や木・風害を防ぐ」を司っていることから、住宅に関係のある神様であるとして、家宅六神(かたくろくしん)とも呼ばれます。
⑧大綿津見(おおわたつみ)の神
➩「綿(わた)」は海を意味します。
「津(つ)」は現在の「~の」です。
「見(み)」は精霊を意味します。
なので「綿津見(わたつみ)」とは「海の霊」を意味します。
古事記では「海神」とあるが性別の記載はありません、性別は不明です。
⑨速秋津日子(はやあきつひこの)神
➩男神です。
妹神である速秋津比賣(はやあきつひめの)神と共に、男女一対の神として生まれます。
上でも書きましたが「水戸」は「みと」ではなく「みなと」と読みます。
「港、水門」を司る神様です。
⑩速秋津比賣(はやあきつひめの)神
➩女神です。
兄神である速秋津日子(はやあきつひこの)神と共に、男女一対の神として生まれます。
兄と同じく「港、水門」を司る神様です。
【まとめ】
以上が神生みで最初に誕生した10神です。
「土・風・木・家・海」と人の営みに欠かせないものの神様が初めに誕生させたのかな...?という印象を受けました。
ここに「火」が入っていないのは少し違和感を覚えましたが、皆様はどう思われますか??
以上で『古事記』本文上巻㉒~神生み(1)~のご紹介はおしまいです。
次回は『古事記』本文上巻㉓~神生み(2)~をご紹介する予定です。
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ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
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