いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻58~三貴子の誕生~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻58~三貴子の誕生~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
そして底筒之男命(そこづつのおのみこと)、中筒之男命(なかづつのおのみこと)、上筒之男命(うはづつのおのみこと)の3柱の神々は墨江之三前大神(すみのえのみまえのおおかみ=住吉神社の三座の神様)です。

イザナギの禊によって次々と神々が誕生しています。
そしてこの禊の最後に三貴子(「さんきし」若しくは、「みはしらのうずのみこ」)と呼ばれる神々が誕生します。
古事記を読んでなくてもアマテラス・ツクヨミ・スサノオの名を聞いたことがある方がほとんどだと思います。
古事記の上巻はとても長いですが、ここから暫くはこの三貴子を中心に(と言うかツクヨミは絡みがほぼ無いですが…)物語が続きます。



『古事記』本文上巻58~三貴子の誕生~

【原文と読み方】
【原文】
於是 洗左御目時所 成神名 天照大御神
次 洗右御目時所 成神名 月讀命
次 洗御鼻時所 成神名 建速須佐之男命(須佐二字以音)
右件 八十禍津日神以下 速須佐之男命 以前 十四柱神者 因滌御身所生者也

【読み方】
是(ここ)に於(お)いて左の御目を洗ひたまう時に成りませる神の名は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)
次に右の御目を洗ひたまふ時に成りませる神の名は、月讀命(つくよみのみこと)
次に御鼻を洗ひたまふ時に成りませる神の名は、建速須佐男命(たけはやすさのをのみこと)
右の件、八十禍津日(やそまがつびの)神より下、速須佐男命(はやすさのをのみこと)
より前の十四柱の神は御身を滌(すす)ぎたまいしに因(よ)りて生ませる神なり

【訳】
そしてイザナギが左の眼を洗った時に現れた神の名を天照大御神(あまてらすおおみかみ)と言います。
次に右の眼を洗った時に現れた神の名を月讀命(つくよみのみこと)と言います。
次にお鼻を洗った時に現れた神の名を建速須佐男命(たけはやすさのをのみこと)と言います。
右に記した(※ブログでは上から下に読んでいきますが、古事記は右から左に読んでいきます)様に、八十禍津日(やそまがつびの)神から速須佐男命(はやすさのをのみこと)までの14柱の神々は、イザナギがお身体をすすいだことで誕生した神様です。

【解説】
今回、訳は簡単なので三貴子について簡単に書こうと思います。

...とその前に、一旦イザナギの禊の流れを確認しておきましょう。

【イザナギの禊の流れ】

①服を脱ぐと、身に着けていた物から12柱の神々が誕生します…が古事記では「禊で生まれた神」としてはカウントされていません。
②『上流は流れが速すぎるし、下流は流れが弱すぎる』と細かいこだわりを見せる。
③禊スタート。黄泉の国の垢・汚れを落とすと【禍(わざわい)を司る神】八十禍津日神・大禍津日神が現れた。
つまり、イザナギが禊をしなければ禍を司る神は生まれなかった...?
④【禍(わざわい)を直す神様】神直毘神・大直毘神・伊豆能賣が現れた。
直すことは出来るが、禍そのものを無くすことが出来ない事が明確になる
⑤水中で禊を継続中。水面の高さによって6柱の神々が生まれる。
水底➩底津綿津見神・底筒之男命
水中➩中津綿津見神・中筒之男命
水面➩上津綿津見神・上筒之男命
⑥綿津見神(ワタツミ)は「海の神様」で安曇氏の祖先とされる。
⑦筒之男命は住吉神社の三座の神様であり、神功皇后の三韓征伐の経緯から王権と結びつきがある。
⑧禊の最後に三貴子(アマテラス・ツクヨミ・スサノオ)が誕生する⇦今ココ
以上、計14柱の神々がイザナギの禊によって生まれました。

【三貴子】について

「三貴子」は日本で最も重要な神様です。
意味はもうそのまんま「最も貴い神様」のこと。
イザナギ自身「私の生んだ神々の中で最も貴い」と言っているので...。
詳細を書くと今後の記事のネタバレになってしまうので、その辺は後述する物語を読んで頂くこととして、視点を変えて触れてみたいと思います。

性別について
➩「日本の太陽神は女神アマテラス」とされています。
太陽は世界各地で崇拝の対象となっているのですが、実は太陽神は男神であることがかなり多くなっていて、太陽神=女神というのは日本神話以外には北欧神話など少数派なのです。
以前も書いたと思うのですが、古事記成立時の8世紀頃の日本には陰陽五行説の思想が既に入っています。
この陰陽で言えば、陽=男性・陰=女性なので、この辺も「アマテラス=女神」に首をかしげる所ではあります。

更に言うと古事記にはアマテラスの性別について記載はありません。

ただ「アマテラスが女神である」ことの根拠は幾つかあります。
・スサノオに「姉上」と呼ばれている
・髪型が男性のものではない、など女性と思わせる内容がチョイチョイ出てくる
などです。

ちなみにもっと謎なのはツクヨミです。
性別について記載が無いのはアマテラスと同じですが、エピソードもほぼ無い為根拠に乏しいのです。
でもまぁイメージは崩したくないので、いもみの日記では一応アマテラス=女神、ツクヨミ・スサノオ=男神でお話を進めて行こうと思います。

ツクヨミについて
➩折角ツクヨミの話が出たので、このままツクヨミについて触れておこうと思います。
と言うのも先ほど書いたように「ツクヨミについてはエピソードがほぼ無い」のです。
古事記ではイザナギに「夜の世界を治めよ」と命じられて「夜を司る神様」だとは分かるのですが、その後全く登場しなくなります。

さて、一般的に「ツクヨミ」と呼ばれますが、神社では「ツキヨミ」が多いです。
ツキヨミ、つまり「月を読む」訳ですがどういう意味なのでしょうか?
この「月を読む」というのは「月の満ち欠けを読む」という事の様です。
この月の満ち欠けを見ることによって、古代の人々は「あ~、今日は〇〇の日か~」みたいに暦を知ったのでしょう。
暦を知ることは、農業にとってとても重要な情報です。
その為「ツクヨミ(ツキヨミ)=月の満ち欠けを読む=農業を司る神」となった...とも言われています。

古事記に全く登場しないツクヨミ...日本書記でも僅かな登場シーンしかありません。
「最も貴い」神なのに、こんな扱いでいいんでしょうか…?

イザナギはこの後...について
➩ここまで古事記の主役とも言うべきイザナギですが、この後主役をアマテラスとスサノオに譲り全く登場しなくなります。
国産みと神産みを終えたイザナギは、どこへ行ったのか...?
この後の行動について日本書記にはこう記されています。
『構幽宮於淡路之洲』➩『淡路島に幽宮(かくれみや)を構えて住んだ』
イザナミとの間で最初に生んだ淡路島に帰って暮らした...と考えるとイザナギの妻に対する想いが伝わってくるようですね…。

以上、【三貴子】についてでした。
今回取り上げた項目は、本文には出てこない内容ばかりですので先に取り上げてみました。
読み終えた後に「あれ?」と思った内容・疑問点はこの他にもあるのですが、めんどくさいのでこの3点に絞りました<(_ _)>


以上で『古事記』本文上巻58~三貴子の誕生~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻59~三貴子の統治~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
本日のおまけは一番下にあります。

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