いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻⑫~天の神様に相談する~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻⑫~天の神様に相談する~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。


【前回のあらすじ】
それぞれ言い終えた後に、イザナギは妹神のイザナミに「女性が先に結婚の誓い(プロポーズ)を言うのは良くないよね」と言いました。
そうしたモヤモヤ感が残りましたが、二人は寝床を組んで契りを交わし、子が生まれました。
(註:「久美度邇」の4字は音読みで読んで下さい)
こうして生まれた最初の神である水蛭子(ひるこ)ですが、蛭の様にグニャグニャで手足が無い不具の子であったため、イザナギとイザナミは葦で作った船に入れて(川か海に)流してしまいました。
続いて第2子である淡嶋(あわしま)が誕生しましたが、泡みたいにブクブク状態のやはり不具の子であったため、イザナギとイザナミは子として認めることが出来ませんでした。

イザナギとイザナミの結婚によって誕生した子は、不具の子でした。
彼らは第一子、第二子共に子として認めることが出来ず、流してしまうという驚くべき行動にでます。今回は、何故不具の子になってしまうのか?を天界の神様に相談しに行く場面です。
これによって、原因が明らかになります。


『古事記』本文上巻⑫~天の神様に相談する~

【原文と読み方】
【原文】
於是 二柱神 議云 今吾所 生之子不良 猶宜白 天神之御所 
即共參上 請天神之命 爾 天神之命以 布斗麻邇爾(上。此五字以音)ト相而詔之 
因女先言 而不良 亦還降改言

【読み方】
是(ここ)に於(お)いて、二柱の神は議(はか)りて云う。
「今、吾(われ=我)が生める子良からず。猶(なお)宜(よろ)しく天神(あまつかみ=天つ神)之(の)御所(みところ?)にて白(しら)むべし」
即(すなわ)ち共に參上し、天神(=天つ神)之(の)命(みこと)を請いたまいき。
爾(ここに)天神之命(まつかみのみこと)以(も)ちて、太占(布斗麻邇爾=ふとまにに)卜相(ぼくそう)詔のりたまひ
(上声。此の五字は音を以いる)
「女を先(さき)だち言いしに因りて良からず、亦(また)還(かえ)り降りて改めて言え」と詔のりたまひき

【訳】
水蛭子(ひるこ)と淡島(あわしま)を生み終えた時点で、イザナギとイザナミの2柱の神様はお話し合いになりました。
そして『私達から生まれた子は不具だった。やはり天界の神様の所に行ってお話して、こうなった原因を明らかにしよう』と仰せになられました。
そんな訳で、イザナギとイザナミは助言を請うために、天界の神様の所に一緒に行かれました。
そこで天つ神達は、太占(ふとまに=鹿の肩骨を焼いて吉凶を占う)で占い、次のように仰せになられました。
(註:【布斗麻邇爾】の5字は音読みで読んで下さい)
(註:【爾】は上声です。高く発音して読んで下さい)
「女性であるイザナミが先に結婚の誓い(プロポーズ)を言ったことが良くなかった原因だから、また地上に帰って、もう一度正しい順番で結婚をやり直しなさい」

【解説】
於是 二柱神 議云 今吾所 生之子不良 猶宜白 天神之御所

「於是 二柱神 議云」は「是(ここ)に於(お)いて、二柱の神は議(はか)りて云う」。
つまり「水蛭子(ひるこ)と淡島(あわしま)を生み終えた時点で、イザナギとイザナミの2柱の神様は話し合った」ということでしょう。
何を話し合ったのかは明白で、生まれた2子が共に不具であった原因についてです。

「今吾所 生之子不良 猶宜白 天神之御所」の文もこれまで出てきた単語ばかりですね。
ただ「猶宜白」がちょっと難しいと思いました。
なのでこの3字をそれぞれ見て行きたいと思います。

「猶」は「なお」と読みます。
意味としては「やはり~(しよう)」という感じでしょう。

「宜」は「よろ(しく~べし)」の読みが妥当と思います。
意味は「~するのが良い」でしょう。

「白」は少し自信が無いのですが、私は「白(しら)む」と読みました。
「色の白」ではなくて、ここでは「明白の白」という意味だと思います。
訳すると「白(しら)む」➩「明らかになる」というニュアンスです。

次にちょっと引っ掛かったのが「天神之御所」
この「天神」はどう考えても「別天つ神」のことでしょう。

とすれば「御所」の読み方は「みところ」か「おんところ」が妥当な気がします
「ごしょ」とも読めますが、「ごしょ(御所)」は「神様の居場所」では無く「天皇陛下の家」的な意味ですので、読み方として「ごしょ」はふさわしくない気がしました。
なので、ここは「御所=みところ」と読むことにしました。

ここまでを踏まえて…
「今、吾(われ=我)が生める子良からず。猶(なお)宜(よろ)しく天神(あまつかみ=天つ神)之(の)御所(みところ?)にて白(しら)むべし」と読んでみました。

これを「『私達から生まれた子は不具だった。やはり天界の神様の所に行ってお話して、こうなった原因を明らかにしよう』と仰せになられました」と訳しました。


即共參上 請天神之命 爾 天神之命以 布斗麻邇爾(上。此五字以音)ト相而詔之
「即共參上 請天神之命」は「即(すなわ)ち共に參上し、天神(=天つ神)之(の)命(みこと)を請う」でしょうか。
「そんな訳で、イザナギとイザナミは助言を請うために天界の神様の所に一緒に行った」という訳になると思います。

【ふとまにに】ってなんだ?

「布斗麻邇爾(上。此五字以音)」は太安万侶の注釈が付いていますね。
【布斗麻邇爾】を「上声(じょうしょう。高く読むという意味)で、そしてこの5文字を音読みしてね」と言っています。
なので【布斗麻邇爾】を音読みして【ふとまにに】。

「なに、それ?」ですよね。
私も訳していて「なに、それ?」でした。
なので調べました!

【ふとまにに】は「古代の占い」の事です。
漢字では「太占(ふとまに)」と書きます。
どんな占いかというと、「鹿の肩骨を波波迦(ははか=桜の古い名前)の木皮で焼いて、骨の割れ目の模様によって吉凶を占う」というものでした。

「ト相」は「ぼくそう」と読みました。
【ト】も【相】も占いの種類ですね。
簡単にご説明します。

卜術(ぼくじゅつ)
「全ての事象は必然である」という考えのもと、【偶然に意味を見出す占い】が特徴です。
カメの甲羅を焼いて、その亀裂によって占う、という形が元になっているとか...。
近未来の事などを占うのに適した占い方法のようです。

相術(そうじゅつ)
【物の形によって吉凶を占う】のが特徴です。
例えば、部屋の形は模様替えなどで変えることが出来ます。
この様に形は自ら変えることが出来るため、自ら良い運気へと導いていける開運の手法です。

この2つ以外に、運命や宿命などを占う命術(めいじゅつ)があります。
詳しいことはココでは語りませんが、太古の昔も占いで吉凶を探っていて、神様も占ってたというのは知識として持っていた方が良さそうですね。
以上、【ふとまにに】ってなんだ?でした<(_ _)>


なのでこの文は「そんな訳で、イザナギとイザナミは助言を請うために天界の神様の所に一緒に行かれました。そこで天つ神達は、太占(ふとまに=鹿の肩骨を焼いて吉凶を占う)で占い、次のように仰せになられました。(註:【布斗麻邇爾】の5字は音読みで読んで下さい)(註:【爾】は上声です。高く発音して読んで下さい)」と訳しました。


因女先言 而不良 亦還降改言
「因女先言 而不良」は読んでしまえば簡単ですね。
「女を先(さき)だち言いしに因りて良からず」と読んでみました。

「女性が先に言ったことが良くなかった原因だ」って意味ですよね。

つまり不具の子が立て続けに産まれてしまった原因は、天之御柱を回って出会った時に「あぁ…なんて素敵な殿方なんでしょうか…♥」とイザナミが先に言ってしまったからだ。太占ではそういう結果になった。...と言っているのです。

何だか良く分かりませんが、この時代は女性から男性に声を掛ける逆プロポーズ、逆告白とかはダメだったんでしょうね…。

「亦還降改言」は「亦(また)還(かえ)り降りて改めて言え」と読みました。
天つ神達はイザナギ達に「また地上に帰って、もう一度結婚を正しい順番でやり直しなさい」と言っているのです。


以上で『古事記』本文上巻⑫~天の神様に相談する~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻⑬~結婚をやり直す~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
本日のおまけは一番下にあります。

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