いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻⑤~神世七代(2)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『『古事記』本文上巻⑤~神世七代(2)~』のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。


【前回のあらすじ】
次に國之常立神(くにのとこたちのかみ)という名の神様が現れました。
(註:【常立】は上記の天之常立神と同じ様にで読んで下さい)
続いて豐雲野神(とよくもののかみ)という名の神様が現れました。
(註:【雲】は上声=高い声で発音して下さい)
これら2柱の神もまた皆、独り神であらせられ、やがてその姿をお隠しになりました。
次に宇比地邇神(うひぢにのかみ)
(註:【邇】は上声=高い声で発音して下さい)
次にその妹神である須比智邇神
(註:【邇】は去声=最初は強く、後半は弱く読んで下さい)
(註:この2神の名前は音読みで読んで下さい)

次に角杙神(つのぐひの)
次にその妹神である活杙神(いくぐひのかみ)
(註:角杙神・活杙神は二柱です)

次に意富斗能地神(おほとのぢのかみ)
次にその妹神である大斗乃辨神(おほとのべのかみ)
(註:この2神の名前もまた音で読んで下さい)

次に於母陀琉神(おもだるのかみ)
次にその妹神である阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ)
(註:【夜】は上声=高い声で発音して下さい)
(註:この2神の名前は皆、音読みで読んで下さい)

次に伊耶那岐神(いざなぎのかみ)
次にその妹神である伊耶那美神(いざなみのかみ)。
(註:この2神の名前もまた、上記の様に音読みで読んで下さい)

別天つ神に続き、神代七代の神々が登場。
これまで姿形の無かった存在から、男女の姿を持ち人間と同じ姿の神様がとうとう登場しました。
今回は、この神世七代について書いておこうと思います。

『古事記』本文上巻⑤~神世七代(2)~

【原文と読み方】
【原文】
上件 自國之常立神以下 伊邪那美神以前 并稱神世七代。
(上二柱 獨神各云一代 次雙十神 各合二神云一代也)

【読み方】
上の件、國の常立の神より下(しも)、伊耶那美(いざなみの)神より前(さき)を、并(あ=併)はせて神世七代(かみよななよ)と云う
上の二柱、獨神(ひとりがみ)は各(おのおの)一代と云(い)い 次に雙(なら=双)ぶ十神は各(おのおの)二神を合わせて一代と云う

【訳】
上で記した誕生した神々のうち、國之常立神から伊邪那美神までの神々を、神世七代とお呼びします。
(註:上記の神世七代のうち、國之常立神と豐雲野神の2柱は独り神ですが、各々これを一代として数えます。國之常立神と豐雲野神の2柱の次に続く10柱の神々は、各々兄妹のお二方で一代としています)


神世七代について

神世七代(かみのよななよ)は、別天つ神の次に現れた十二柱の神(下記参照)を言います。

【神世七代】
赤字は女神です。

一代目 國之常立神(くにのとこたちのかみ)
二代目 豐雲野神(とよぐもぬのかみ) 
三代目 宇比地邇神・須比智邇神(うひぢにのかみ・すひぢにのかみ
四代目 角杙神・活杙神(つぬぐいのかみ・いくぐいのかみ
五代目 意富斗能地神・大斗乃辨神(おおとのぢのかみ・おおとのべのかみ
六代目 於母陀琉神・阿夜訶志古泥神(おもだるのかみ・あやかしこねのかみ
七代目 伊耶那岐神・伊耶那美神(いざなぎのかみ・いざなみのかみ

ちょっとポイントをまとめてみましょう。

Q1.神世七代は何をした神様なのか?

神世七代はどういうエピソードがあるの?

イザナミ・イザナギ以外、何にもありません。
記載が無いので何をしたのかも分かりません。
名前に土や杭などの文字が入っているため、次の様な神様であると思われます。
※間違っているかもしれませんので、ご注意ください💦

【神世七代は何を司っているのか】
・國之常立神(くにのとこたちのかみ)
 →「国土が固まった」の象徴?
・豐雲野神(とよぐもぬのかみ) 
 →雲(空)と野(大地)で「空や大地」の象徴
・宇比地邇神・須比智邇神(うひぢにのかみ・すひぢにのかみ
 →宇(泥)、須(砂)で「泥砂」の象徴
・角杙神・活杙神(つぬぐいのかみ・いくぐいのかみ
 →宇(泥)、須(砂)を固める杭で「生物の生育」の象徴
・意富斗能地神・大斗乃辨神(おおとのぢのかみ・おおとのべのかみ
 →斗(戸、門)で「家屋」の象徴
・於母陀琉神・阿夜訶志古泥神(おもだるのかみ・あやかしこねのかみ
 →男女の容姿を褒める言葉(詳しくは過去記事【「足の病を治す」山頂にある足尾神社に行って来ました!】をご覧ください<(_ _)>)
・伊耶那岐神・伊耶那美神(いざなぎのかみ・いざなみのかみ
 →人類の起源・創造神

こうして見て行くとちょっとしたストーリーになっている様ですね?
「国土が生まれ」➩「空や大地が生まれ」➩「大地は泥砂だったけど」➩「杭が打たれて生物が生成され」➩「家屋が出来た」➩「男女の営みができた」➩「人が生まれた」って感じでしょうか?

Q2.神世七代のポイントは?

神世七代の覚えておきたいポイントはある?

イザナミ・イザナギ以外、特にありません。
記載が無いので何をしたのかも分かっていないので。

それ、一問目でも同じこと言ってたじゃん。

ギクッ!
ポイントはこんな感じでいいんじゃないでしょうか?

【神世七代で覚えときたいポイント】

①一代目の國之常立神、二代目の豐雲野神は姿形が無い&姿を隠した
②三代目の宇比地邇神・須比智邇神から姿があった&姿を隠さなくなった
③兄妹でもあり夫婦でもある
④つまりここで初めて【男女の形】が出来上がった
⑤重要な神様の様だが、相変わらず出番は無い
⑥日本書記とは少し違っている
⑦これ以降、伊耶那岐神・伊耶那美神の「神」という表記が無くなる
...って所でしょうか?

う~ん...そうなると、イザナギ・イザナミ以外は覚えなくても…忘れちゃっても大丈夫かな??

確かに覚えなくても…忘れてしまったとしても、読み進める上で支障はないかもしれないわ。


【解説】
上件 自國之常立神以下 伊邪那美神以前 并稱神世七代
「上件」は「上に記したもの」といった意味で良いと思います。

「自」は文面から考えるに、おそらく助詞でしょう。
「自」には「起点を表す」意味があります。「~から、~より」といった感じかな?

國之常立神以下 伊邪那美神以前」は
國之常立神以(より)下、伊邪那美神以(より)前、自(からを~)という感じになるでしょうか。

「并」は「併」で「あわせて」という意味ですね。
「稱」は一見難しいのですが…これは「称」です。
ここは「称する、呼び名」という意味でしょう。

直訳すると…
「上に記したもの、國之常立神より下、伊邪那美神より前からを、併せて神世七代と称します」
このままでもいいんですが…
「上で記した誕生した神々のうち、國之常立神から伊邪那美神までの神々を、神世七代とお呼びします」としてみました。

(上二柱 獨神各云一代)
ここからは太安万侶による注釈です。
「上二柱」は國之常立神と豐雲野神のことです。

「獨神各云一代」は「獨神(ひとりがみ)は各(おのおの)一代と云(い=言)う」と読みました。
神世七代はその名の通り、七代あります。
男女一組で1代とカウントしますが、國之常立神と豐雲野神だけは独り神だけどこれはこれで1代とカウントしてるよ、ってことです。
下をご覧ください<(_ _)>

【神世七代】
一代目 國之常立神
二代目 豐雲野神 ⇦ここまで独り神
三代目 宇比地邇神・須比智邇神
四代目 角杙神・活杙神
五代目 意富斗能地神・大斗乃辨神
六代目 於母陀琉神・阿夜訶志古泥神
七代目 伊耶那岐神・伊耶那美神

直訳では少し言葉が足らない気がしたので...
「上記の神世七代のうち、國之常立神と豐雲野神の2柱は独り神ですが、各々これを一代として数えます」と訳してみました。

(次雙十神 各合二神云一代也)
「雙」は「双」です。
「双」には「「なら(ぶ)」という意味と読みがあります。
昨日もお話した様に「独り神」に対し、2神一組を「双神(ならびかみ)」と言います。

「次に雙(双=なら)ぶ10の神々は、各(おのおの)2神を合わせて一代と云う」
つまりこの文は、上記の【神代七代】の3代目~7代目は2神で1代だよ、と言っているのです。

なのでここは「(國之常立神と豐雲野神の2柱の)次に続く10柱の神々は、各々兄妹のお二方で一代としています」で良いかと思います。


以上で『古事記』本文上巻⑤~神世七代(2)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻⑥~オノゴロ島(1)~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
本日のおまけは一番下にあります。

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