いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻④~神世七代(1)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『『古事記』本文上巻④~神世七代(1)~』のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。


【前回のあらすじ】
以上5柱の神様は、別天つ神(ことあまつかみ)と呼ばれる特別な神様です

前回は世界が誕生した後、「別天つ神」という特別な神々が誕生したところまでお話しました。
今回は、その後に誕生した「神世七代」についてのお話です。
「別天つ神」では姿形が無く、独り神でしたが「神世七代」では途中から姿と性別があるようになり、兄妹で誕生する双神になります。

『古事記』本文上巻④~神世七代(1)~

【原文と読み方】
【原文】
次成神名 國之常立神 (訓常立亦如上)
次 豐雲(上)野神
此二柱神亦 獨神成坐而 隱身也
次 成神名 宇比地邇(上)神 次妹須比智邇(去)神(此二神名以音)
次 角杙神 次妹活杙神(二柱)
次 意富斗能地神 次妹大斗乃辨神(此二神名亦以音)
次 於母陀琉神 次妹阿夜(上)訶志古泥神(此二神名皆以音)
次 伊邪那岐神 次妹伊邪那美神(此二神名亦以音如上)

【読み方】
次に成りませる神の名は、國常立(くにのとこたちの)神。
【「常立」の訓(よ)み、亦(また)上の如く】

次に豐雲野(とよくものの)神。
【「雲」は上声(じょうせい)】
この二柱の神も、獨神(ひとりがみ)に成りまして、身を隱したまひき。

次に成りませる神の名は、宇比地邇(うひぢにの)神、次に妹(いも)須比智邇(すひぢにの)神。
【宇比地邇の「邇」は上声】
【須比智邇の「邇」は去声】
【此の二神の名は音を以(もち)いる】

次に角杙(つのぐひの)神、次に妹(いも)活杙(いくぐひの)神【二柱】。

次に意富斗能地(おほとのぢの)神、次に妹(いも)大斗乃辨(おほとのべの)神。
【此の二神の名も亦(また)音を以(もち)いる】

次に於母陀琉(おもだるの)神、次に妹(いも)阿夜訶志古泥(あやかしこねの)神。
【「夜」は上声(じょうせい)】
【此の二神の名も皆音を以(もち)いる】

次に伊耶那岐(いざなぎの)神、次に妹(いも)伊耶那美(いざなみの)神。
【此の二神の名も亦(また)音を以(もち)いること上の如し)】

【訳】
次に國之常立神(くにのとこたちのかみ)という名の神様が現れました。
(註:【常立】は上記の天之常立神と同じ様にで読んで下さい)
続いて豐雲野神(とよくもののかみ)という名の神様が現れました。
(註:【雲】は上声=高い声で発音して下さい)
これら2柱の神もまた皆、独り神であらせられ、やがてその姿をお隠しになりました。

次に宇比地邇神(うひぢにのかみ)
(註:【邇】は上声=高い声で発音して下さい)
次にその妹神である須比智邇神
(註:【邇】は去声=最初は強く、後半は弱く読んで下さい)
(註:この2神の名前は音読みで読んで下さい)

次に角杙神(つのぐひの)
次にその妹神である活杙神(いくぐひのかみ)
(註:角杙神・活杙神は二柱です)

次に意富斗能地神(おほとのぢのかみ)
次にその妹神である大斗乃辨神(おほとのべのかみ)
(註:この2神の名前もまた音で読んで下さい)

次に於母陀琉神(おもだるのかみ)
次にその妹神である阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ)
(註:【夜】は上声=高い声で発音して下さい)
(註:この2神の名前は皆、音読みで読んで下さい)

次に伊耶那岐神(いざなぎのかみ)
次にその妹神である伊耶那美神(いざなみのかみ)。
(註:この2神の名前もまた、上記の様に音読みで読んで下さい)


【解説】
文中には太安万侶の注釈があります。
拾い上げて見ますと…
(訓常立亦如上)は「【常立】の訓(よ)み、亦(また)上の如く」つまり「【常立】は上記の天之常立神と同じ感じで読んでね」って事でしょう。

(上)は「上声(じょうしょう)」の省略された言葉です。
「ここは高い声(発音)で読んで下さい」と言っているのです。

(去)も②と同じで発音に対する注釈です。
「去声(きょせい)」の略語です。
「去声」を無理やり訳すると「最初強く!後半は弱く読んで!」でしょうか。

古事記は漢文ですので、中国の発声が絡んでくるんですかね~。
余談ですが、私の大学時代第2外国語は中国語(北京語)を履修しました。
この時習った発声はピンインといって、確か4種あったはず...なにか関係あるんでしょうか??

今回も訳が簡単なので、一文ごとの解説は設けないで次の疑問点について書きたいと思います。
1.「身を隠す」って何だ?
2.「獨神(ひとりがみ)」と「「双神」(ならびかみ)」
3.兄妹なのに結婚していいの?
これ以外の神代七代のまとめは明日書こうと思います。

1.「身を隠す」って何だ?

→訳していて「これでいいのかな~?」と思う箇所があります。
それは【隱身也】です。
私は「やがてその姿をお隠しになりました」と訳したのですが…「どういうこと?なんで隠れちゃうの?」って思いませんか?
と言う訳で、この点について考えてみたいと思います。

「身を隠す」の意味は、どちらかと言えばネガティブなイメージがあります。
しかしですね~、普通神様にネガティブな言葉はつかわないじゃないですか?

それで、私的に【隱身也】の意味を考えてみたんですけど、そうしたら「…お?これならシックリ来るぞ?」という言葉が思い浮かびました。
それは「隠居」です。

「隠」の文字があるのも気に入っているのですが、そもそも神様が姿を現す・隠す理由を考えたら...
「神様が意味無く登場するわけない➩同じく神様が意味無く隠れる訳がない」ので...
「神様は何か意味ある行動をしに登場した➩つまり意味ある行動をし終えたから姿を消した」んじゃないかな~と思います。

「役目を終えたから姿を消す」...後進に道を譲って隠居した、ってイメージです。
古事記には別天つ神が姿を現し、身を隠すまでに何をした...という描写が無いので、確信は無いんですけど私的には「その姿をお隠しになりました」は「別天つ神は成すべきことを成したので、神世七代に後を託し、隠居しました」みたいな意味だと思っています。( ー`дー´)キリッ‼

でも、自信はあるけど確信が無いので無難に「その姿をお隠しになりました」と訳しましたけどね…。

2.「獨神(ひとりがみ)」と「「双神」(ならびかみ)」

→ちょっと整理するとこうでしょうか。
獨神➩単独で誕生した神のこと
双神➩男女一組で誕生した神のこと

古事記を読んでいくと、最初に誕生した別天つ神は獨神でした。
次に誕生した神代七代のうち、6番目と7番目に登場した國之常立神と次豐雲野神まで同じく姿形は無く、獨神でした。

しかし、この次の8番目に誕生する宇比地邇神と須比智邇神から双神になります。
そして最後に登場する伊耶那岐神と伊耶那美神まで続いていきます。
ちなみに神代七代で初めて姿形を持った、この5組の神々は【兄妹であり、夫婦でもある】です。

じゃあ流れ的には「今後神様の誕生は双神がメインになるのね?」と思わせておいて、この神世七代の後は殆ど双神はありません。
私の記憶だと、イザナミが亡くなる時に生まれた神が最後の双神だった様な…?
一気に3柱、5柱と誕生することはあるのですが、男女一組で誕生する神様は逆に殆どいないのです。

ならば何故ここで双神にしたのか?
それは「そろそろ人の姿と男女の形をハッキリさせないと、この後に続く国生み&神生みの説明が出来ないから...」と私は思います。
やはり、【産む】には男女が結婚し夫婦でないと…いつまでも姿形が無かったら、話が進まないぜ...」と思ったんじゃないでしょうか?

3.兄妹なのに結婚していいの?

いいんです。

先ほども書きましたが、神代七代のうち姿形を持ったこの5組の神々は【兄妹であり、夫婦でもある】。

人間社会ではタブーなんですが、神社会(?)ではOKなんです、人間じゃないから、神様だから。
これ以上の理由が必要でしょうか?(逆切れ)



以上で『古事記』本文上巻④~神世七代(1)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻⑤~神世七代(2)~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
本日のおまけは一番下にあります。

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