こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『『古事記』本文上巻⑥~オノゴロ島(1)~』のご紹介です。
こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。
(註:上記の神世七代のうち、國之常立神と豐雲野神の2柱は独り神ですが、各々これを一代として数えます。國之常立神と豐雲野神の2柱の次に続く10柱の神々は、各々兄妹のお二方で一代としています)
世界開闢から別天つ神の誕生、そして神世七代の登場までが語れました。
今回からは神世七代の末っ子として生まれたイザナギ・イザナミを主人公にした物語が始まります。
2神は国生み➩神生みと成していくわけですが…ちょっと訳しづらい文面も出てきます。
個人的な意見なんですけど、このオノゴロ島あたりの表現が、ちょっとアレだから...。
古事記が小学生とかの授業に出さないのかな~…とか考えちゃいます。
『古事記』本文上巻⑥~オノゴロ島(1)~
於是 天神諸命以 詔 伊邪那岐命 伊邪那美命 二柱神
修理固成 是多陀用幣流之國
賜 天沼矛而 言依賜也
【読み方】
是(ここ)に於(お)いて、天つ神諸(もろもろ)の命(みこと)以(もち=用)いて、伊耶那岐命(いざなぎのみこと)伊耶那美命(いざなみのみこと)の二柱の神に詔(みことのり=若しくは、みことをのり)たまひて
是(こ)の多陀用幣流(音読みで「ただよえる」=漂える)國を修理(しゅうり)し固め成(な)せと
天沼矛(あめのぬぼこ)を賜(たま)いて、言依(ことよさし)賜(たま)いき也
「於是」は「是(ここ)に於(お)いて」と読みました。
つまり「神世七代のイザナギ・イザナミが生まれた段階に於いて」でしょう。
「天神諸命」は「命」の訳し方がややこしいですね。
「命じる」ではなく「天神諸々の命(みこと)」の方です。
「命」は「神様の名に添える敬称」という意味です。
なお「天神」とは「別天つ神」のこと以外に考えられません。
だって神世七代の前は、「別天つ神」しか存在していませんからね。
ですから「天神諸々の命(みこと)」は「別天つ神の方々が」。
ちょっと固いので「天界の神様たちが」って感じでしょう。
「詔」か「みことのり」ですね。
「天子の命令」という意味です。
ここは少し補足して説明してみようと思います。
「みことのり」について
漢字にすると「詔」「勅」があります。
この2つの違いについては、過去記事の『古事記』序文⑮~帝紀と本辞の誤り(1)~でも書きましたが、今一度おさらいしますと…
「詔」➩臨時の大事に用いる
「勅」➩尋常の小事に用いる
これは「公式令(くしきりょう)」という【文書での行政方法や政務の執行方法を規定した法典】にある「詔」と「勅」の使い分けに関する規定です。
「詔」の方がちょっと格が上、って感じですね。
ちなみに『古事記』に「勅」の字はほぼ出てきません。
ところで「みことのり」の漢字は「詔」「勅」以外にも「御言宣」があります。分解すると…
「御言(みこと)」➩つまり「神や天子のお言葉、命令」
「宣(のたまう)」➩「神・天子が下す言葉」
です。
まとめると「みことのり」には意味がほとんど同じだけど、3種類あるという事になります。
・御言宣➩御言(みこと)+宣(のたまう) 意味が分かりやすい
・詔➩臨時の大事に用いる 古事記はコレ!
・勅➩尋常の小事に用いる 古事記に殆ど出ない
以上「みことのり」についてでした<(_ _)>
呼び名が「神」から「命」に変わったのは何で?
「伊邪那岐命 伊邪那美命 二柱神」
前回にも書いたんですけど、「伊邪那岐・伊邪那美」は、古事記において一番最初の登場時は「伊邪那岐神・伊邪那美神」
と「神(~のかみ)」なんですけど、ここから全て「命(~のみこと)」に表記が変わります。
う~ん...なんでですかね~…。
先に述べたように「命」は「神様の名に添える敬称」なので、「神」でも「命」でも意味はどちらもあんまり変わんないと思うんですけど…。
登場時➩「神」
別天つ神に命じられた後➩「命」
並べてみて最初に「はッ!まさか…!(゚Д゚)」と思ったのは、①「命じられた」からか?です。
いやいや、しかしこれでは弱い...
そして次に「はッ!ならば...これか?(゚Д゚)」と思ったのは、②「格」が違うからか??です。
【神社会(?)バージョン】
同じ神様でも…
・別天つ神→特別な神でとても偉い
・イザナギ達→普通の偉さ
両者は確かに共に神様ではあるけれど偉さ、格が違う。だから同列で【神】と書くのに抵抗があって差別化を図るために【神】と【命】を用いた…と考えるのは不自然ではないと思います。
【会社バージョン】
同じ取締役でも…常務と専務違うもんね!
・取締役専務→偉い。それ以上にエロい。
・取締役常務→偉い。まずはココを目指してる
両者は確かに共に役員ではあるけれど偉さ、格が違う。...っていうのと同じニュアンスで捉えています。
ちなみにうちの役員は決断力が弱い!もっとスピーディーに!下剋上しちゃうぞ??
以上、呼び名が「神」から「命」に変わったのは何で?の考察でした<(_ _)>
・修理固成 是多陀用幣流之國
「修理」は現代の意味と同じで良いと思います。
「壊れたのをなおすこと」の意味ですけど、これを下の様に補足した意味にすると、より分かりやすいかと思います。
「修理」=「なおして、再び使用できるようにすること」
「固成」は「固め成せ」、つまり「固めなさい」でしょう。
「多陀用幣流」はちょっと前に出てきた言葉ですね…覚えていますか??
天地開闢時の「クラゲ漂える~」の箇所です。
※『古事記』本文上巻②~別天つ神(2)~をご参照ください。
これは音読みして…
多陀用幣流➩ただようへいる➩ただよえる➩漂える、です。
これがわかれば後は簡単です。
「是(こ)の多陀用幣流(ただよえる=漂える)国を再び使用できるようになおして、固め成さい」でしょう。
・賜 天沼矛而 言依賜也
「賜」は「たま(う)」です。
「目上の人が、目下の人に物を与える」みたいな意味です。
ここでは「別天つ神が、イザナギ達に与える」という感じです。
「言依」はとても難しかったです。
これで「ことよさし」と読みます。
意味は「ことづける、伝言する」でしょうか。
「言寄(ことよせ)」と似たような意味で使っている様です。
この文では主語が別天つ神なので、「ことづけた」ではなく「~と仰せになった」が妥当な訳だと思います。
「天沼矛」は「あめのぬぼこ」と読みます。
これでフワフワの大地をかき混ぜて固めろ、と命じられたわけです。
天沼矛...矛でかき混ぜたのは何故なのか?
天沼矛って、他にエピソード無いの?
あと何で、矛でかき混ぜたのかな??
「他のエピソード」は無いわ。
「矛でかき混ぜた」理由は…他に適した道具が見当たらなかったんじゃない??
※あくまでアキちゃんの考えです<(_ _)>💦
そんな理由なわけ無くない?
じゃあ逆に聞くけど、『橋の上に立って、下に流れてる川の水をかき混ぜて』と言われたら、いもみの家にそれが出来そうな道具ある?
え~?乙女の家にそんなものないよ~。
でしょ?
かき混ぜられる形状は、橋の上から川まで届く【長さ】と、かき混ぜるために必要な【面積】を兼ね備えた物でなければならないわけ。
それだったら、舟をこぐ「オール」とか巨大な「しゃもじ」とか「シャベル」とか...?
いもみのイメージでは、神様の家にオールとか、何に使うのか分からないけど巨大なしゃもじがある、と思ってるの?
う...でもシャベルはあるかもしんないじゃん!
いもみのイメージでは、「はい、じゃあこれでかき混ぜなさい」って神様がシャベルを渡してくるのね?
うう...。
ねっ?「矛以外でかき混ぜるのに適した道具が見当たらなかったから」説、なかなか信ぴょう性ありそうでしょ?
おしまい<(_ _)>以上で『古事記』本文上巻⑥~オノゴロ島(1)~のご紹介はおしまいです。
次回は『古事記』本文上巻⑦~オノゴロ島(2)~をご紹介する予定です。
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ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
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