いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻㊽~一日千人を絞め殺し、千五百の産屋を建てる(2)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻㊽~一日千人を絞め殺し、千五百の産屋を建てる(2)~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
黄泉醜女、黄泉軍が退けられたので最後にはイザナミ自らがイザナギを追いかけてきました。
そこでイザナギは千引石(ちびきのいわ=千人で引かなければ動かせないような重い岩石)を引いて、この世とあの世の境目である黃泉比良坂の入り口を塞ぎました。
そしてイザナギは千引石を挟んで、追ってきたイザナミと向かい合いました。

あんなに愛し合った二人でも憎しみ合うようになる...男女は難しいですね。
大学の時に聞いた話だと、人間の男女の愛は平均して約2年しか続かないようですよ?
さて、この後日本で初めての離婚が描かれていきます。
そうなんです、日本初の離婚者はイザナギとイザナミなんですね。

『古事記』本文上巻㊽~一日千人を絞め殺し、千五百の産屋を建てる(2)~

【原文と読み方】
【原文】
度事戶之時 伊邪那美命言
愛我那勢命 爲如此者 汝國之人草 一日絞殺千頭 
爾 伊邪那岐命詔 愛我那邇妹命 汝爲然者 吾一日立 千五百產屋
是以 一日必千人死 一日必千五百人生也

【読み方】
事戸(ことど)を度(わた=渡)す時に伊耶那美命(いざなみのみこと)言いたまわく
「愛しき我(わ)が那勢(なせ=汝兄)の命(みこと)、此如(かくのごとく)爲(な=為)りたまへば、
汝(なんじ)の國の人草(ひとくさ)一日(ひとひ)に千頭(ちかしら)絞(し)め殺さん」
爾(ここ)に伊邪那岐命(いざなぎのみこと)詔(の)りたまわく
「愛しき我が那邇妹(なにも=汝妹)の命(みこと)、汝(なんじ)が然(しか)爲(な=為)りたまへば、
吾(われ)は一日(ひとひ)に千五百(ちいほ)の産屋(うぶや)を立てむ」
是(これ)を以(も)ちて一日(ひとひ)に必ず千人(ちひと)死に、一日に必ず千五百人(ちいほひと)生まるる也

【訳】
千引石を挟んでイザナギは、イザナミに別れを告げました。
別れを告げられたイザナミは「愛おしい貴方がこの様な仕打ちをするのならば、私は貴方の国の人民を1日に1000人を絞め殺しましょう」と仰せになられました。
これに対しイザナギは「愛おしい我が妻よ、貴女がそうするのであれば、私は一日に1500の産屋を建てる事にしましょう」とお答えになりました。
こういう出来事があったので、人は一日に必ず千人が死んで、一日に必ず千五百人が生まれるようになったのです。

【解説】
度事戶之時 伊邪那美命言
「度」は音・訓読みでは無いのですが、名のりという読み方に「わたる」という読み方があります。
この場合の「わたす」は、つまり「言い渡す」という感じでしょう。

「事戶」は「ことど」と読みます。
古事記を読まなければ聞いたことない単語だと思います。
「配偶者と縁を切るための呪言」という意味だと考えられています。
これについては後述したいと思います(一番下です)。


愛我那勢命 爲如此者 汝國之人草 一日絞殺千頭 
「愛我那勢命」は「愛しき我が那勢(なせ=汝兄)の命(みこと)」と読みます。
これは以前も登場しましたが、忘れてしまった方のためにもう一度簡単に説明しますね?

「那勢命(なせのみこと)」とは「女性が男性に親しみや敬意を込めて呼ぶ言葉」です。
「那勢(なせ)」は上記の読み方でも書いていますが「汝兄」とも書きます。
この場合、妻であり妹でもあるイザナミが、夫であり兄でもあるイザナギを呼んでいるので「那勢(なせ)=汝兄」なのです

この次の文で「愛我那邇妹命」も出てくるので一緒に説明しちゃいましょう!
「那邇妹」は「なにも」と読んで、「汝妹」とも書きます。
この【那邇妹(なにも)】は、【那勢(なせ)】の対となる言葉なのです。
だから「男性が女性に親しみや敬意を込めて呼ぶ言葉」となります。

それぞれ訳すとすれば「愛我那勢命」➩「愛しい貴方が~」、「愛我那邇妹命」➩「我が妻よ(我が妹よ)」って感じでしょうか。
まぁ、ここは奥様や旦那様、彼女・彼氏さんに対し、読者のあなたが親しみや敬意を込めて呼びたい言葉を当てはめればいいんです。
さぁ、どうぞ!恥ずかしがらずに!!(;゚∀゚)=ハァハァ

「如此(かくのごとく)」は「このように~」という意味ですね。
ですから「爲如此者」は「この様なことをするのならば」といった感じになると思います。


爾 伊邪那岐命詔 愛我那邇妹命 汝爲然者 吾一日立 千五百產屋
「愛我那邇妹命」については上で書いたので省略します。


是以 一日必千人死 一日必千五百人生也
ここの文は簡単ですね。
「この出来事があったから、人は一日に必ず千人が死んで、一日に必ず千五百人が生まれるようになったのです」で良いと思います。

事戸(ことど)について

上で書きましたが、事戸(ことど)とは「配偶者と縁を切るための呪言」という意味だと考えられています。
ちなみに日本書記だと「絶妻之誓」とあるので、離婚の意味であるのは間違いないと思います。

それにしても離婚を何故「ことど」というのでしょうか?
太安万侶の注釈が無いということは「ことど」は大和言葉であり、読む場合も難解な表現では無かったという事なのでしょう。
う~ん...と考える私に、天啓が!!
天啓➩「離婚したらすることかな~?」
そして「もしかしてコレじゃないの?」と思いつきました!

ことど(離婚を意味)➩離婚したらすること➩実家に帰らせて頂きます➩住む家が別々になる➩異なる家(戸)➩異戸(ことど)だ!

どうでしょう?結構いい線言ってると思うのですが。

イザナギがイザナミに何を言って、離縁したのかは古事記に記載が無いので分かりません。
あるいは千引石を置いた事で別れを表わしているのかもしれませんが、これも分かりません。
分からないのですが、「ことど」を「異戸」と解釈した私は「異戸」➩「住む家が別々になる」➩「これからは異なる世界でそれぞれ過ごして行こう」的な事を言ったのかな...?と想像しています。

冒頭でも書きましたが「ことど」のこのシーンは【日本初の離婚】です。

当時の日本の人口は?

「人は一日に必ず千人が死んで、一日に必ず千五百人が生まれるようになったのです」と訳しましたが、この計算ですと1日500人ずつ人口が増えていく計算になりますね。
年間だと500人×365日=182500人。
古事記が成立したのは8世紀初頭ですが、当時の人口はどれ位だったのでしょうか??

...そんな訳でちょっと調べてみました!
比較としてそれ以降の時代の人口と平均寿命も書いてみますね。
※各資料によって数字は異なります。データを3~4つほど見た感じのおおよその数字だと思ってください<(_ _)>
①奈良時代(8世紀頃)
➩人口:450~500万人 平均寿命:20歳 
②平安時代(9~12世紀頃)
➩人口:550~700万人 平均寿命:30歳
③鎌倉・室町時代(12~16世紀)
➩人口:750~850万人 平均寿命:16歳(室町時代)
④江戸時代(17~19世紀)
➩人口:1250~3150万人 平均寿命:38歳

室町時代の平均寿命が低いのは、不作や飢餓、疫病などの他「戦争が多かったため」の様です。
ちなみに鎌倉時代の平均寿命は20歳代で、平安時代より低くなっていました。
これも戦が増えたためのようです。
また平均寿命が低いのは「乳児などの死亡率が極端に高いため」で、普通に50歳くらいまで生きる人も結構いた様です。

以上で『古事記』本文上巻㊽~一日千人を絞め殺し、千五百の産屋を建てる(2)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻㊾~黄泉津大神~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
本日のおまけは一番下にあります。

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本日のオマケ
来週末に福島県のいわき市に旅行します!
とても楽しみです♪
ホテルがなかなか取れずに焦りましたが、何とかとれました!
温泉楽しみだな~♥
折角なので美味しいもの食べてきたいです…福島の名産ってなんだろ...?