いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻㊹~イザナギ逃げる、イザナミ追う(2)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻㊹~イザナギ逃げる、イザナミ追う(2)~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
イザナミの変わり果てた姿を見たイザナギは恐れ驚いて逃げ帰ろうとします。
一方で醜い姿を見られたイザナミは「私に恥をかかせましたね…!(怒)」と言い、豫母都志許賣(よもつしこめ=黄泉醜女)に、逃げたイザナギを追いかけて捕まえるよう命じました。
(註:【豫母都志許賣】の6字は音読みで【よもつしこめ】と読んで下さい)

約束を破って中を覗いてしまったイザナギは、恐ろしい姿に変わり果てたイザナミに驚いて逃げ出します。
自らの姿を見られたイザナミは、逃げ出す夫に憤慨。
「私に恥をかかせたな」と追手を差し向けます…という展開です。
今回は一飛び千里を走るという黄泉醜女から、どうやってイザナギが逃げ切るのか?が描かれます。


『古事記』本文上巻㊹~イザナギ逃げる、イザナミ追う(2)~

【原文と読み方】
【原文】
爾 伊邪那岐命
取 黑御鬘 投棄 乃生蒲子
是摭 食之間 逃行 猶追
亦刺 其右御美豆良之 湯津津間櫛 引闕而 投棄 乃生笋
是拔 食之間 逃行

【読み方】
爾(ここに)伊耶那岐命(いざなぎのみこと)
黒御鬘(くろみかづら=黒御縵)を投げ棄てたまい乃(すなわ)ち蒲子(えびかずら)生(な)りき
是(これ)を摭(ひろ=拾)い食はむ間に逃げ行(い)きますを、猶(なお)追いしかば
亦(また)其(そ)の右の御美豆良(みみずら)に刺させる湯津津間櫛(ゆつつまぐし)を引き闕(か=欠)きて、投げ棄てたまえば乃(すなわ)ち笋(たけのこ=筍)生(な)りき
是(これ)を拔(=抜)き食はむ間に逃げ行(い)きましき

【訳】
黄泉醜女に追われたイザナギは、髪を縛っていた黒御鬘(くろみかづら=ツルの草)を取って投げ捨てると、蒲子(えびかずら=山ぶどう)が生えました。
追手の黄泉醜女がそれを食べている間に急いで逃げますが、食べ終わるとまた追いかけられてしまいます。
イザナギは次に右の髪に刺した湯津津間櫛(ゆつつまぐし=神聖で清浄な櫛)を引き抜いて、投げ棄てました。
すると今度は笋(たけのこ=筍)が生え、追手の黄泉醜女が笋を抜いて食べている間にまた逃げました。

【解説】
取 黑御鬘 投棄 乃 生蒲子 是摭 食之間 逃行 猶追
「黒御鬘」は「くろみかづら」と読みます。
「鬘(かづら=縵)」は「ツルの草」ですね。
このツルの紐で髪の毛を縛っていたと思います。

「生蒲子」は「蒲子(えびかずら)が生えた」です。
「蒲子(えびかずら)」は「(山)ぶどう」の古い名前です。

つまり前半の「取 黑御鬘 投棄 乃 生蒲子」は「黒御鬘(くろみかづら)を取って投げ棄てたら、乃ち蒲子(えびかずら)が生えた」です。

後半部分の「是摭 食之間 逃行 猶追」は「是(これ=山ぶどうの事)を摭(ひろ=拾)い食べている間に逃げたが、猶(なお)追いかけられた」ということでしょう。

なのでここは「(黄泉醜女に追われたイザナギは)髪を縛っていた黒御鬘(くろみかづら=ツルの草)を取って投げ捨てると、蒲子(えびかずら=山ぶどう)が生えました。
追手の黄泉醜女がそれを食べている間に急いで逃げますが、食べ終わるとまた追いかけられてしまいます。」と訳しました。


亦刺 其右御美豆良之 湯津津間櫛 引闕而 投棄 乃生笋
是拔 食之間 逃行

「御美豆良」は少し前に出てきましたね。
「みみずら」と読み、「古代の男子の髪型」のことです。
髪を頭の中央で左右に分け、両耳のあたりで束ねて輪状に結ぶ』髪型です。

「湯津津間櫛」も少し前に登場しました。
「ゆつつまぐし」と読む「櫛」です。
意味は「神聖で清浄な櫛」、若しくは「歯の多い櫛」という説もあります。

「引闕」は「引き闕(か=欠)きて」です。

つまり「刺 其右御美豆良之 湯津津間櫛 引闕而 投棄」は「右の髪に刺した櫛を引き抜いて折った歯を投げ棄てた」という感じです。

「生笋 是拔 食之間 逃行」は「生えた笋(たけのこ=筍)を追手の黄泉醜女が抜いて食べている間にまた逃げた」です。


以上で『古事記』本文上巻㊹~イザナギ逃げる、イザナミ追う(2)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻㊺~イザナギ逃げる、イザナミ追う(3)~をご紹介する予定です。

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『古事記』本文上巻㊸~イザナギ逃げる、イザナミ追う(1)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻㊸~イザナギ逃げる、イザナミ追う(1)~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
中を覗いたイザナギが見たものは、体中に沢山の蛆が群がるイザナミの変わり果てた姿でした。
さらにイザナミの身体じゅうには雷神が生じていて、ゴロゴロと音を立てていたのです。
(註:【宇士多加禮斗呂呂岐弖】の十字は音読みで【うじたかれころろぎて】と読んで下さい)
イザナミの頭部には大雷(おおいかづち)が、
イザナミの胸部には火雷(ほのいかづち)が、
イザナミの腹部には黒雷(くろいかづち)が、
イザナミの陰部には拆雷(さくいかづち)が、
イザナミの左手には若雷(わきいかづち)が、
イザナミの右手には土雷(つちいかづち)が、
イザナミの左足には鳴雷(なるいかづち)が、
イザナミの右足には伏雷(ふしいかづち)が生じていました。
併せて8柱の雷神が生じて居ました。

黄泉の国で再開した愛しい妻の身体には沢山の蛆がたかっていた!更には体には雷神が!!
...と訳した時、いもみは「ふ~ん...死者の国にもハエっているんだ~。不思議ッスね~」と常人では想像も付かないリアクション!


『古事記』本文上巻㊸~イザナギ逃げる、イザナミ追う(1)~

【原文と読み方】
【原文】
於是 伊邪那岐命 見畏而 逃還之時
其妹 伊邪那美命 言令見辱吾
即遣 豫母都志許賣(此六字以音)令追


【読み方】
是(ここ)に於(お)いて伊耶那岐命(いざなぎのみこと)、見(み)畏(おそ)れて逃げ還(かえ)りたまふ時に
其(そ)の妹伊耶那美命(いざなみのみこと)「吾(われ)に辱(はずかし)め見せつ」と言ひて、
即(すなは)ち豫母都志許賣(よもつしこめ=黄泉醜女)を遣(つかわ)して
(此の六字は音を以いる)追わしめき

【訳】
イザナミの変わり果てた姿を見たイザナギは恐れ驚いて逃げ帰ろうとします。
一方で醜い姿を見られたイザナミは「私に恥をかかせましたね…!(怒)」と言い、豫母都志許賣(よもつしこめ=黄泉醜女)に、逃げたイザナギを追いかけて捕まえるよう命じました。
(註:【豫母都志許賣】の6字は音読みで【よもつしこめ】と読んで下さい)

【解説】
於是 伊邪那岐命 見畏而 逃還之時
主語がありませんが…
「於是 伊邪那岐命」➩「中を覗いた」イザナギ
「見畏而 逃還之時」➩「変わり果てた姿のイザナミを」見て畏れ逃げ還る
でしょう。


其妹 伊邪那美命 言令見辱吾
「言令見辱吾」は「『私に恥をかかせましたね』と言いました」と訳しました。
訳は文字を見てピンと来たのですが、読み方が難しいと思いました。
特に「令」が分かりませんでした。

一応「『吾(われ)に辱(はずかし)め見せつ』と言い」と読みましたが、調べてみたら「令見」と書いて「みせしめ」とも読むそうでちょっと自信がありません。
ただ「令」は使役助詞でもあるので「フッ、これでいいかしら...」と思いました。


即遣 豫母都志許賣(此六字以音)令追
「豫母都志許賣」は太安万侶の注釈(此六字以音)で「此の6字は音読みを以(=用)いる」とあり「よもつしこめ」と読みます。

で、何?「よもつしこめ」って??…となりますよね。
漢字だと「黄泉醜女」と書きます。
この名の通り、黄泉の国の鬼女を指します。

この鬼女は大変な健脚で、なんと一飛びで1000里(1里は約4kmだから約4000km!)走る足があるそうですよ?
地球1周は4万kmとされていますから、黄泉醜女は10飛びで地球を1周出来る計算になりますね。
この最強の健脚追撃者から、ある工夫をしたとはいえ逃げ切るのですからイザナギもかなりのスピードスターなのかもしれません。

「即遣 豫母都志許賣 令追」は「即ち豫母都志許賣(黄泉醜女)を遣(つか)わし、追わしめた」で良いと思います。
訳すと「黄泉醜女にイザナギを追いかけて捕まえるよう命じた」が妥当な所だと思います。

以上で『古事記』本文上巻㊸~イザナギ逃げる、イザナミ追う(1)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻㊸~イザナギ逃げる、イザナミ追う(2)~をご紹介する予定です。

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『古事記』本文上巻㊷~明かりを灯してイザナミの姿を見る(2)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻㊷~明かりを灯してイザナミの姿を見る(2)~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
待ちくたびれたイザナギは、自分の髪の左側に刺していた湯津津間櫛(ゆつつまぐし=神聖で清浄な櫛)から太い歯を一つ折って、それに火をつけて扉の中を照らして中を覗きました。
(註:【美豆良】の3字は音読みを用いて【みずら】と読んで下さい。以下もこれに倣い読んで下さい)

「覗かないでね?」と言ってるのに、なんで覗くんでしょう??
男性は待つのが苦手なのは分かりますが…。


『古事記』本文上巻㊷~明かりを灯してイザナミの姿を見る(2)~

【原文と読み方】
【原文】
宇士多加禮斗呂呂岐弖
(此十字以音)
於頭者大雷居
於胸者火雷居
於腹者黑雷居
於陰者拆雷居
於左手者若雷居
於右手者土雷居
於左足者鳴雷居
於右足者伏雷居
并八雷神成居

【読み方】
宇士多加禮斗呂呂岐弖(うじたかれころろぎて)
(此の十字は音を以いる)
頭には大雷(おおいかづち)居(お)り
胸には火雷(ほのいかづち)居(お)り
腹には黒雷(くろいかづち)居(お)り
陰(ほと)には拆雷(さくいかづち)居(お)り
左の手には若雷(わきいかづち)居(お)り
右の手には土雷(つちいかづち)居(お)り
左の足には鳴雷(なるいかづち)居(お)り
右の足には伏雷(ふしいかづち)居(お)り
并(あわ=併)せて八雷神が成り居(お)りき

【訳】
中を覗いたイザナギが見たものは、体中に沢山の蛆が群がるイザナミの変わり果てた姿でした。
さらにイザナミの身体じゅうには雷神が生じていて、ゴロゴロと音を立てていたのです。
(註:【宇士多加禮斗呂呂岐弖】の十字は音読みで【うじたかれころろぎて】と読んで下さい)
イザナミの頭部には大雷(おおいかづち)が、
イザナミの胸部には火雷(ほのいかづち)が、
イザナミの腹部には黒雷(くろいかづち)が、
イザナミの陰部には拆雷(さくいかづち)が、
イザナミの左手には若雷(わきいかづち)が、
イザナミの右手には土雷(つちいかづち)が、
イザナミの左足には鳴雷(なるいかづち)が、
イザナミの右足には伏雷(ふしいかづち)が生じていました。
併せて8柱の雷神が生じて居ました。

【解説】
宇士多加禮斗呂呂岐弖(此十字以音)
太安万侶の注釈の(此十字以音)は「この十字は音読みを用いる」なので、宇士多加禮斗呂呂岐弖は「うじたかれころろぎて」と読みます。
これを分解すると…
「うじ」➩蛆
「たかれ」➩たかる(沢山群がってる)
「ころろぎて」➩下をご覧ください。

「ころろぎて」が難しいですよね。
「こころぐ」で検索すると、「嘶く(ころろく)」がヒットしました。
意味は「ころころと鳴る、ころころと音をたてる」だそうです。
「ころころ」という音ですが、以下の文面では雷神が登場しているので「ゴロゴロ」という音にしました。

つまり宇士多加禮斗呂呂岐弖は「蛆が沢山群がっており、ゴロゴロと音を立てていた」という感じになります。


於頭者大雷居
於胸者火雷居
於腹者黑雷居
於陰者拆雷居
於左手者若雷居
於右手者土雷居
於左足者鳴雷居
於右足者伏雷居
并八雷神成居

この文は【於(イザナミの身体の各部位に)者(各雷神が)居た】、ということです。
「於」は「~に於(お)いて」
「イザナミの身体の各部位に~」という感じでしょう。
「者」は強調や仮定の条件を表す助字です。
訳すなら「~は、~とは、~れば」でしょうか。
「居」は訓読みの「お(り)」で良いと思います。

さて...「土雷」「伏雷」とかどういう雷なの?って名前もチラホラ…。
調べても分からなかった雷神もいましたが、開き直って分かった事と私の解釈だけ書きますね?

【雷神】について

語源
➩雷は「かみなり」ですが、古い時代では「いかづち」と言いました。
この「いかづち」は「厳(いか)つい」+「霊(ち)」から来ている、というのが一般的な解釈なんだそうです。
ちなみに【厳は「勢いが盛んな様子」の意味】です。

いかづち=厳霊ということですが、厳霊という言葉には悪霊や鬼、蛇を指すのだという解釈もあります。

雷神は稲作の神様
➩雷は雨を降らせますから、雷神は水の神とも。
更に雨の恵みをもたらすことから、農耕に関連付けられて稲作の神様とも言います。

雷神の名の意味について
➩一部自信がありませんが、以下の様な意味があると思います。
※個人の解釈・感想ですので間違ってるかもしれません...
・大雷(おおいかづち)➩雷の威力(強)
・火雷(ほのいかづち)➩雷が落ちて燃える
・黒雷(くろいかづち)➩雷の時に空が暗くなる
・拆雷(さくいかづち)➩雷で裂(さ)く
・若雷(わきいかづち)➩雷の威力(弱)?
※「若」は「大」の対になる言葉なので...多分威力が弱い雷?
・土雷(つちいかづち)➩雷が地面に落ちる?
・鳴雷(なるいかづち)➩雷鳴しか考えられない
・伏雷(ふしいかづち)➩雷が地上に落ちず雲の中で光ってる様子?

以上で『古事記』本文上巻㊷~明かりを灯してイザナミの姿を見る(2)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻㊸~イザナギ逃げる、イザナミ追う(1)~をご紹介する予定です。

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『古事記』本文上巻黄㊶~明かりを灯してイザナミの姿を見る(1)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻黄㊶~明かりを灯してイザナミの姿を見る~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
「ですが、愛しい貴方が
(註:那勢命の【那勢】の二字は音読みを用いて【なせ】と読んで下さい。以下もこれに倣い読んで下さい)
わざわざ黄泉の国まで私を迎えに来てくれたのですから、私も叶うならば貴方様と一緒に帰りたいと思います。
私は黄泉神(よもつかみ)に会って交渉してきますから、暫くの間待っていてください。
その待つ間は、扉の中の私の姿を見ないでくださいね。」
とこの様に言い残して、黄泉神に交渉するためイザナミは御殿の中に入って行きました。
しかしイザナギは随分長く待ったけれど、イザナミはなかなか出てきません。

ここまでの流れを要約して振り返ってみましょう。
イザナギ「妻よ、国造りは終わってない、一緒に帰ろう!」
イザナミ「残念ながら黄泉の国でご飯食べたからもう帰れないです」
イザナギ「…。(ご飯食べてたの?)」
イザナミ「折角来てくれたから、神様に相談してきます。覗きNGで。」
イザナギ「…。(神様が神様に相談するんだ...まだかな~…「覗きNGで」って釘刺されたけど、覗くって疑われてるのかな...?なかなか戻ってこないし、中の様子を見てみたいな...ウズウズ...)」
って所です。
フラグって古代日本にもあったんですね~。



『古事記』本文上巻黄㊶~明かりを灯してイザナミの姿を見る~

【原文と読み方】
【原文】
故 刺左之 御美豆良
(三字以音 下效此)
湯津津間櫛之男柱 一箇取闕而
燭一火 入見之時

【読み方】
故(かれ)左の御美豆良(みみづら)
(三字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う)
に刺(さ)せる湯津爪櫛(ゆつつまぐし)の男柱(おとこばしら)一箇(ひとつ)取り闕(か=欠)きて一火(ひとつび)燭(とも)して入り見たまふ時に

【訳】
待ちくたびれたイザナギは、自分の髪の左側に刺していた湯津津間櫛(ゆつつまぐし=神聖で清浄な櫛)から太い歯を一つ折って、それに火をつけて扉の中を照らして中を覗きました。
(註:【美豆良】の3字は音読みを用いて【みずら】と読んで下さい。以下もこれに倣い読んで下さい)

【解説】
故 刺左之 御美豆良(三字以音 下效此)
まずは太安万侶の注釈の(三字以音 下效此)を訳して、「御美豆良」を読みましょう。
「三字以音 下效此」➩「三字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う」➩「【美豆良】の3字は音読みを用いて【みずら】と読んで下さい。以下もこれに倣い読んで下さい」です。

これで「御美豆良」は「みみずら」と読むことが分かりました。
で、なんだ?「御美豆良(みみずら)」って?…となりますね。

「美豆良(みずら)」は「古代の男子の髪型」です。
「角髪」とも書きます。
どういう髪型かと言うと『髪を頭の中央で左右に分け、両耳のあたりで束ねて輪状に結ぶ』髪型です。
こんな感じです。

「刺左之 御美豆良」とは「美豆良(みずら)の左に刺した」です。
上の図で見ると分かるように、「耳の辺りに束ねた結びは左右にあるのでその左側に刺していた」という事でしょう。


湯津津間櫛之男柱 一箇取闕而 燭一火 入見之時
「湯津津間櫛」、また難しい単語が登場しました。
これは「ゆつつまぐし」と読みます。
意味は「神聖で清浄な櫛」ですが、「歯の多い櫛」という説もあるようです。

形状や材質などは記載が無い為分かりませんが、材質はおそらく「竹」で出来ていたと思います。
理由はこの後「イザナギが櫛を投げると竹の子が生えた」という文が出てきますので、この櫛は竹だったと考えています。

「男柱」は「おとこばしら」と読みます。
私は初めて聞きました💦
意味は「橋・階段などの左右の端にある大きな柱」だそうです。

櫛の男柱(大きな柱)というのが何を指すのか...多分なんですが「櫛の中の太い歯」を意味していると思います。

「一箇取闕」は「一箇(ひとつ)取り闕(か=欠)きて」と読みました。
「闕」が難しいですが、これは「か(ける)」と読みます。
意味は「欠ける」と同じです。
従ってここは前文の櫛の歯を「一つ折って」という感じで良いと思います。

「燭一火 入見之時」は「明かりをつけて(扉の中に)入って見た時」ですね。

以上で『古事記』本文上巻黄㊶~明かりを灯してイザナミの姿を見る(1)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻黄㊷~明かりを灯してイザナミの姿を見る(2)~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
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『古事記』本文上巻黄㊵~黄泉の国の神様に相談してくる~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻黄㊵~黄泉の国の神様に相談してくる~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
このイザナギの呼び掛けに対し、イザナミがお答えになったのは「それはとても残念です…貴方がもう少し早く来ていただけたら...。私は黄泉の国の食べ物を食べてしまいました(黄泉戸喫=よもつへぐい)」

イザナミを迎えに黄泉の国に向かったイザナギ。
扉を隔てて会話をします。
イザナギ「妻よ、国造りは終わってない、一緒に帰ろう!」
イザナミ「残念ながら黄泉の国でご飯食べたからもう帰れないです」
...要約すると、なんかシュールなやり取りになってしまいますね…。
今回はこの後の展開が描かれます。


『古事記』本文上巻黄㊵~黄泉の国の神様に相談してくる~

【原文と読み方】
【原文】
然 愛我那勢命(那勢二字以音 下效此)
入來坐之事恐 故欲還 
且與黃泉神相論 莫視我 
如此白而 還入 其殿内之間 甚久 難待

【読み方】
然(しか)れども愛しき我が那勢(なせ=汝兄)の命(みこと)
(【那勢】の二字は音を以いる 下も此れに效う)
入(はい)り来(き)坐(ま)す事恐(かしこ)みまつる
故(ゆえ)に還らんと欲す(欲しまつる?)
且(しばら)く黄泉神(よもつかみ)與(=与=と)相(あい)論(あげつら)はむ 我を視(み)る莫(なかれ)」と
如此(かくのごとく)白(もう=申)して、其(そ)の殿内(でんのうち)に還り入りませる
甚(はなは)だ久しく待ち難し

【訳】
「ですが、愛しい貴方が
(註:那勢命の【那勢】の二字は音読みを用いて【なせ】と読んで下さい。以下もこれに倣い読んで下さい)
わざわざ黄泉の国まで私を迎えに来てくれたのですから、私も叶うならば貴方様と一緒に帰りたいと思います。
私は黄泉神(よもつかみ)に会って交渉してきますから、暫くの間待っていてください。
その待つ間は、扉の中の私の姿を見ないでくださいね。」
とこの様に言い残して、黄泉神に交渉するためイザナミは御殿の中に入って行きました。
しかしイザナギは随分長く待ったけれど、イザナミはなかなか出てきません。


【解説】
然 愛我那勢命(那勢二字以音 下效此)
「愛我那勢命」は太安万侶の注釈である(那勢二字以音 下效此)を訳さないと読めません。
なので(那勢二字以音 下效此)から訳します。
那勢二字以音 下效此➩「【那勢】の二字は音を以(もち=用)いる 下も此(こ)れに效(なら)う」と読みます。
訳すと「那勢命の【那勢】の二字は音読みを用いて【なせ】と読んで下さい。以下もこれに倣い読んで下さい」です。

なので「愛我那勢命」は「愛しき我が那勢(なせ)の命(みこと)」と読みます。
なんだ?那勢命(なせのみこと)って??となると思いますが、ちょっと前に「愛我那邇妹」というのがあったのを覚えていますか??

おさらいすると「那邇妹」は「なにも」と読んで、「汝妹」とも書きます。
そして「男性が女性に親しみを込めて呼ぶ言葉」という意味でした。
訳す場合は「我が妻よ」「我が妹よ」となると思います。

長くなりましたけど、【那勢(なせ)】はこの【那邇妹(なにも)】の対となる言葉なのです。
つまり「女性が男性に親しみや敬意を込めて呼ぶ言葉」です。
「愛しい貴方が~」と訳してみました。

入來坐之事恐 故欲還
「入來坐之事恐」は「入(はい)り来(き)坐(ま)す事恐(かしこ)みまつる」と読みました。
これはイザナミが自分を迎えに黄泉の国まで来てくれたイザナギに対し「貴方がここまで来てくれたのは恐れ多いことです」というニュアンスで訳せば良いと思います。

「故欲還」は「故(ゆえ)に還らんと欲す(欲しまつる?)」以外に読み方ある?って感じです。
ひょっとしたら違う読み方があるのか...?と調べてみましたが出てこなかったし...違和感あるのですが「故(ゆえ)に還らんと欲す(欲しまつる?)」が一番分かりやすい読み方なのでこれで。
「なので私もあなたと一緒に帰りたいです」といった感じの訳になると思います。

ここは「わざわざ黄泉の国まで私を迎えに来てくれたのですから、私も叶うならば貴方様と一緒に帰りたいと思います」と訳してみました。

且與黃泉神相論 莫視我
「且」は「しばら(く)」と読みます。
意味は「暫く」と同じです。

「與」は「~と」と読みます。
これは「与」という字の古い表記です。

「黃泉神」は「よもつかみ」と読みます。
黄泉の国はイザナミが死後に黄泉津大神(よもつおおかみ)と名を変え統治するのですが、その前に黄泉の国を統治していた神様がいたという事なんでしょうね。
この「黃泉神(よもつかみ)」ですが、出自など詳細は明記されておらず、この後一切登場しない為なにも分かりません。

「相論」は「相(あい)論(あげつら)はむ」と読みました。
「論(あげつら)う」が読みずらいですよね。
意味は「物事の道理を説く」です。
「相(あい)論(あげつら)はむ」は「顔を合わせて物事の道理を説く」という感じなのでしょうが、訳として固いので「会って相談する、交渉する」あたりが妥当な訳だと思います。

「莫視我」は「我を視る莫(なかれ)」でしょう。
意味は「私を見ないでね」ですね。
「莫(なかれ)」の読み方が難しいですね。

つまり、「黃泉神と交渉してくるから暫く待ってて。その間は扉の中のいる私の姿を見ないでね?」ということですね。
この展開...。
フラグが立ったというか...もう展開が読めてしまいますよね~…。


如此白而 還入 其殿内之間 甚久難待
「如此白而」は「如此(かくのごとく)白(もう=申)して」で良いと思います。
「如此(かくのごとく)」は「このように~」という意味ですね。
「白」は最近も出てきた言葉で、私も初め分からなくて随分調べたのですが訓読みで「もうす」という読み方があります。
「=申す」です。

つまり「如此白而」は「この様に申して」という意味です。

「還入 其殿内之間」は、ちょっと前の訳でやりましたがイザナギが黄泉の国に行って二人が扉を挟んで対面しますよね?
その対面した「相談するために御殿の中に(入り)戻っていった」という事を表わしているのでしょう。

「甚久難待」は「甚(はなは)だ久しく待ち難し」でしょうか?
読みはちょっと自信ありませんが、意味は「とても長くて待ちがたい」で良いと思います。
この前の文で「還入 其殿内之間」(相談するために御殿の中に入り戻っていった)のですから、「黄泉神に交渉するためイザナミは御殿の中に入ったけど、随分長く待ったけれどなかなか出てきません」という感じに訳してみました。

以上で『古事記』本文上巻黄㊵~黄泉の国の神様に相談してくる~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻黄㊶~明かりを灯してイザナミの姿を見る~をご紹介する予定です。

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『古事記』本文上巻㊴~黄泉の国の食べ物を食べたので~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻㊴~黄泉の国の食べ物を食べたので~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
カグツチの首を刎ねたイザナギは、イザナミを取り戻すために死者の国である黄泉の国に向かいました。
黄泉の国に着いたイザナギは、黄泉の国の御殿の騰り戸の外から、御殿の中にいるイザナミに呼び掛け...
「愛しい我が妻よ、私と貴女の国造りはまだ終わっていないのだ。だから私と一緒に帰ろう」
と仰せになりました。


『古事記』本文上巻㊴~黄泉の国の食べ物を食べたので~

【原文と読み方】
【原文】
爾 伊邪那美命 答白 悔哉 不速來 吾者爲
黃泉戶喫

【読み方】
爾(ここに)伊耶那美の命の答へ白(もうす)「悔しい哉(かな)、速く來不(ず)吾(われ)は黄泉戸喫(よもつへぐい)を爲(=為=したため)...」

【訳】
このイザナギの呼び掛けに対し、イザナミがお答えになったのは「それはとても残念です…貴方がもう少し早く来ていただけたら...。私は黄泉の国の食べ物を食べてしまいました(黄泉戸喫=よもつへぐい)」

【解説】
/
爾 伊邪那美命 答白 悔哉 不速來 吾者爲
黃泉戶喫

「答白」は「答え白(もうす)」と読みました…が、正しいかちょっと自信がありません💦
文面からイザナギの呼び掛けに対し、イザナミが応える場面ですので初めは「答曰(こたえいわく)」の字だと思っていたら、本文では「答白」でしたので「白」という字に「言う」の意味があるのか?と調べてみたら
「白」には...
訓読みで「もうす」
意味として「ありのままに言う、申し上げる」

というのがあると分かりました!
そう言えば「告白、白状、建白」など「言う」の意味がありますね。
気が付かなかったわ~…(⇦と、惚ける)

で、自信はちょっとないんですけど「答白」➩「答え白(もうす)」と読む!と思います。

「悔哉」は「悔しい哉(かな)」だと思います。
「哉」の字は助詞なのですが、読み方によって次のように意味が変わります。
①「かな」と読む場合➩「~だなぁ(詠嘆)」
②「や(か)」と読む場合➩「~であろうか(反語・疑問)」
文面から反語や疑問を使うシーンではないので、「悔しい哉(かな)」としました。

「不速來」は「不速来」➩「速く来ない」です。

「吾者爲」は分かりやすい漢字にすると「我為」です。
「私は~した」「私は~したため」といった感じで訳せば良いと思います。

「黃泉戶喫」は「よもつへぐい」と読みます。
「黄泉の国の食べ物を食べる」という意味があります。
この言葉については、いもみがしつこく質問してきたので下で説明いたします。

「黃泉戶喫(よもつへぐい)」について

「黃泉戶喫(よもつへぐい)」...。
黄泉の国の食べ物を食べる」という意味なんだよね?

まず初めに漢字の意味を見て行こっか。
①まず、あの世を意味する「黄泉」。
「よみ」という音は大和言葉(昔の日本語)で、元々は「中国のあの世にある泉」から来てるのよ。
②次に「戸」。
これは「戸」を「へっつい」と読むの。
「竈(かまど)」を指す言葉よ。
「黃泉戶喫(よもつへぐい)」は同じ読みで「黄泉竈喫」とも書くから、「戸」=「竈」という事ね。
③最後に「喫」。
訓読みで「く(う)」と読むの。
意味もそのまま「食べる」よ。
これで「黄泉の国の食べ物を食べる」という意味というわけね。

「黄泉の国の食べ物を食べる」と、どうなっちゃうの?

「あの世のものを食べたら、この世に戻ることは出来なくなる」のよ。

この世に戻れる方法はないの?

もしかしたらあるのかも...としか言えないわ。
古事記では、この後イザナミが「黄泉の国の神に相談してくるから待ってて」というシーンがあるの。
具体的に何をどうするという記述は無いけど…「相談してくる」んだから、この世に帰る方法があるのかもと思う余地はあるわよね?

例えば生きた人が黄泉の国に行って、黄泉の国の食べ物を食べたらどうなっちゃうの?

「あの世のものを食べたら、この世に戻ることは出来なくなる」が適用されるから、当然生きた人でも死者の国の住人になるはずね。

そもそも「黄泉の国の食べ物」って何なの?
「黄泉定食」とか?880円くらい?あっ、カードは使えますか?

...。
「黄泉の国の食べ物」は「黄泉竈喫」の漢字がヒントだと思うの。
これは「黄泉の竈で調理(加熱?)して食べる」だから、つまり「黄泉の国の食べ物」とは「黄泉の国の竈と火を使って調理された食べ物」
じゃないかしら?

「黄泉の国の竈と火を使って調理された食べ物」?
...なら黄泉の国にも食材があるってこと?

食材はね、埋葬の時に一緒に埋めるの。
そして、黄泉の国で調理(黃泉戶喫)してもらって死者の国の住人になってもらうの。
これは二つの意味があると思うわ。
①死者の国の住人になる➩安らかに眠って下さい...。という想い。
②死者がこの世に、穢れや災いをもたらすのを防ぐ。という考え。
いずれにしても黃泉戶喫してしまったら、二度とこの世に戻ることは無い、という思想が見えるわよね?

イザナミは黄泉の国の食べ物を食べちゃったからこの世に戻れない...。

そうそう。

ふと思ったんだけど、デリバリーは無いの?

ふと思ったんだけど、アンタ馬鹿なの?

ふと思ったデリバリーで、生きてる人が黄泉の国の食べ物を注文してこの世で食べたら、その生きた人は黄泉の国の住人になる...?

...論理的にはそうなるのかな。デリバリーは無いと思うけど。

ふと思ったデリバリーで、死んだイザナミがこの世の食べ物を注文して食べてたら黄泉の国の住人にならずにすんだ…?

まぁ確かにイザナギがもっと早くに黄泉の国へ着いてデリバリーしていたら...というのはあるかもね。

死んでも黃泉戶喫しないで、デリバリーでこの世の食べ物を注文すればいいじゃないか!というお話だったのかな?

いや~、無駄な時間過ごしたわ~。

以上で『古事記』本文上巻㊴~黄泉の国の食べ物を食べたので~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻黄㊵~黄泉の国の神様に相談してくる~をご紹介する予定です。

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『古事記』本文上巻㊳~黄泉の国へ行く~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻㊳~黄泉の国へ行く~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
迦具土神をお斬りになったこの刀の名を、天尾羽張(あまのおはばり)と言います。
天尾羽張はまたの名を、伊都尾羽張(いつのおはばり)とも言います。
(註:伊都尾羽張の【伊都】の二字は音読みを用いて【いつ】と読んで下さい)

イザナミを失った悲しみと怒りから我が子の首を刎ねたイザナギ。
それでは収まらず、今度は死者の国である【黄泉の国】へイザナミを迎えに行く...というお話です。
「死者の国へ迎えに行って連れ戻せるのなら、激高して我が子を殺さなくても良かったのでは?」とか「物事の理に反する(=死者を生き返らせる)ことを神様がしていいの?」とか「生き返らせられるのなら、あの慟哭のシーンはなんだったのか...?」などツッコミもあるかもしれませんが、これは神話なので...読み進めていきます。


『古事記』本文上巻㊳~黄泉の国へ行く~

【原文と読み方】
【原文】
於是 欲相見其妹 伊邪那美命 追往 黃泉國
爾 自殿騰戶 出向之時 伊邪那岐命 語 詔之 愛我那邇妹 吾與汝 所作之國 未作竟 故可還

【読み方】
是(ここ)に於(お)いて、其(そ)の妹伊耶那美命を相(あい)見んと欲して黄泉國(よみのくに)に追い往(い)きたまいき
爾(ここに)殿(との)の騰戶(あげど、のぼりど)より出向かいたまう時に、伊耶那岐命(いざなぎのみこと)語らいて
「愛(うつくし)き我が那邇妹(=汝妹=なにも)よ、吾(われ)與(と=与)汝(なんじ)と作る之(の)國
未(いま)だ作り竟(お=終)えず 故(ゆえ)に還(かえ)る可(べ)し」と詔(の)りたまいき。

【訳】
カグツチの首を刎ねたイザナギは、イザナミを取り戻すために死者の国である黄泉の国に向かいました。
黄泉の国に着いたイザナギは、黄泉の国の御殿の騰り戸の外から、御殿の中にいるイザナミに呼び掛け...
「愛しい我が妻よ、私と貴女の国造りはまだ終わっていないのだ。だから私と一緒に帰ろう」
と仰せになりました。

【解説】
於是 欲相見其妹 伊邪那美命 追往 黃泉國
「是(ここ)に於(お)いて、其(そ)の妹伊耶那美命を相(あい)見んと欲して黄泉國(よみのくに)に追い往(い)きたまいき」と読みました。
直訳すると「ここにおいてその妹のイザナミの姿を見たいと思って黄泉の国にまで追って行きました」でしょうか。

ここを「カグツチの首を刎ねたイザナギは、イザナミを取り戻すために死者の国である黄泉の国に向かいました」としました。


爾 自殿騰戶 出向之時 伊邪那岐命 語 詔之 愛我那邇妹 吾與汝 所作之國 未作竟 故可還
「殿」は「御殿」の事でしょう。
「御殿」は「身分の高い人が住む家」という意味ですね。

「騰戶」は「のぼりと」「あげど」と読むと思います。
意味としてはそのまま「戸が上に騰がる」ではないでしょうか。
私のイメージでは御簾の様なスダレを想像しています。

つまり「殿騰戶」は「御殿の騰り戸」で、イザナギは黄泉の国にある御殿の騰り戸の外から、御殿の中にいるイザナミに呼び掛けた…というのが二人の立ち位置なのでしょう。

「愛我那邇妹」は「愛(うつくし)き我が那邇妹(なにも)よ」と読みました。
ここで難しいのは、「那邇妹」でしょう。
素直に読むと「なにいも」なのですが、音が変化して「なにも」と読みます。
「那邇妹」は別の字では「汝妹」と書きます。
意味としては「男性が女性に親しみを込めて呼ぶ言葉」です。
無理やり訳すると「(親しみを込めた)貴女」辺りになると思います。
ですがここは「我が妻よ」「我が妹よ」辺りが妥当な訳でしょう。

「吾與汝」は「吾(われ)與(と)汝(なんじ)」と読みます。
「與」が少し難しいですかね…「與=与」で英語の「and」の意味があります。
「私とあなた」と訳せばいいでしょう。

「所作之國 未作竟」は「作れる國未(いま)だ作り竟(お=終)えず」と読みました。
「竟」は「終える」という意味&読みです。
ここはイザナギがイザナミに「私とあなたの国造りはまだ終わっていないんだ」と言っているシーンですね。

「故可還」は「故(ゆえ)に還(かえ)る可(べ)し」と読みました。
「だから私と一緒に帰るべきである」という感じでしょう。

以上で『古事記』本文上巻㊳~黄泉の国へ行く~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻㊴~黄泉の国の食べ物を食べたので~をご紹介する予定です。

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