いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻㊷~明かりを灯してイザナミの姿を見る(2)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻㊷~明かりを灯してイザナミの姿を見る(2)~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
待ちくたびれたイザナギは、自分の髪の左側に刺していた湯津津間櫛(ゆつつまぐし=神聖で清浄な櫛)から太い歯を一つ折って、それに火をつけて扉の中を照らして中を覗きました。
(註:【美豆良】の3字は音読みを用いて【みずら】と読んで下さい。以下もこれに倣い読んで下さい)

「覗かないでね?」と言ってるのに、なんで覗くんでしょう??
男性は待つのが苦手なのは分かりますが…。


『古事記』本文上巻㊷~明かりを灯してイザナミの姿を見る(2)~

【原文と読み方】
【原文】
宇士多加禮斗呂呂岐弖
(此十字以音)
於頭者大雷居
於胸者火雷居
於腹者黑雷居
於陰者拆雷居
於左手者若雷居
於右手者土雷居
於左足者鳴雷居
於右足者伏雷居
并八雷神成居

【読み方】
宇士多加禮斗呂呂岐弖(うじたかれころろぎて)
(此の十字は音を以いる)
頭には大雷(おおいかづち)居(お)り
胸には火雷(ほのいかづち)居(お)り
腹には黒雷(くろいかづち)居(お)り
陰(ほと)には拆雷(さくいかづち)居(お)り
左の手には若雷(わきいかづち)居(お)り
右の手には土雷(つちいかづち)居(お)り
左の足には鳴雷(なるいかづち)居(お)り
右の足には伏雷(ふしいかづち)居(お)り
并(あわ=併)せて八雷神が成り居(お)りき

【訳】
中を覗いたイザナギが見たものは、体中に沢山の蛆が群がるイザナミの変わり果てた姿でした。
さらにイザナミの身体じゅうには雷神が生じていて、ゴロゴロと音を立てていたのです。
(註:【宇士多加禮斗呂呂岐弖】の十字は音読みで【うじたかれころろぎて】と読んで下さい)
イザナミの頭部には大雷(おおいかづち)が、
イザナミの胸部には火雷(ほのいかづち)が、
イザナミの腹部には黒雷(くろいかづち)が、
イザナミの陰部には拆雷(さくいかづち)が、
イザナミの左手には若雷(わきいかづち)が、
イザナミの右手には土雷(つちいかづち)が、
イザナミの左足には鳴雷(なるいかづち)が、
イザナミの右足には伏雷(ふしいかづち)が生じていました。
併せて8柱の雷神が生じて居ました。

【解説】
宇士多加禮斗呂呂岐弖(此十字以音)
太安万侶の注釈の(此十字以音)は「この十字は音読みを用いる」なので、宇士多加禮斗呂呂岐弖は「うじたかれころろぎて」と読みます。
これを分解すると…
「うじ」➩蛆
「たかれ」➩たかる(沢山群がってる)
「ころろぎて」➩下をご覧ください。

「ころろぎて」が難しいですよね。
「こころぐ」で検索すると、「嘶く(ころろく)」がヒットしました。
意味は「ころころと鳴る、ころころと音をたてる」だそうです。
「ころころ」という音ですが、以下の文面では雷神が登場しているので「ゴロゴロ」という音にしました。

つまり宇士多加禮斗呂呂岐弖は「蛆が沢山群がっており、ゴロゴロと音を立てていた」という感じになります。


於頭者大雷居
於胸者火雷居
於腹者黑雷居
於陰者拆雷居
於左手者若雷居
於右手者土雷居
於左足者鳴雷居
於右足者伏雷居
并八雷神成居

この文は【於(イザナミの身体の各部位に)者(各雷神が)居た】、ということです。
「於」は「~に於(お)いて」
「イザナミの身体の各部位に~」という感じでしょう。
「者」は強調や仮定の条件を表す助字です。
訳すなら「~は、~とは、~れば」でしょうか。
「居」は訓読みの「お(り)」で良いと思います。

さて...「土雷」「伏雷」とかどういう雷なの?って名前もチラホラ…。
調べても分からなかった雷神もいましたが、開き直って分かった事と私の解釈だけ書きますね?

【雷神】について

語源
➩雷は「かみなり」ですが、古い時代では「いかづち」と言いました。
この「いかづち」は「厳(いか)つい」+「霊(ち)」から来ている、というのが一般的な解釈なんだそうです。
ちなみに【厳は「勢いが盛んな様子」の意味】です。

いかづち=厳霊ということですが、厳霊という言葉には悪霊や鬼、蛇を指すのだという解釈もあります。

雷神は稲作の神様
➩雷は雨を降らせますから、雷神は水の神とも。
更に雨の恵みをもたらすことから、農耕に関連付けられて稲作の神様とも言います。

雷神の名の意味について
➩一部自信がありませんが、以下の様な意味があると思います。
※個人の解釈・感想ですので間違ってるかもしれません...
・大雷(おおいかづち)➩雷の威力(強)
・火雷(ほのいかづち)➩雷が落ちて燃える
・黒雷(くろいかづち)➩雷の時に空が暗くなる
・拆雷(さくいかづち)➩雷で裂(さ)く
・若雷(わきいかづち)➩雷の威力(弱)?
※「若」は「大」の対になる言葉なので...多分威力が弱い雷?
・土雷(つちいかづち)➩雷が地面に落ちる?
・鳴雷(なるいかづち)➩雷鳴しか考えられない
・伏雷(ふしいかづち)➩雷が地上に落ちず雲の中で光ってる様子?

以上で『古事記』本文上巻㊷~明かりを灯してイザナミの姿を見る(2)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻㊸~イザナギ逃げる、イザナミ追う(1)~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
本日のおまけは一番下にあります。

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