こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻㊹~イザナギ逃げる、イザナミ追う(2)~のご紹介です。
こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。
一方で醜い姿を見られたイザナミは「私に恥をかかせましたね…!(怒)」と言い、豫母都志許賣(よもつしこめ=黄泉醜女)に、逃げたイザナギを追いかけて捕まえるよう命じました。
(註:【豫母都志許賣】の6字は音読みで【よもつしこめ】と読んで下さい)
約束を破って中を覗いてしまったイザナギは、恐ろしい姿に変わり果てたイザナミに驚いて逃げ出します。
自らの姿を見られたイザナミは、逃げ出す夫に憤慨。
「私に恥をかかせたな」と追手を差し向けます…という展開です。
今回は一飛び千里を走るという黄泉醜女から、どうやってイザナギが逃げ切るのか?が描かれます。
『古事記』本文上巻㊹~イザナギ逃げる、イザナミ追う(2)~
爾 伊邪那岐命
取 黑御鬘 投棄 乃生蒲子
是摭 食之間 逃行 猶追
亦刺 其右御美豆良之 湯津津間櫛 引闕而 投棄 乃生笋
是拔 食之間 逃行
【読み方】
爾(ここに)伊耶那岐命(いざなぎのみこと)
黒御鬘(くろみかづら=黒御縵)を投げ棄てたまい乃(すなわ)ち蒲子(えびかずら)生(な)りき
是(これ)を摭(ひろ=拾)い食はむ間に逃げ行(い)きますを、猶(なお)追いしかば
亦(また)其(そ)の右の御美豆良(みみずら)に刺させる湯津津間櫛(ゆつつまぐし)を引き闕(か=欠)きて、投げ棄てたまえば乃(すなわ)ち笋(たけのこ=筍)生(な)りき
是(これ)を拔(=抜)き食はむ間に逃げ行(い)きましき
追手の黄泉醜女がそれを食べている間に急いで逃げますが、食べ終わるとまた追いかけられてしまいます。
イザナギは次に右の髪に刺した湯津津間櫛(ゆつつまぐし=神聖で清浄な櫛)を引き抜いて、投げ棄てました。
すると今度は笋(たけのこ=筍)が生え、追手の黄泉醜女が笋を抜いて食べている間にまた逃げました。
「黒御鬘」は「くろみかづら」と読みます。
「鬘(かづら=縵)」は「ツルの草」ですね。
このツルの紐で髪の毛を縛っていたと思います。
「生蒲子」は「蒲子(えびかずら)が生えた」です。
「蒲子(えびかずら)」は「(山)ぶどう」の古い名前です。
つまり前半の「取 黑御鬘 投棄 乃 生蒲子」は「黒御鬘(くろみかづら)を取って投げ棄てたら、乃ち蒲子(えびかずら)が生えた」です。
後半部分の「是摭 食之間 逃行 猶追」は「是(これ=山ぶどうの事)を摭(ひろ=拾)い食べている間に逃げたが、猶(なお)追いかけられた」ということでしょう。
なのでここは「(黄泉醜女に追われたイザナギは)髪を縛っていた黒御鬘(くろみかづら=ツルの草)を取って投げ捨てると、蒲子(えびかずら=山ぶどう)が生えました。
追手の黄泉醜女がそれを食べている間に急いで逃げますが、食べ終わるとまた追いかけられてしまいます。」と訳しました。
・亦刺 其右御美豆良之 湯津津間櫛 引闕而 投棄 乃生笋
是拔 食之間 逃行
「御美豆良」は少し前に出てきましたね。
「みみずら」と読み、「古代の男子の髪型」のことです。
『髪を頭の中央で左右に分け、両耳のあたりで束ねて輪状に結ぶ』髪型です。
「湯津津間櫛」も少し前に登場しました。
「ゆつつまぐし」と読む「櫛」です。
意味は「神聖で清浄な櫛」、若しくは「歯の多い櫛」という説もあります。
「引闕」は「引き闕(か=欠)きて」です。
つまり「刺 其右御美豆良之 湯津津間櫛 引闕而 投棄」は「右の髪に刺した櫛を引き抜いて折った歯を投げ棄てた」という感じです。
「生笋 是拔 食之間 逃行」は「生えた笋(たけのこ=筍)を追手の黄泉醜女が抜いて食べている間にまた逃げた」です。
以上で『古事記』本文上巻㊹~イザナギ逃げる、イザナミ追う(2)~のご紹介はおしまいです。
次回は『古事記』本文上巻㊺~イザナギ逃げる、イザナミ追う(3)~をご紹介する予定です。
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ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
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