いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻⑲~国生み(6)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『『古事記』本文上巻⑲~国生み(6)~』のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
次に伊岐島(いきのしま)がお生まれになりました。
伊岐島は、またの名を天比登都柱(あまひとつはしら)とも言います。
(註:天比登都柱の【比】から【都】まで(「比登都柱」の部分の事)は音読みで読んで下さい)
(註:天比登都柱の【天】は「天(あま)」と読みます)
次に津島(つしま=対馬)がお生まれになりました。
次に佐渡島(さどのしま)がお生まれになりました。
次に大倭豐秋津島(おほやまととよあきつしま)がお生まれになりました。
大倭豐秋津島は、またの名を天御虚空豐秋津根別(あまつみそらとよあきつねわけ)とも言います。

怒涛の国生みラッシュッ!!
日本列島がドンドン作り上げられていきます。
ファンタジーなわけですが、こういう発想が面白い!
しかも造られていく法則性みたいなものがあって(人が考えたのだからそういう傾向があるのは当たり前でしょうけど)当時の時代背景が滲み出ている所も興味深いです。...でも思うのです。
イザナギとイザナミがもう少し頑張って、それこそオーストラリア並みのどでかい島を生んでくれたなら、日本の国土も広くて良かったのになぁ~…と。


『古事記』本文上巻⑲~国生み(6)~

【原文と読み方】
【原文】
故因此八嶋 先所生謂 大八嶋國

【読み方】
故(かれ)此(こ)の八島の先(ま)ず生まれし所に因(よ)りて大八島國(おおやしまのくに)と謂(い)う

【訳】
まずこの八つの島が生まれたましたので、日本の国は大八嶋國(おおやしまのくに)と言うのです。


【解説】
故因此八嶋先所生謂 大八嶋國
一文なのですが、ちょっと読みずらかったです。
私は次のように読みました。
「故(かれ)此(こ)の八島の先(ま)ず生まれし所に因(よ)りて大八島國(おおやしまのくに)と謂(い)う」
訳は「この8つの島が先に生まれたので、日本の国は大八島國と言うんだよ」という事でしょう。

昨日も書きましたが、北海道が含まれていないのは簡単に言うと大和朝廷の勢力範囲外だからです。
古事記が完成した時代の、日本の最北端は東北の会津あたりまでの様です。

下に国生みで誕生した島々の順序や別名などをまとめてみました。

大八島國(おおやしまのくに)

淡道之穂之狭別島(あわじのほのさわけのしま)
➩淡路島
イザナギとイザナミが、一番最初に生んだ島です。
オノゴロ島と混同しがちですが、「オノゴロ島は2神が降り立った場所」で「淡路島が2神が一番最初に生んだ島」です。
「淡道之穂之狭別島」という名の由来については『古事記』本文上巻⑭~国生み(1)~をご覧ください<(_ _)>

伊予之二名島(いよのふたなのしま)
➩四国
【別名】は無いが、四つの顔(国)があり、それぞれに名前が付いている。
詳しくは『古事記』本文上巻⑮~国生み(2)~をご覧ください<(_ _)>
特に好字令については、時代が古事記とモロ被りなので知っておいたほうが良いと思います。

隠伎之三子島(おきのみつごのしま)
➩隠岐島
【別名】天之忍許呂別(あめのおしころわけ)
「天之」は天界に通じている意味でしょうか。
「忍」は「我慢」の意味ではなく「隠れる、目立たない」の意味もあるのでコチラではないでしょうか。
「許呂(ころ)」は音読みするだけの当て字で、漢字自体に意味はありません。
意味を持たせると「凝る」が妥当な様です。
となると、「天之忍許呂別」とは「天界に通じている目立たず動かない島」という感じでしょうか?

なお「隱伎之三子嶋」とは「島後島と、知夫里島・西ノ島・中ノ島の3島」を意味していると思います。

筑紫島(つくしのしま)
➩九州
【別名】はありませんが、肥国の呼び名だけ異様に長いです。
「筑紫」の名の由来は諸説あります。
※詳細は『古事記』本文上巻⑰~国生み(4)~をご覧ください<(_ _)>

伊伎島(いきのしま)
➩壱岐島
【別名】天比登都柱(あめのひとつばしら)
「比登都(ひとつ)」は音読みするだけの当て字なので、漢字自体に意味はありません。
「あめのひとつばしら」とは「天界に届く一本の柱」という意味でしょう。
対馬と共に、日本と大陸を結ぶ海上の要衝であったことと関係がありそうな名前ですよね。

津島(つしま)
➩対馬
【別名】天之狭手依比売(あめのさでよりひめ)
「天之」は天界に通じている意味でしょうか。
「狭手」は「さで」と読みます。
意味は分からなかったのですが『鮒を取るのに狭手網~』という文を見つけたので、どうやら「魚を取る網」のようなものを指すようです。
確信は無いのですが、海に関係する土地ですからニュアンスはあっているのでは?と考えています。

もうひとつ面白いのは対馬だけが「つしま」と読みます。
他の島々は「~のしま」というように島の前に「~の」が入ります。

佐度島(さどのしま)
➩佐渡島
詳しい説明が一切ありません。
ちなみに古事記と日本書記では国生みで生まれた島々の順番や島も少し異なっているのですが、佐渡島は両方に記載があります。
なので軽視されていると言う訳では無いと思いますが、大陸から離れており海上交通の要衝と言う訳ではないので説明が無いのでしょうか?

大倭豊秋津島(おおやまととよあきつしま)
➩本州
【別名】天御虚空豊秋津根別(あまつみそらとよあきつねわけ)
「秋津」は「トンボ」を指すそうです。
名の由来は諸説あります。
※詳細は『古事記』本文上巻⑱~国生み(5)~をご覧ください<(_ _)>

【まとめ】

こうして大八島国を見て行きますと、
・淡路島から西の島々ばかり
・関東など東の記載が無い
・島名は島の形などを擬人化した様な名が多い
・誕生の順番は数字の語呂合わせのようになっている
など、当時は西の大陸(中国・朝鮮)を意識していたのかな?と想像できる記述になっているようです。

島の名も、島の形を擬人化している傾向があるようです。
擬人化した名に、男女の違いがあるのも興味深いですね。
どうやって「この嶋は男の名ね」とか「この嶋は女性の名でしょう」とか決めていたのかは気になる所です。
双神(男女一対)の流れがあるので、交互に名付けていたと思います。

誕生の順番についても1番目の淡路島は動かないにしても、やはり本州が最後と言うのはやはりおかしいですよね?
2番目の「伊豫之名嶋」
3番目の「隱伎之子嶋」
4番目の「筑島」※「紫(し)=
途中、数字の語呂が無いものもありますが…
8番目の「大豊秋津島」※「倭(まと)=
と、数字の語呂合わせの順番に並んでいる、という説ももっともな気がします。

さて...大八島国についてのお話はここまでにしたいと思います。

ですが、国生みのお話は実はまだ終わっていないのです!
そりゃそーだ、日本の島々は7000弱あるんだから!
8島じゃ終わらないよ~!
って訳で、次回も国生みのお話です…長いな~…。

以上で『古事記』本文上巻⑲~国生み(6)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻⑳~国生み(7)~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
本日のおまけは一番下にあります。

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