いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』序文㉑~元明天皇(3)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『『古事記』序文㉑~元明天皇(3)~』のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。


【前回のあらすじ】
太陽が昇り、より輝きが増しました。雲は消えて、かすむことはありませんでした。
一旦分かれた枝がまたくっついたりする(=連理木、れんりぎ)様な吉兆や、豊作になった(穂が沢山ついた稲が育った)という様なめでたい事象が起きれば、史官がこれらを歴史書に書き連ねました。


『古事記』序文㉑~元明天皇(3)~

【原文と読み方】
【原文】
列烽重譯之貢 府無空月。
可謂 名高文命 德冠 天乙矣。

【読み方】
烽(とぶひ)を列(つら)ね、譯(やく=訳)を重ぬる貢(みつぎ)、府(ふ)に空しき月無し。
名は文命(ぶんめい)より高く、徳は天乙(てんいつ)に冠(まさ)れりと謂(い)うべし。

【訳】
諸外国からの使者が絶えることなく訪れ、その貢ぎ物によって倉は常にいっぱいでした。
元明天皇は、古代中国の伝説上の帝である文明(禹)よりも名高く、徳の高さにおいても古代中国殷王朝の初代王である天乙よりも優れている、と言うことが出来ます。

【解説】
本文
列烽重譯之貢 府無空月。
「烽」は「とぶひ」と読みます。
「狼煙(のろし)をあげる設備」の意味です。
「譯」は「訳」とすると分かりやすいですね。
「他の言語に変換する」という意味ですから「重ねて訳す」とはつまり「通訳する」となるでしょうか。
「貢」は「みつ(ぐ)」ですね。
「貢物をささげる」という意味です。

「府無空月」ですが最初「府の空月無い」と読んだので...「えっ?意味わかんない」となりました。
そこで一つずつ見て行くと…
「府」には「役所」の意味ではなく「倉、倉庫」の意味もあることが分かりました。
となれば、初め「空月」って何だ?と思ってたのですが「あ~…『府(倉庫)が空(から)の月が無い』ってことか!」と謎が解けました。
う~ん...初見では分からなかったな~…。

さて、これらを直訳してみると「通訳の貢物が狼煙を列ねる。府(倉庫)が空(から)の月が無い」。
わかりづらいですよね。

まず「通訳の貢物」というのは通訳が必要なんだから「外国からの貢物」ですよね。
【元明天皇の708年、武蔵国から銅(和銅)が献じられて元号を和銅に改元し、和同開珎を鋳造】というエピソードがあるので、ここでいう「外国」とは中国・朝鮮からの、という意味より政権外からのと考える方が妥当な気がします。

次に「狼煙を列ねる」が難しいですが、狼煙は緊急の連絡手段ですよね。
だから「外国から使者が来たよ~」とか「貢物が倉に入ったぞ~」とかそんな連絡で使用したのかなぁ…と想像しています。
「狼煙が列なる」というのはひっきりなしに狼煙があがっていることでしょうから「外国からの使者がよく来てたよ」って言いたいんだと思います。

【狼煙のうんちく】を2つご紹介。
①狼煙の歴史は古く、弥生時代からあったそうです。
また律令下では『40里(1里は約2km)毎に狼煙台(烽)を置く』ことなどが規定されていました。
②「狼煙」って「オオカミの煙」って書きますよね?
これは狼煙を上げる時に【狼のウンコ💩】を使用していたことに由来しています。
なんでも【狼のウンコ💩】を燃すと、その煙は風があっても真っすぐに上昇するそうで「連絡用に最適!」なんだそうです。

話が脱糞...失礼しました…脱線してしまいましたが、上記を踏まえて「諸外国からの使者が絶えることなく訪れ、その貢ぎ物によって倉は常にいっぱいでした」と訳しました。
「府(倉庫)が空(から)の月が無い」でも良かったんですが、「貢物で倉庫が空の月は無い」だと景気悪そうだし「貢ぎ物によって倉は常にいっぱいでした」の方がシックリきたのでコッチを採用しました。


可謂 名高文命 德冠 天乙矣。
「可謂」は「かい」とも「いうべし」とも読みます。
「~と言うことが出来ます、~と言って差し支えない」という感じで使います。難しいですよね。

「文命」は「ぶんめい」、人の名前です。
中国古代の帝で、夏王朝創始者の【文命(名前)】、若しくは諡号で【禹(う)】という人物です。
黄河の治水を成功させたと言われる伝説上の帝です。
天武天皇の時も「黄帝以上だ」みたいな感じで、古代中国の偉人を引き合いに出していましたよね?

「天乙」は「てんいつ」、こちらも人名です。
古代中国・殷王朝の初代の王です。
ちなみに上記の禹(う)が興した夏王朝を滅ぼしてます。
「天乙」は徳が高いことで有名で、その徳は「鳥や獣にまで及ぶ」とまで言われたそうです。

「冠」は「世界に冠たる~」みたいな感じでしょう。
「最も優れている様」という意味があります。
「矣」は以前も出てきました。音読みで「イ」と読みます。
「~である(断定)」「~だなぁ(推量)」みたいな感じで用います。

これに主語と、文明・天乙の情報を付けて...
「元明天皇は、古代中国の伝説上の帝である文明(禹)よりも名高く、徳の高さにおいても古代中国殷王朝の初代王である天乙よりも優れていると言うことが出来ます」と訳してみました。


[rakuten:mary:10002161:detail]

以上で『古事記』序文㉑~元明天皇(3)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』序文㉒~太安万侶への勅命~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
本日のおまけは一番下にあります。

お気に入りいただけたら、下のバナーをクリックしてもらえると嬉しいです。
応援よろしくお願いします📣

にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 旅行ブログ 旅日記・旅の思い出へ
にほんブログ村
にほんブログ村 歴史ブログ 史跡・神社仏閣へ
にほんブログ村
PVアクセスランキング にほんブログ村


↓↓読者登録お願いします<(_ _)>

本日のオマケ