いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻㉚~迦具土神のその後(2)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『『古事記』本文上巻㉚~迦具土神のその後(2)~』のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。


【前回のあらすじ】
そこで伊耶那岐命(いざなぎのみこと)の仰せられたのは「愛しい私の妻の命を、生まれた子の一人と引き換えに出来ようか」とお嘆きになりました。

イザナミを亡くしたイザナギの悲しみが続きます。
その悲しみ方は訳していて、こっちまで悲しくなってしまいます…。
しかし後に起きるあの事件について、この時の私達は知る由も無かったのです…(サスペンス風)。
まぁ、実際は訳してるので知っているのですが…。


『古事記』本文上巻㉚~迦具土神のその後(2)~

【原文と読み方】
【原文】
乃匍匐 御枕方 匍匐 御足方而
哭時於 御淚所成神 坐香山之 畝尾木本 名泣澤女神

【読み方】
乃(すなわ)ち御枕方(みまくらかた)に匍匐(ほふく=はらばい)し、御足方(みあしかた)に匍匐(ほふく=はらばい)して、
哭(な)きたまう時に於いて御涙に成ります神は、香山(かぐやま)之(の)畝尾(うねお)の木の本(もと)に坐(ま)す
名は泣澤女(なきさはめの)神。

【訳】
そしてイザナギは、亡くなったイザナミの枕元と足元を這いまわり、声を上げてお泣きになりました。
このお泣きになった涙から生まれた神の名が、香山(かぐやま)の畝(うね)っている小高い所の木の下においでになる泣澤女神(なきさはめのかみ)です。

【解説】
乃匍匐 御枕方 匍匐 御足方而
「匍匐」は「ほふく」と読みます。
「ほふく前進」というのがありますよね?
意味は「腹ばいになって、手と足ではうこと」です。
「四つ這い」と似たイメージです。
なので読みとしては「ほふく=はらばい」でも合うのかな?と思います。

「御枕方」と「御足方」はそれぞれ「みまくらかた」「みあしかた」と読みました。
主語がありませんが「イザナミの枕元と足元を這いまわって」という意味かと思います。

哭時於 御淚所成神 坐香山之 畝尾木本 名泣澤女神
「哭」は「な(く)」です。
慟哭の様に「声を上げて泣く」という意味に近いと思います。

「御淚所成神」は「御淚(なみだ)が神に成った」です。
以下にこのイザナギの涙から生まれた神の説明があります。

「坐香山之 畝尾木本」
「香山(かぐやま)之(の)畝尾(うねお)の木の本(もと)に坐(ま)す」と読んでみました。

「坐」が「まします、おわします」の様に読み「座る(鎮座する)、いる」という意味なので、「香山之 畝尾木本(かぐやまのうねおのきのした)」という場所に「坐」(いる)という内容の文になっています。

そこで早速得意の(?)グーグルマップで「香山之 畝尾木本」を調べてみた所...
『延喜式神名帳』にある「畝尾都多本(うねおつたもと)神社」がヒットしました。

御祭神も泣澤女神ですし、この地域で間違いなさそうですね。

「畝尾(うねお)」は「うねっている小高い所」という意味です。

「木下」ですが地名なのか、木(樹)の下なのか…上に貼ったグーグルマップで見ると畝尾都多本神社のすぐ南に「木之本町」という町名が…!
...しかしどっちでも良い様に、いもみの日記では単に「木の下で」と逃げた訳にしてみました。

「泣澤女神」
「なきさわめ」と読みます。
「澤(沢)」という字には「沢山」というような意味もあるので、神名は「イザナギが沢山泣いた」から来ている様です。
水の神、延命の神です。

以上で『古事記』本文上巻㉚~迦具土神のその後(2)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻㉛~迦具土神のその後(3)~をご紹介する予定です。

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『古事記』本文上巻㉙~迦具土神のその後(1)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『『古事記』本文上巻㉙~迦具土神のその後(1)~』のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。


【前回のあらすじ】
伊耶那岐と伊耶那美の二柱の神が一緒に生んだのは全部で、14の島々と35柱の神々です。
(註:ただし、意能碁呂(オノゴロ)嶋はイザナギ・イザナミの2神がお生みになったのではありません。姪子と淡嶋はイザナギ・イザナミの子としてはカウントしません)

イザナミは亡くなりました…。
太安万侶の注釈では、イザナギ・イザナミの成した島は14。
神々は35柱です。
このうち島の数は古事記本文と合致するのですが、何故か神々の数が合いません...というところまでご紹介してきました。
さて、今回は故意ではないとはいえイザナミの命を奪う結果になってしまった火の神・迦具土神がその後どうなったのか...この辺が語られます。
もう嫌な予感がビンビンしてきますね~…。

『古事記』本文上巻㉙~迦具土神のその後(1)~

【原文と読み方】
【原文】
故爾 伊邪那岐命 詔之 愛我那邇妹命乎
(那邇二字以音 下效此)
謂易子之一木乎

【読み方】
故(かれ)爾(ここに)伊耶那岐命(いざなぎのみこと)の詔(のり)たまはく 「愛(いと)しい我(わが)那邇(=なに=汝)の妹の命乎(を)...」
(【那邇】の二字は音を以いる 下も此れに效う)
「子之(の)一木(ひとつき)に易(か)える乎(か)」と謂(い)われて

【訳】
そこで伊耶那岐命(いざなぎのみこと)の仰せられたのは「愛しい私の妻の命を、生まれた子の一人と引き換えに出来ようか」とお嘆きになりました。

【解説】
故爾 伊邪那岐命 詔之 愛我那邇妹命乎(那邇二字以音 下效此)
まずは太安万侶の注釈(那邇二字以音 下效此)を訳します。
「【那邇】の二字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う」ですから「【那邇】の二字は音読みを用いて【なに】と読んで下さい。以下もこれに倣い読んで下さい」です。

【那邇】を【なに】と読むことが分かったので、「愛我那邇妹命乎」を訳していきます。
まずはやっぱり【那邇(なに)】ですよね。
これは「汝=那邇=なに」です。
汝は二人称ですね。読むうえで参考になるので念のため...

【人称の意味と違い】
➩簡単に書くとこんな感じです。
意味は英語に置き換えると分かりやすいですよ?

一人称→話し手・書き手が「自分自身、自分自身を含む」
    日本語だと「私」「私達」
    英語だと「I」「We」
二人称→話し手・書き手に対し「聞き手・読み手を指す」
    言い換えると「顔を合わせて直接話しかけている相手」でしょうか。
    日本語だと「あなた(汝もここに含まれる)」「あなた方」
    英語だと「you」
三人称→「その場にいない人や物を指す」
    日本語だと「彼、彼ら」「あれ」
    英語だと「He」「it」
...です。参考になったでしょうか?

次に「難しいな~…」と思うのが「愛」です。
愛は今と解釈が少し異なっていて、「愛=love」とは違います。
古代の概念としては「愛=情」であり、loveの意味での愛なら「色恋」になります。
なのでここは「愛=愛おしい気持ち」と解釈して、「愛」を「愛(いと)しい」と読むことにしました。

「乎」は場所や時間、目的や比較を示す助字として使用します。
意味としては「~に、~を、~より」といった感じで良いと思います。

直訳すれば「愛しい我が妹である汝の命を」という感じになるのでしょうが、私的に気に入りません。

なので「愛(いと)しい我(わ)が那邇(=なに=汝)の妹の命乎(を)...」と読んで、「愛しい私の妻の命を」と自分が言われたい言葉にして訳してみました。


謂易子之一木乎
「易」は「かえる」という意味もあります。
「改易」とかそういう場合で使われます。
初見でこの文はかなり難しいですよね?
私はこの文の訳にかなり時間がかかっちゃって困りました…。

「一木」は「ひとつき」と読みましたが「いちぼく」かも?
意味は、文面の内容からして「一木」=「一人」と考えるのが妥当でしょう。
念のため「木」の意味を調べた所、「人数」を意味するものはありませんでした。

ただ、シックリ来るな~と思ったものに「木の語源」があります。
諸説ある中で「木は【生】の略で【生えるもの】を意味する」とありました。

これなら「(愛しい我が妻よ、貴女を)生まれた子の一人と引き換えに出来ようか」となんだか分かりやすい文になると思います。
なのでいもみの日記では「一木(ひとつき)」=「一生(ひとつき)」=「生まれた子の一人」というニュアンスで捉えています。
「一木」を「ひとつき」と読むのかな?と思った理由もこれの為です。

なお、文では伊邪那岐命 之 愛我那邇妹命乎 易子之一木乎と「仰られた」という意味の字が二つ並んでしまって訳しずらいので、の方は「お嘆きになりました」という感じで訳してみました。
何だかこっちの方がシックリきました!(⇦自己満)

以上で『古事記』本文上巻㉙~迦具土神のその後(1)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻㉚~迦具土神のその後(2)~をご紹介する予定です。

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本日のオマケ

『古事記』本文上巻㉘~神生み(7)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻㉘~神生み(7)~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
重体で苦しむイザナミの吐しゃ物(=多具理邇=たぐりに)から金山毘古(かなやまびこの)神と金山毘賣(かなやまひめの)神がお生まれになりました。
(註:【多具理邇】の4字は音読みで【たぐりに】と読んで下さい)
(註:【金山毘古神】の【金】の漢字は【迦那(かな)】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい)
更にイザナミの便から波邇夜須毘古(はにやすびこの)神と波邇夜須毘賣(はにやすびめの)神がお生まれになりました。
(註:この両神の名前は音読みで読んで下さい)
更にイザナミの尿から彌都波能賣(みつはのめの)神と和久産巣日(わくむすびの)神がお生まれになりました。
和久産巣日(わくむすびの)神の子は、豐宇氣毘賣(とようけびめの)神と言います。
(註:【豐宇氣毘賣】の【宇】から4文字は音読みで「とようけびめ」と読みます)
このような経緯でイザナミは火の神をお生みになった時の火傷が原因で、遂(つい)にお隠れになったのです…。
(註:天之鳥船神から豐宇氣毘賣神まで、併せて八柱の神々です)

イザナミは火の神を生んだときの火傷で、亡くなってしまいました…。
苦しむイザナミから吐しゃ物や糞尿からも神様が誕生するのですが…あれ?神生みって2神じゃなくても出来るんだ...。
それじゃあこれまでの柱を回って結婚とか、男が先に声掛けしなきゃならないとか...あれは一体何だったのか...?


『古事記』本文上巻㉘~神生み(7)~

【原文と読み方】
【原文】
凡 伊邪那岐 伊邪那美二神
共所生嶋壹拾肆嶋 神參拾伍神
(是伊邪那美神 未神避以前所生 唯 意能碁呂嶋者 非所生 亦 姪子與淡嶋 不入子之例也)

【読み方】
凡(およ)そ伊耶那岐(いざなぎ)伊耶那美(いざなみ)の二神が
共に生みたまう島、壹拾肆(いちじゅうし)島 神、參拾伍(さんじゅうご)神
【是(こ)れは伊耶那美(いざなみの)神、未(いま)だ神避(かむさり)ざりし以前に生みたまひき 唯(ただ)意能碁呂(オノゴロ)島は生みたまへるに非(あら)ず、亦(また)蛭子(ひるこ)と淡島(あわしま)とは子の例に入らず也(なり)】

【訳】
伊耶那岐と伊耶那美の二柱の神が一緒に生んだのは全部で、14の島々と35柱の神々です。
(註:ただし、意能碁呂(オノゴロ)嶋はイザナギ・イザナミの2神がお生みになったのではありません。姪子と淡嶋はイザナギ・イザナミの子としてはカウントしません)

【解説】
凡 伊邪那岐 伊邪那美二神 共所生嶋壹拾肆嶋 神參拾伍神
「凡」は「およ(そ)」で読みも意味も同じです。
ちなみに「すべ(て)」という読みも意味もあります。
ここでは「すべて」の意味の方がより分かりやすいと思いますので、いもみの日記では「凡」を「およ(そ)」と読み、「すべて」という意味にしたいと思います。

ですので「凡 伊邪那岐 伊邪那美二神 共所生」は「凡(およ)そ伊耶那岐(いざなぎ)伊耶那美(いざなみ)の二神が共に生みたまう~」と読んで...
訳としては「伊耶那岐(いざなぎ)と伊耶那美(いざなみ)の二柱の神が一緒に生んだのは全部で~」としました。

「壹拾肆嶋」「參拾伍神」ここを読むにあたって、二つほど補足の説明をしたいと思います。

①「小写と大写」について

中国語で数の表現をする時には「小写と大写(小字と大字)」という考え方があります。
例えば数字の「1」と「3」を漢字で表すと、それぞれ「一」と「三」ですよね。
でもこれを「壹(壱)」と「参」と表すことも出来ます。

この「一」「三」を小写。
「壹(壱)」と「参」を大写という分け方になります。
こんな感じですね。
小写➩一、二、三、四、五、...九、十
大写➩壱、弐、参、肆、伍、...玖、拾

この様に画数を多くした数字を「大写(大字)」と言います。
日本でも領収書などは大字を使う場合が多いと思います。
使用する目的は、数字の改ざんを防ぐためです。

まとめると…。
画数が多く難しい漢字を用いることで改竄を防ぐようにしたのが大字の存在理由ということになります。

さて、本文は大写で書かれた数字ですね…「嶋壹拾肆嶋 神參拾伍神」
壹拾肆➩いちじゅうし➩14
參拾伍➩さんじゅうご➩35
...と読むことが出来ます。

訳に戻ると「島が14島と、神が35神」となります。
これを「伊耶那岐と伊耶那美の二柱の神が一緒に生んだのは全部で、14の島々と35柱の神々です」と訳しました。

②本文の神様の数と合わないんだけど?!

ここまでの神生みで生まれた神様の数が合わないんですよね~…どういう事??

①大事忍男神
②石土毘古神
③石巢比賣神
④大戶日別神
⑤天之吹男神
⑥大屋毘古神
⑦風木津別之忍男神
⑧大綿津見神
⑨速秋津日子神
⑩速秋津比賣神
ここまで10神。
ちなみに⑨⑩は夫婦で、二神の間に生まれた神様の数は8柱います。
でもイザナギ・イザナミが生んだのではないのでカウントしていません。

⑪志那都比古神
⑫久久能智神(此神名以音)
⑬大山津見神
⑭鹿屋野比賣神(野椎神)
更に4神。
⑬⑭は夫婦で、二神の間に生まれた神様の数は同じく8柱います。
でもイザナギ・イザナミが生んだのではないので同じくカウントしていません。

⑮鳥之石楠船神
⑯大宜都比賣神
⑰火之夜藝速男神(火の神。イザナミが火傷する)

この後誕生する神はイザナミの糞尿、吐しゃ物から生まれるので「イザナギとイザナミと二人で産んだ子」ではありませんが、6柱誕生します。豐宇氣毘賣神も登場しますが、この女神は「和久産巣日神の子」とありますので、同じく「イザナギとイザナミと二人で産んだ子」ではありません。

上記の通り「イザナギとイザナミと二人で産んだ神」は17柱の神です。
全然35柱に足りません。

じゃあ「速秋津日子神と速秋津比賣神が生んだ8柱」と「大山津見神と鹿屋野比賣神が生んだ8柱」を加えたらどうかしら...?と思ったのですが、17+8+8=33でやっぱり足りません。

なら「イザナミの糞尿、吐しゃ物から生まれた6柱」を加えるか~と思いましたが今度は33+6=39でオーバーしてしまいます。
この後色んな組み合わせをしてみたのですが、「35」になるシックリする組み合わせはありませんでした…。

これはどういうことなんでしょうね?
太安万侶は実は数字に弱かったのか...?それとも現存する最古の古事記の写本を写した人が計算ミスしたのか...?
いずれにしても推敲しなかった可能性があり、人為的ミスかと結論付けました。
(※実際は分かりません)

長くなりましたけど補足の説明は以上になります<(_ _)>

(是 伊邪那美神 未神避以前所生 唯 意能碁呂嶋者 非所生 亦姪子與淡嶋 不入子之例也)
太安万侶の注釈であるこの文。
「是」は「こ(れ)」ですね。
「これ」が何を指すかというとその前の文の「イザナギ・イザナミが生んだ14島と35柱の神(数が合わないけど)」」を指しています。
つまり、この注釈は「イザナギ・イザナミが生んだ島と神について」の注釈です。

「伊邪那美神 未神避以前所生」は「イザナミが未だ神避(かむさり)、つまり死ぬ以前に生んだ数です」というニュアンスで訳せば良いと思います。

「唯 意能碁呂嶋者 非所生」以下は「唯(ただ)...」と付いているように、「イザナギ・イザナミが生んだ14島と35柱の神」の数に含めない例外があることを言っています。
訳すとこんな感じでしょうか。
「ただし、意能碁呂(オノゴロ)嶋はイザナギ・イザナミの2神がお生みになったのではありません」
一応主語も加えました。

ここで気になるのが「オノゴロ嶋」の漢字です。
このブログでもご紹介していますが、最初『オノゴロ嶋』の漢字は『淤能碁呂嶋』でした。
それがここでは『意能碁呂嶋』となっています

『意』は訓読みで「おも(う)」とも読むので『意能碁呂嶋』で『オノゴロ嶋』と読むのも可能なのですが…「どうして字が変わったの?」とは思いますよね??
私が思うに、古事記は多くの人の手によって幾度も写本を繰り返しているのでしょうから、写本をした人が間違えちゃったのかな~?と想像しています。

「亦 姪子與淡嶋 不入子之例也」
「姪子(ひるこ)と淡嶋(あわしま)」は以前ご紹介しましたが、お忘れの方もいるでしょうから簡単に説明します。

「姪子と淡嶋はイザナギ・イザナミの結婚の儀式が間違ってたから不具の子として生まれ、イザナギ・イザナミから子として認められず、しかも船に乗せて流されてしまう神」です…酷い扱いです。

この文も訳すと「また、姪子と淡嶋も子の例としては入らず」、つまり「姪子と淡嶋はイザナギ・イザナミの子としてはカウントしません」と言っているのです。

なお、「與」という字は現代の字に直すと「与」です。
「与」には並列の意味があり「~と」と読みます。

以上で『古事記』本文上巻㉘~神生み(7)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻㉙~迦具土神のその後(1)~をご紹介する予定です。

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本日のオマケ

『古事記』本文上巻㉗~神生み(6)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻㉗~神生み(6)~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。


【前回のあらすじ】
イザナギとイザナミの2神が次にお生みになった神の名は鳥之石楠船(とりのいはくすぶねの)神です。
鳥之石楠船神は、またの名を天鳥船(あめのとりぶねの)神と言います。
次に大宜都比賣(おおげつひめの)神をお生みになりました。
(註:この大宜都比賣の名は、音読みを用い「おおげつひめ」と読みます)
次に火之夜藝速男(ほのやぎはやをの)神をお生みになりました。
(註:火之夜藝速男の【夜藝】の2字は音読みを用い「やぎ」と読みます)
火之夜藝速男は、またの名を火之炫毘古(ほのかがびこの)神と言います。
さらにまたの名を火迦具土(ほのかぐつちの)神とも言います。
(註:火迦具土の【加具】の2字は音読みを用い「かぐ」と読みます)
この火の神の子をお生みになった時、イザナミは御陰(みほと=女性の陰部)が焼かれて火傷して重態に陥ってしまいました。
(註:【美蕃登】の三字は、音読みを用い「みほと」と読みます)

神生みが続きます。
正直「もういいかな...」って思うんだけど、続くのです。
しかし、ここで覚えておきたいのは【イザナミは神生みで火の神を生んだときに火傷が元で亡くなる】ということでしょう。
神様は基本不死だと思うのですが、不死じゃなかった!という事です。
ちなみに「神様も人間と同じように死ぬ」という話が後ほど出てきます。
さて今回はイザナギが亡くなる場面が描かれます。


『古事記』本文上巻㉗~神生み(6)~

【原文と読み方】
【原文】
多具理邇(此四字以音) 生神名 金山毘古神(訓金云迦那 下效此)
次 金山毘賣神
次於 屎成神名 波邇夜須毘古神(此神名以音)
次 波邇夜須毘賣神(此神名亦以音)
次於 尿成神名 彌都波能賣神
次 和久產巢日神
此神之子謂 豐宇氣毘賣神(自宇以下四字以音)
故 伊邪那美神者 因生火神 遂神避坐也
(自天鳥船 至豐宇氣毘賣神 并八神)

【読み方】
多具理邇(たぐりに)生まれし神の名は
(【多具理邇】の此の四字は音を以いる)
金山毘古(かなやまびこの)神
(【金】を訓み、【迦那(かな)】と云う 下も此れに效う)
次に金山毘賣(かなやまひめの)神
次に於(お)いて屎(くそ)に成りませる神の名は波邇夜須毘古(はにやすびこの)神
(此の神の名は音を以いる)
次に波邇夜須毘賣(はにやすびめの)神
(此の神の名は音を以いる)
尿(ゆばり)に成りませる神の名は彌都波能賣(みつはのめの)神
次に和久産巣日(わくむすびの)神
この神の子は豐宇氣毘賣(とようけびめの)神と謂(い)う
(【宇】自(よ)り以下の四字は音を以いる)
故(かれ)伊耶那美(いざなみの)神は、火の神を生みたまひしに因りて遂に神避(かむさり)たまいき
(天之鳥船自(よ)り豐宇氣毘賣の神に至るまで并(あわ=併)せて八神なり)

【訳】
重体で苦しむイザナミの吐しゃ物(=多具理邇=たぐりに)から金山毘古(かなやまびこの)神と金山毘賣(かなやまひめの)神がお生まれになりました。
(註:【多具理邇】の4字は音読みで【たぐりに】と読んで下さい)
(註:【金山毘古神】の【金】の漢字は【迦那(かな)】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい)
更にイザナミの便から波邇夜須毘古(はにやすびこの)神と波邇夜須毘賣(はにやすびめの)神がお生まれになりました。
(註:この両神の名前は音読みで読んで下さい)
更にイザナミの尿から彌都波能賣(みつはのめの)神と和久産巣日(わくむすびの)神がお生まれになりました。
和久産巣日(わくむすびの)神の子は、豐宇氣毘賣(とようけびめの)神と言います。
(註:【豐宇氣毘賣】の【宇】から4文字は音読みで「とようけびめ」と読みます)
このような経緯でイザナミは火の神をお生みになった時の火傷が原因で、遂(つい)にお隠れになったのです…。
(註:天之鳥船神から豐宇氣毘賣神まで、併せて八柱の神々です)



【解説】
多具理邇(此四字以音) 生神名 金山毘古神(訓金云迦那 下效此)次 金山毘賣神
ここで難しいのは何と言っても「多具理邇(此四字以音)」でしょう。
()内は太安万侶の注釈ですので、まずこれを訳さなければ「多具理邇」が読めません。

(此四字以音)は「(【多具理邇】の)此の四字は音を以(もち)いる」でしょう。
つまり「【多具理邇】の4文字は音読みを用いて読んでね」という注釈なのです。
これに従い【多具理邇】を音読みで読みますと【たぐりに】となります。

「なんだ、【たぐりに】って?」となりますよね?
ちなみに私も聞いたことがありません...なので調べてみました!
「たぐる」で検索すると「吐(たぐ)る」に当たります。

そうなんです!「吐くこと」を「たぐる」というのです。
なのでここは【多具理邇=たぐりに=吐しゃ物】という意味になるかと思います。

ですから「多具理邇(此四字以音) 生神名」は直訳すると「多具理邇(註:この4文字は音読みを以(=用)いる)から生まれた神の名は~」となります。

「金山毘古神(訓金云迦那 下效此)」も太安万侶の注釈が付いていますね。
ここも注釈を先に訳さなければ「金山毘古神」が読めません。
今まで何度も出てきた注釈なのですが、おさらいで見て行こうと思います。

では注釈の(訓金云迦那 下效此)
これは「【金】を訓(よ)み、【迦那(かな)】と云(い)う 下も此(こ)れに效(なら)う」で良いと思います。
分かりやすく言いなおしますと「【金山毘古神】の【金】の漢字は【迦那(かな)】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい」です。

つまり「金山毘古神」は「かなやまびこのかみ」と読め、という事ですね。
「以下もこれに倣い読んで下さい」とありますので、金山毘賣神は「かなやまひめのかみ」と読みます。

なお素直に訳すと「吐しゃ物から生まれた神の名は金山毘古神と金山毘賣神です」ですが、この文には主語がありません。
ですが前後の文面から「重体で苦しむイザナミの吐しゃ物から」というのが明らかなのでここを加えて...
「重体で苦しむイザナミの吐しゃ物から金山毘古神と金山毘賣神がお生まれになりました。」と訳しました。

故 伊邪那美神者 因生火神 遂神避坐也
ここでは「神避」が難しいですかね…?
言葉通りだと「神が避ける」ですが…この後の話の流れ(死の国に行くから)からこの時点でイザナミは死亡したのは明らかです。

太安万侶(若しくは稗田阿礼?)的に「神が死んだ」とは書けずに「神避(かむさり)」という表現にしたのかな?と思いました。
私の訳としても「死」の言葉を避け「このような経緯でイザナミは火の神をお生みになった時の火傷が原因で、遂(つい)にお隠れになったのです…」としてみました。

なお「神避(かむさり)」は私は読めなかったのですが、いもみが知っていました。
「漫画ワンピースで登場する技の名前」だそうです...。

【神生みで誕生した神々⑥】

金山毘古(かなやまびこの)神
➩イザナミの嘔吐物(多具理・たぐり)から生まれた鉱山の神です。
しかし私には吐しゃ物から鉱物を連想できませんでした…どういう事?
男神です。

金山毘賣(かなやまひめの)神
➩イザナミの嘔吐物(多具理・たぐり)から生まれた鉱山の神です。
吐しゃ物から誕生するってどんな気持ちなのかな...?
女神です。

波邇夜須毘古(はにやすびこの)神
➩「はにやす」は日本書記の方が分かりやすいので参考までに書きますと「埴安」です。
この「埴(はに)」とは「土」の意味があります。
つまり土の神様ということですね。
男神です。

波邇夜須毘賣(はにやすびめの)神
➩波邇夜須毘古同様、イザナミの便から生まれた土の神様です。
女神です。

彌都波能賣(みつはのめの)神
➩イザナミの尿から生まれた水の神様です。
日本書記では「罔象女神」、神社だと「水波能売命」という表記がありこちらの方が馴染みがあるかもしれません。
私のブログでも登場したことがあるので、知っていました。
色んな古書に登場する神様です。
女神です。

和久産巣日(わくむすびの)神
➩イザナミの尿から誕生する神様。
「産巣日(むすび)」という名の付く神様は、「高御産巣日神」と「神産巣日神」がいますがこの2柱の神は天地開闢の時、2番目・3番目に登場した重要な神様なので、和久産巣日も重要そうです。
農耕の神ということですが、私の記憶では「和久産巣日は農耕の神だ」とは『古事記』に書いていないと思います。
ですが、この神の子が食物・穀物を司る女神なので、「和久産巣日は農耕の神だ」なのでしょう。
男神です。

豐宇氣毘賣(とようけびめの)神
➩イザナミから生まれたのではなく、和久産巣日(わくむすびの)神の子です。
上記の通り、食物・穀物を司る女神です。
「宇氣(うけ)」は「食物のこと」を指します。
ここは重要なので是非覚えておいて欲しいです。

以上で『古事記』本文上巻㉗~神生み(6)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻㉘~神生み(7)~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
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本日のオマケ

『古事記』本文上巻㉖~神生み(5)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『『古事記』本文上巻㉖~神生み(5)~』のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。


【前回のあらすじ】
この大山津見(おおやまつみの)神と野椎(のづちの)神の二柱の神が、山と野とでそれぞれに分けてお生みになった神々の名は…
初めに天之狹土(あめのさづちの)神。
(註:天之狹土神の【山】は【豆知(づち)】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい)
次に國之狹土(くにのさづちの)神をお生みになりました。
次に天之狹霧(あめのさぎりの)神をお生みになりました。
次に國之狹霧(くにのさぎりの)神をお生みになりました。
次に天之闇戶(あめのくらどの)神をお生みになりました。
次に國之闇戶(くにのくらどの)神をお生みになりました。
次に大戶惑子(おおとまとひこの)神をお生みになりました。
(註:大戶惑子神の【惑】は【麻刀比(まとひ)】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい)
次に大戶惑女(おおとまとひめの)神をお生みになりました。
(註:天之狹土神から大戶惑女神まで、併せて八柱の神々です)

前回は大山津見神と野椎神が生んだ八柱の神々の登場についてでした。
今回ご紹介する3柱の神々は再びイザナギ・イザナミが生んだ神々で、しかも古事記を読み進めていく上でとても重要な神々です。
そして...この後イザナミの身に大変なことが起こってしまうのです。

『古事記』本文上巻㉖~神生み(5)~

【原文と読み方】
【原文】
次生神名 鳥之石楠船神 亦名謂 天鳥船神
次生 大宜都比賣神(此神名以音)
次生 火之夜藝速男神(夜藝二字以音)
亦名謂 火之炫毘古神
亦名謂 火之迦具土神(加具二字以音)
因生此子 美蕃登(此三字以音)見炙而 病臥在

【読み方】
次に生みたまふ神の名は鳥之石楠船(とりのいはくすぶねの)神
亦(また)の名を天鳥船(あめのとりぶねの)神と謂(い)う
次に大宜都比賣(おおげつひめの)神を生みたまひ
(此の神の名は音を以いる)
次に火之夜藝速男(ほのやぎはやをの)神を生みたまひき
(【夜藝】の二字は音を以いる)
亦(また)の名を火之炫毘古(ほのかがびこの)神と謂(い)う
亦(また)の名を火迦具土(ほのかぐつちの)神と謂(い)う
(【加具】二字は音を以いる)
此(こ)の子を生みたまひしに因(よ)りて美蕃登(みほと=御陰)見炙(やかえ)て病(や)み臥(ふ)せり
(【美蕃登】の此の三字は音を以いる)

【訳】
イザナギとイザナミの2神が次にお生みになった神の名は鳥之石楠船(とりのいはくすぶねの)神です。
鳥之石楠船神は、またの名を天鳥船(あめのとりぶねの)神と言います。
次に大宜都比賣(おおげつひめの)神をお生みになりました。
(註:この大宜都比賣の名は、音読みを用い「おおげつひめ」と読みます)
次に火之夜藝速男(ほのやぎはやをの)神をお生みになりました。
(註:火之夜藝速男の【夜藝】の2字は音読みを用い「やぎ」と読みます)
火之夜藝速男は、またの名を火之炫毘古(ほのかがびこの)神と言います。
さらにまたの名を火迦具土(ほのかぐつちの)神とも言います。
(註:火迦具土の【加具】の2字は音読みを用い「かぐ」と読みます)
この火の神の子をお生みになった時、イザナミは御陰(みほと=女性の陰部)が焼かれて火傷して重態に陥ってしまいました。
(註:【美蕃登】の三字は、音読みを用い「みほと」と読みます)

【解説】
今回も神様の名前が書かれてるだけなので、この部分の解説は必要ないと思います。
ですが、最後の一文だけは補足が必要かと思います。

因生此子 美蕃登(此三字以音)見炙而 病臥在
まずこの文を...
「此(こ)の子を生みたまひしに因(よ)りて美蕃登(みほと=御陰)見炙(やかえ)て病(や)み臥(ふ)せり」
と読みました。

注釈の美蕃登(此三字以音)は「【美蕃登】の3文字音読みで読んで下さい」という事なので「美蕃登=みほと」と読みます。
「みほと」って何?となると思いますが、これは「女性の陰部」を意味します。

つまりこの文を直訳すると「この子をお生みになったことによって、御陰(みほと)が焼かれて病気になって臥せた」です。
直訳では分かりずらいです。

なので...
まず「この子」とは火之夜藝速男(火の神)のこと。
次に主語の「イザナミ」をいれます。
そして「焼かれて病気になって臥せた」を「焼かれて火傷して重態に陥った」と表現しました。
というわけで、
「この火の神の子をお生みになった時、イザナミは御陰(みほと=女性の陰部)が焼かれて火傷して重態に陥ってしまいました」と訳しました。

【神生みで誕生した神々⑤】

鳥之石楠船(とりのいはくすぶねの)神
➩またの名を天鳥船(あめのとりぶねの)神とも。
「神の乗り物」という意味です。
鳥之石楠船は「石(いわ)の様に固い楠の木で出来た鳥の様に飛ぶ船」という感じでしょうか?

一見地味な神様なのですが、この先【国譲り】という場面で再登場します。
セリフとかは無いんですけど、結構活躍する神様なので覚えておきたいですね!
ちなみに性別は不明です。

大宜都比賣(おおげつひめの)神
➩穀物の神様です。
同一の名前で今回を含め古事記には3回登場します(同一の神であるかは諸説あり不明)。
一回目は「四国(伊予之二名島)の阿波国の別名」、二回目はこの「神生みの場面」、三回目は「スサノオに殺される」です。
三回目についてはいずれご紹介できると思います。
この神様も覚えておきたいですね。
女神です。

火之夜藝速男(ほのやぎはやをの)神
➩またの名を火之炫毘古(ほのかがびこの)、神火迦具土(ほのかぐつちの)神とも。
個人的には「迦具土(かぐつち)」の名が一番馴染みがあります。
火の神様であることから、出産時にイザナミは陰部に火傷を負いやがて死んでしまいます。
この後、怒ったイザナギに斬り殺されてしまうのです…。
男神です。

【まとめ】

今回誕生した神々は、日本神話において重要な場面で再登場し役割を果たします。
とはいってもセリフが無かったり、エピソードがぶっ飛んでいてしかも殺される等主役級ではなく、脇役なのですが…。

そして火の神様「火之夜藝速男」。
彼の誕生で、これまでヒロイン的存在であったイザナミが死亡し古事記の舞台から退場します。
これまで象徴的だったヒロインのイザナミが火傷で死ぬ、と言うのは初めて読んだとき少し驚きました。

これは以前にもお話したことなのですが、【古事記では役割を果たした神様は徐々に古事記からフェードアウトしていく】のです。
古事記は天地の始まり~神々の誕生~天皇家(人)へ継承していく物語ですから、いつまでも神様がいると物語を進めていくのは難しいので、ある意味当然ですよね。

それにしても、火の神を生むタイミングには少し違和感がありました。
本来ならば最初の「土・風・木」などを司る神々が誕生した時に「火の神」も誕生した方が分かりやすいと思います。
「神の乗り物」や「穀物の神」の後に誕生するほうがむしろ不自然な気がします。
そこで次の様な考察をしてみました。

古事記の考案者としては…
①イザナギ・イザナミもいずれ古事記からフェードアウトさせねば...
②そうだ、火傷で死ぬことにしよう
③しかし火の神を物語の最初の方で生み死んでしまうとなると、他の神々の誕生の説明が難しくなる
④だから、主要な神々を生み終えた後に火の神を生むという順序にしよう
⑤役割を果たしたからフェードアウトしてもらおう
...というシナリオだったのかな~と想像しています。

つまり「イザナミの役割」とは鳥之石楠船神と大宜都比賣神の誕生までだったのかもしれません。
※個人の感想です<(_ _)>

以上で『古事記』本文上巻㉖~神生み(5)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻㉗~神生み(6)~をご紹介する予定です。

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本日のオマケ

明日はスポーツの日ですね。
祝日なのに出勤です…💦
ある意味スポーツするより疲れます。

『古事記』本文上巻㉕~神生み(4)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『『古事記』本文上巻㉕~神生み(4)~』のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
次に風の神様である、志那都比古(しなつひこ)という名前の神をお生みになりました。
(この志那都比古神の名は、音読みを用い「しなつひこ」と読みます)
次に木の神様である、久久能智(くくのち)という名前の神をお生みになりました。
(この久久能智神の名は、音読みを用い「くくのち」と読みます)
次に山の神様である、大山津見(おほやまつみ)という名前の神をお生みになりました。
(大山津見神の【山】は上声(じょうしょう)です。高く発音して下さい)
次に野の神様である、鹿屋野比賣(かやのひめ)という名前の神をお生みになりました。
鹿屋野比賣神は、またの名前を野椎(のづちの)神と言います。
(註:志那都比古の神より野椎の神まで併せて4柱です)

沢山の神様が誕生中…ここで気になるのが【神様の性別】についてです。
良く登場する名だと「~比古」だと男神、「~比賣(ひめ)」なら女神。
ここまでは分かります。
またもう一つ性別が判明するのは「〇〇神と△△神が結婚した」というエピソードがある場合です。
...しかし、これらのヒントが無い時は性別が分からないのです。
いや、まぁ性別分かった所でどうという事もないのですが。
太安万侶も性別について書かなかったのは、大した意味がなかったのか、稗田阿礼も性別に触れてなくて分からなかったのか...?
いずれにしても『性別にさほど深い意味はない』と思っていたのかなぁ…?と想像しています。


『古事記』本文上巻㉕~神生み(4)~

【原文と読み方】
【原文】
此 大山津見神 野椎神二神
因山野 持別而 生神名 天之狹土神
(訓土云豆知 下效此)
次 國之狹土神
次 天之狹霧神
次 國之狹霧神
次 天之闇戶神
次 國之闇戶神
次 大戶惑子神
(訓惑云麻刀比 下效此)
次 大戶惑女神
(自天之狹土神 至大戶惑女神 并八神也)

【読み方】
此(こ)の大山津見(おおやまつみ)の神、野椎(のづち)の神の二神
山野に因(よ)りて持ち別(わ)けて生みたまう神の名は天之狹土(あめのさづちの)神
(【土】を訓み、【豆知(づち)】と云(い)う 下も此れに效(なら)う)
次に國之狹土(くにのさづちの)神
次に天之狹霧(あめのさぎりの)神
次に國之狹霧(くにのさぎりの)神
次に天之闇戶(あめのくらどの)神
次に國之闇戶(くにのくらどの)神
次に大戶惑子(おおとまとひこの)神
(【惑】を訓み、【麻刀比(まとひ)】と云(い)う 下も此れに效(なら)う)
次に大戶惑女(おおとまとひめの)神
(天之狹土神自(よ)り大戶惑女神に至るまで并(あわ=併)せて八神也)

【訳】
この大山津見(おおやまつみの)神と野椎(のづちの)神の二柱の神が、山と野とでそれぞれに分けてお生みになった神々の名は…
初めに天之狹土(あめのさづちの)神。
(註:天之狹土神の【山】は【豆知(づち)】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい)
次に國之狹土(くにのさづちの)神をお生みになりました。
次に天之狹霧(あめのさぎりの)神をお生みになりました。
次に國之狹霧(くにのさぎりの)神をお生みになりました。
次に天之闇戶(あめのくらどの)神をお生みになりました。
次に國之闇戶(くにのくらどの)神をお生みになりました。
次に大戶惑子(おおとまとひこの)神をお生みになりました。
(註:大戶惑子神の【惑】は【麻刀比(まとひ)】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい)
次に大戶惑女(おおとまとひめの)神をお生みになりました。
(註:天之狹土神から大戶惑女神まで、併せて八柱の神々です)


【解説】
これまで同様の名を連ねただけの文なので難しい部分はありませんが、今回は主に注釈について書きますね。

此 大山津見神 野椎神二神 因山野 持別而 生神名この文は読んでしまうと分かりやすくなると思いますので、まず読んでみたいと思います。
「此(こ)の大山津見(おおやまつみ)の神、野椎(のづち)の神の二神、山野に因(よ)りて持ち別(わ)けて生みたまう神の名は」

「因山野 持別而」は…
因山野➩山と野とで
持別而➩それぞれに分けて
と訳しました。

「生神名」は「生みたまう神の名は」、訳すと「お生みになった神の名は」で良いでしょう。
この文の後は複数の神が誕生していることから「神」➩「神々」としています。


天之狹土神(訓土云豆知 下效此)
太安万侶の注釈(訓土云豆知 下效此)は「天之狹土神」の読み方を説明しているので、まずこれから訳します。
まず読み方ですね。
「【土】を訓み、【豆知(づち)】と云(い)う 下も此れに效(なら)う」で良いと思います。
これは「天之狹土神の【山】は【豆知(づち)】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい」でしょう。
従って「天之狹土神」は「あめのさづちの神」と読みます。


(訓惑云麻刀比 下效此)
この文も上と同じですね。
まず「【惑】を訓み、【麻刀比(まとひ)】と云(い)う 下も此れに效(なら)う」と読んで...
これを「【惑】は【麻刀比(まとひ)】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい」と訳しました。


(自天之狹土神 至大戶惑女神 并八神也)
この文は「自〇〇至△△」がポイントです。
これは「~自(よ)り~まで至る」となり、簡単に言うと「〇〇から△△まで」という意味です。

ですから注釈は「天之狹土神から大戶惑女神まで、併せて八柱の神々です」と訳しました。


【神生みで誕生した神々④】

天之狹土(あめのさづちの)神
➩大山津見神と野椎神が生んだ神。
土の神。
性別は不明。

國之狹土(くにのさづちの)神
➩大山津見神と野椎神が生んだ神。
土の神。
性別は不明。

天之狹霧(あめのさぎりの)神
➩大山津見神と野椎神が生んだ神。
霧の神。
性別は不明。
昔遊んだゲーム『ペルソナ4』の黒幕でした。確か。

國之狹霧(くにのさぎりの)神
➩大山津見神と野椎神が生んだ神。
霧の神。
性別は不明。

天之闇戶(あめのくらどの)神
➩大山津見神と野椎神が生んだ神。
谷・暗い場所の神。
性別は不明。

國之闇戶(くにのくらどの)神
➩大山津見神と野椎神が生んだ神。
谷・暗い場所の神。
性別は不明。

大戶惑子(おおとまとひこの)神
➩大山津見神と野椎神が生んだ神。
道に迷うことを意味する神。どーゆうこっちゃ?
性別は「ひこ」が付くことから男神と思われるが、【惑】が「まとひ」と読むため、それならば「おおとまとひこの神」でなければ辻褄が合わないのでは?という気もします。

大戶惑女(おおとまとひめの)神
➩大山津見神と野椎神が生んだ神。
道に迷うことを意味する神。迷子の神様?
性別は「ひめ」が付くことから女神と思われるが、理由は上と同じで、それならば「おおとまとひめの神」じゃないの?とは訳していて感じました。

【まとめ】

今回は、同じ神名だけど「天之」「国之」で対を成す神様ばかりです。
この「天之」「国之」の違いの意味は、調べたのですが諸説あり私にはいずれもシックリきませんでした。

ちなみに私は当初、天津神(天界に住む神)と国津神(地上に住む神)の事だと思っていました。

また登場の順番ですが、①「天之狹土・国之狹土」の【土】、②「天之狹霧・国之狹霧」の【霧】、③「天之闇戶・国之闇戶」の【闇】、④「大戶惑子・大戶惑女」の【惑】で、「からが出て辺りがになって戸った」...という繋がりの解釈もあります。
話をまとめると、詳細は不明ということです。

以上で『古事記』本文上巻㉕~神生み(4)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻㉖~神生み(5)~をご紹介する予定です。

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本日のオマケ
【前回の続き】
先日、仕事で遅くなって疲れ果てて帰宅した後のことです。
晩御飯買いそびれて、冷蔵庫にも何も無かったので「これでいいかな...」と手に取ったのはカップ焼きそば。
①お湯を沸かして~
②カップ焼きそばの蓋を開けて~
③「かやく」と「ソース」の袋を取り出して~
④「かやく」を麺の上にかけて~
⑤沸かしたお湯を注いで~
⑥3分計って~
⑦ソースを入れて~
⑧良くかき混ぜて~
⑨「いただきまーす♪」
⑩...どこかおかしいですよね!?

何が【おかしい】か?
正解は⑥と⑦の間の行程が抜けているんです!
正解は「お湯を捨てるの忘れて、インスタントラーメンみたいにソース入れちまった」でした。
やっちまった~…

次は美味しい焼きそば食べます!

『古事記』本文上巻㉔~神生み(3)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『『古事記』本文上巻㉔~神生み(3)~』のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。


【前回のあらすじ】
この速秋津日子(はやあきつひこ)と速秋津比賣(はやあきつひめの)の二柱の神が、河と海とでそれぞれに分けてお生みになった神々の名は…
初めに沫那藝(あわなぎの)神。
(註:【那藝】の二字は音読みを用いて【なぎ】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい)
次に沫那美(あわなみの)神をお生みになりました。
(註:【那美】の二字は音読みを用いて【なみ】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい)
次に頬那藝(つらなぎの)神をお生みになりました。
次に頬那美(つらなみの)神をお生みになりました。
次に天水分(あめのみくまりの)神をお生みになりました。
(註:【分】は【久麻理(くまり)】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい)
次に國之水分(くにのみくまりの)神をお生みになりました。
次に天久比奢母智(あめのくひざもちの)神をお生みになりました。
(註:「天久比奢母智」の【久】の字から以下の五字は音読みで【くひざもち】と読んで下さい。以下もこれに倣い読んで下さい)
次に國久比奢母智(くにのくひざもちの)神をお生みになりました。
(註:沫那藝の神より國の久比奢母智の神まで併せて8柱です)

前回の神生みはイザナギ・イザナミが生んだのではなく、速秋津日子と速秋津比賣が生んだ神々なんです。
神生みってイザナギ・イザナミのお話だと思っていたので、違う神様が生み始めた時は「ハァ?」と一瞬パニックでした。
今回はまたイザナギ・イザナミの神生みが紹介されます。



『古事記』本文上巻㉔~神生み(3)~

【原文と読み方】
【原文】
次生 風神名 志那都比古神(此神名以音)
次生 木神名 久久能智神(此神名以音)
次生 山神名 大山(上)津見神
次生 野神名 鹿屋野比賣神 
亦名謂 野椎神
(自志那都比古神至野椎 并四神)


【読み方】
次に風の神名は志那都比古(しなつひこの)神を生みたまひ
(此の神の名は音を以いる)
次に木の神名は久久能智(くくのちの)神を生みたまひ
(此の神の名は音を以いる)
次に山の神名は大山津見(おほやまつみの)神を生みたまひ
(【山】は上声)
次に野の神名は鹿屋野比賣(かやのひめの)神を生みたまひき
亦(また)の名は野椎(のづちの)神と謂(い)ふ
(志那都比古の神自(よ)り野椎至るまで 并(=あわ=併)せて四神なり)

【訳】
次に風の神様である、志那都比古(しなつひこ)という名前の神をお生みになりました。
(この志那都比古神の名は、音読みを用い「しなつひこ」と読みます)
次に木の神様である、久久能智(くくのち)という名前の神をお生みになりました。
(この久久能智神の名は、音読みを用い「くくのち」と読みます)
次に山の神様である、大山津見(おほやまつみ)という名前の神をお生みになりました。
(大山津見神の【山】は上声(じょうしょう)です。高く発音して下さい)
次に野の神様である、鹿屋野比賣(かやのひめ)という名前の神をお生みになりました。
鹿屋野比賣神は、またの名前を野椎(のづちの)神と言います。
(註:志那都比古の神より野椎の神まで併せて4柱です)

【解説】
今回は前回、前々回とほぼ同じ言葉と構成で解説するほどの文が無いので、省略いたします<(_ _)>
それぞれの神々については下記にまとめましたので、そちらをご覧ください。

【神生みで誕生した神々③】

志那都比古(しなつひこの)神
➩風の神様。
「イザナミが朝霧を吹き払った息から生まれた(日本書記)」とされます。
後に元寇があった際、神風が吹き元軍を撃退したのはこの風の神様の力とされています。
「比古(ひこ)」と付くので男神です。

久久能智(くくのちの)神
➩木の神様。
「木の精霊」や「木の神々の総称」という説もあります。
性別は不明です。

大山津見(おほやまつみの)神
➩山の神様。
「大山祇神・大山積神」との表記もあり、「大山津見」表記は意外と少ないようです。
この後登場する場面はほぼ皆無ですが、子孫は度々登場します。
この後誕生する鹿屋野比賣(かやのひめの)神と結婚し、また新たな神々が誕生します。
男神です。

鹿屋野比賣(かやのひめの)神
➩野(草)の神様。
名前の「鹿屋(かや)」は「萱」のことです。
また別名の「野椎(のづちの)神」は「野の精霊(野つ霊)」の意味です。
上に書いたように山の神様である大山津見と結婚します。
女神です。

以上で『古事記』本文上巻㉔~神生み(3)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻㉕~神生み(4)~をご紹介する予定です。

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本日のオマケ
先日、仕事で遅くなって疲れ果てて帰宅した後のことです。
晩御飯買いそびれて、冷蔵庫にも何も無かったので「これでいいかな...」と手に取ったのはカップ焼きそば。

①お湯を沸かして~
②カップ焼きそばの蓋を開けて~
③「かやく」と「ソース」の袋を取り出して~
④「かやく」を麺の上にかけて~
⑤沸かしたお湯を注いで~
⑥3分計って~
⑦ソースを入れて~
⑧良くかき混ぜて~
⑨「いただきまーす♪」
...どこかおかしいですよね!?

分かった方はいますか??
何が【おかしい】かは次回のオマケで正解発表だ!