いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻60~三貴子の統治(2)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻60~三貴子の統治(2)~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
アマテラス・ツクヨミ・スサノオの3柱が生まれた時、イザナギは大変お喜びになって、次の様に仰せになられました。
「私はこれまでに多くの子供を生んできたけれど、一番最後にこのような貴い3柱の子を得ることが出来た」
そしてイザナギは自らの首飾りを、珠が触れ合って音を鳴らす程紐を揺らしながらアマテラスに賜りました。
(註:【母由良邇】は音読みを用い【もゆらに】と読んで下さい。以下の【由良迦志】も【母由良邇】を【もゆらに】と読んだのに倣い、音読みで【ゆらかし】と読んで下さい)
イザナギは賜る時に「アマテラス、汝は高天原を治めよ」と仰せになり、統治を委ねられました。
この時の首飾りの珠の名を、御倉板擧之神(みくらたなのかみ)と言います。
(註:御倉板擧之神の【板擧】は【多那(たな)】と読みます)

三貴子の統治する国が決められていきます。
しかし...結果論なんですけど、ツクヨミの夜の食国以外は後々揉めるんですよねぇ...。


『古事記』本文上巻60~三貴子の統治(2)~

【原文と読み方】
【原文】
次詔 月讀命 汝命者所 知夜之食國矣 事依也(訓食云袁須)
次詔 建速須佐之男命 汝命者所 知海原矣 事依也

【読み方】
次に月讀命(つくよみのみこと)に詔(の)りたまはく
「汝が命(みこと)は夜之食國(よのおすくに)を知らせ」と事依(ことよ)せたまいき
(【食】を訓(よ)み、【袁須(おす)】と云う)
次に建速須佐男命(たけはやすさのおのみこと)に詔(の)りたまはく
「汝が命(みこと)は海原(うなはら)を知らせ」と事依(ことよ)せたまいき

【訳】
次にイザナギは月讀命(つくよみのみこと)に「ツクヨミ、汝は夜之食國(よのおすくに)を治めよ」と仰せになり、統治を委ねられました。
(註:夜之食國の【食】の字は【袁須(おす)】と読んで下さい)
次にイザナギは建速須佐男命(たけはやすさのおのみこと)に「スサノオ、汝は海原(うなはら)を治めよ」と仰せになり、統治を委ねられました。

【解説】
今回の訳は前回とほぼ同じです。
ですが、念のため幾つかポイントをおさらいしてみたいと思います。
詳しくは昨日の解説をご覧ください<(_ _)>
「知」は「取りしきる、司る」という意味があります。
「知事」とか分かりやすいですよね?
「事依」は「ことよ(せる)」と読みます。
「託す、委ねる」という意味ですね。

なので「詔 月讀命 汝命者所 知夜之食國矣 事依也」は「『ツクヨミ、汝は夜之食國を治めよ』と仰せになり、統治を委ねられました」という感じで訳せば良いと思います。

【統治の範囲について】

先ほど書きましたが、後で結構もめます。
何故揉めるかはネタバレに成っちゃうので今書きませんが…。
私も訳しながら読んでいて「あれ?そーだっけ??」みたいな認識でしたので今一度古事記の世界について振り返っておきたいと思います。

まず古事記に登場する国と、統治者を整理してみましょう。
高天原
➩神々の世界。統治者は昨日の訳でも出てきましたが、天照大御神ですね。
夜之食國
➩夜の世界。統治者は本日出たように月讀命です。
海原
➩世界、と言ってよいのか分かりませんが…統治者は本日出たように建速須佐男命です。
少し前に海神が誕生していますが、どうやら統治者では無かった様ですね。
黄泉の国
➩地底にある死の世界。統治者は黄泉津大神です。
根之堅州国
➩地下にあるとも海の彼方にあるとも。古事記では「木の根を通って行ったこと」「黄泉平坂」を通ることから地上と黄泉の国両方に繋がっている様な表現となっている。統治者は色々あって建速須佐男命です。
葦原中つ国
➩地上の世界。問題はココです。
イザナギが統治を命じたのは、高天原・夜之食國・海原。葦原中つ国は?って思いませんか??
私もイマイチ良く分からなかったのですが、後々のお話だと統治者は天照大御神なのです。

この辺を古事記で明確にして無かった様な気もするのですが…。
一応私なりの解釈(下記)で葦原中つ国の統治者は天照大御神だ、と思うようにしました。
※個人の感想なので正しいかは分かりません。

①『葦原中つ国(地上)を作ったのはイザナギとイザナミだ。だからイザナギの子であるアマテラスが葦原中つ国を相続・統治するのは自然だ
②『思い返せばオノゴロ島にイザナギとイザナミが降り立った時、地上から天界に繋がる大柱を建てていた。つまり地上と天界は繋がっている。だから高天原と葦原中つ国は一体になっている。だから高天原の統治を任されたアマテラスが天地を統治する神なのだ

...と言う訳で、それぞれの国の統治者が誰なのかは、この後読み進めていく上で頭の片隅に入れておいた方がいいと思います。

以上で『古事記』本文上巻60~三貴子の統治(2)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻61~スサノオ泣く~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
本日のおまけは一番下にあります。

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