いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻56~安曇氏の祖先神~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻56~安曇氏の祖先神~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
次に水の底で身体をすすぎ洗った時に現れた神様の名前を、底津綿津見(そこつわたつみの)神と言います。
(註:底津綿津見神の【綿】は上声です。高く発音して下さい)
この時、底筒之男命(そこづつのおのみこと)も現れました。
次に水中で身体をすすぎ洗った時に現れた神様の名前を、中津綿津見(なかつわたつみの)神と言います。
(註:中津綿津見神の【綿】は上声です。高く発音して下さい)
この時、中筒之男命(なかづつのおのみこと)も現れました。
次に水面で身体をすすぎ洗った時に現れた神様の名前を、上津綿津見(うはつわたつみの)神と言います。
(註:上津綿津見神の【綿】は上声です。高く発音して下さい)
(註:上津綿津見神の【上】は【宇閇(うは)】と読みます)
この時、上筒之男命(うはづつのおのみこと)も現れました。

海の神が誕生しました。
そう言えばイザナギの禊で誕生した神様はかなり重要な神様ばかり…。
今回は海の神の子孫の話が語られます。



『古事記』本文上巻56~安曇氏の祖先神~

【原文と読み方】
【原文】
此三柱 綿津見神者 阿曇連等之祖神 以伊都久神也
(伊以下三字以音 下效此)
故 阿曇連等者 其綿津見神之子
宇都志日金拆命之子孫也(宇都志三字以音)

【読み方】
この三柱の綿津見(わたつみ)の神は阿曇(あづみ)の連(むらじ)等が祖神(おやがみ)と伊都久(いつく=齋)神也
(【伊】以下の三字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う)
故(かれ)阿曇(あづみ)の連(むらじ)等はその綿津見(わたつみの)神の子
宇都志日金拆命(うつしひがなさくのみこと)の子孫なり
(【宇都志】の三字は音を以(もち)いる)

【訳】
この3柱の綿津見神(海神)は、安曇氏の先祖とされる神で、大切に祀られてきたのです。
(註:【伊都久】の【伊】以下の3字は音読みを用いて【いつく】と読んで下さい。以下もこれに倣い読んで下さい)
従って、安曇氏は綿津見神(海神)の子である宇都志日金拆命の子孫なのです。
(註:宇都志日金拆命の【宇都志】の三字は音読みを用いて【うつし】と読んで下さい)

【解説】
此三柱 綿津見神者 阿曇連等之祖神 以伊都久神也(伊以下三字以音 下效此)
「阿曇連」は「あずみむらじ」です。
「安曇氏」と訳してみました。
「祖神」は「そしん、そじん、おやがみ」と読みます。
読み方は好きなので良いと思います。
意味は「(氏族などの)先祖とされる神」です。

「以伊都久神也(伊以下三字以音 下效此)」
太安万侶の注釈(伊以下三字以音)➩「伊都久神の【伊】以下の3字は音読みを用いて【いつく】と読んで下さい」です。
この「いつく神」はどういう意味でしょうか?
「いつく」は「斎(いつ)く」で、「大切に祀る」という意味があるのです。

つまりこの文は「この3柱の綿津見神(海神)は、安曇氏の先祖とされる神で、大切に祀られてきたのです」という感じで良いと思います。


故 阿曇連等者 其綿津見神之子
宇都志日金拆命之子孫也(宇都志三字以音)

前半部の「故 阿曇連等者 其綿津見神之子」は上記したので分かると思います。
「従って、安曇氏は綿津見神(海神)の子である...」と訳しました。

難しいのは「宇都志日金拆命之子孫也(宇都志三字以音)」ですね。
まず太安万侶の注釈(宇都志三字以音)➩「宇都志日金拆命の【宇都志】の3字は音読みを用いて【うつし】と読んで下さい」なので、宇都志日金拆命は「うつしひがなさくのみこと」と読むことが分かりました。

でも「うつしひがなさくのみこと」って?となりませんか??
そんな訳で簡単に調べてみました。
【宇都志日金拆命(うつしひがなさくのみこと)】
海の国津神で、綿津見神(海神)達の子。安曇氏の祖神と言われる。

ということでこの文は「従って、安曇氏は綿津見神(海神)の子である宇都志日金拆命の子孫です」と訳せば良いと思います。

綿津見神(海神)の子が宇都志日金拆命で、その子孫が安曇氏という事ですね。
この安曇氏について少し触れてみようと思います(下記)。

【安曇氏について】

今回の訳でも触れましたが、綿津見神(海神)の子が宇都志日金拆命で、その子孫が安曇氏です。
逆に言えば安曇氏の祖先は綿津見神(海神)であり、つまり安曇氏は神系氏族であるという事です。

安曇氏は日本各地の海人(あま)族の長であったようです。
その歴史は大変古く、大和朝廷以前から重要な地位にあったと考えられています。
ちなみに「海人(あま)」とは「海で漁をする者の総称」です。
安曇氏はこうした「海人(あま)」と共に「海部(あまべ)」と呼ばれる水軍を支配する有力な豪族だったようです。

なお、本文で登場する「阿曇連(あずみむらじ)」の「連(むらじ)」は神別系の有力氏族に与えられた称号でした。
八色の姓の制度で「連(むらじ)」は上から七番目の位置付けであり、主に地方豪族の姓でした。

ポイントだけまとめますと、安曇氏は…
祖先は綿津見神(海神)であり、神系氏族である。
海に関係する有力豪族であった。
大和朝廷以前の弥生時代頃から重要な地位にあった。
神別系の有力氏族に与えられた称号「連(むらじ)」の姓をもつ。
...といったところでしょうか。

以上、【安曇氏について】でした<(_ _)>

以上で『古事記』本文上巻56~安曇氏の祖先神~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻57~住吉神社の三座の神様~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
本日のおまけは一番下にあります。

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