いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻㊲~刀の名~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻㊲~刀の名~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
殺されたカグツチの頭から、正鹿山津見(まさかやまつみの)神がお生まれになりました。
(註:正鹿山津見神の【山】の字は上声です。高く発音して下さい)
次に殺されたカグツチの胸から、淤縢山津見(おとやまつみの)神がお生まれになりました。
(註:淤縢山津見神の【淤縢】の二字は音読みを用いて【おと】と読んで下さい)
次に殺されたカグツチの腹から、奧山津見(おくやまつみの)神がお生まれになりました。
(註:奧山津見神の【山】の字は上声です。高く発音して下さい)
次に殺されたカグツチの陰(ほと=性器)から、闇山津見(くらやまつみの)神がお生まれになりました。
次に殺されたカグツチ左の手のから、志藝山津見(しぎやまつみの)神がお生まれになりました。
(註:志藝山津見神の【志藝】の二字は音読みを用いて【しぎ】と読んで下さい)
次に殺されたカグツチの右の手から、羽山津美(はやまつみの)神がお生まれになりました。
次に殺されたカグツチの左の足から、原山津見(はらやまつみの)神がお生まれになりました。
次に殺されたカグツチの右の足から、戸山津見(とやまつみの)神がお生まれになりました。
(註:正鹿山津見神から戶山津見神まで、併せて8柱の神々です)

今回はイザナギが迦具土神(カグツチ)を斬り殺した剣(十拳剣=とつかのつるぎ)の名前のお話です。
以前お話した様に、十拳剣は…
①1本だけしかない名刀みたいなイメージだが、実は「十拳劔(剣)」は固有名詞ではなくて長剣の一般名詞である。
②十拳(とつか=十束)は長さの単位であり、その長さも「刃の長さ」ではなく「柄の長さ」が【拳10個分の長さ】あった長剣である。
...です。
つまり「十拳剣」は刀そのものの名前ではなく長剣を指す一般名詞であって、今回カグツチを斬った長剣の名前が明らかになる...ということです。



『古事記』本文上巻㊲~刀の名~

【原文と読み方】
【原文】
故所斬之刀名 謂 天之尾羽張
亦名謂 伊都之尾羽張
(伊都二字以音)

【読み方】
故(かれ)斬りたまえる刀の名は天尾羽張(あまのおはばり)と謂い
亦(また)の名は伊都尾羽張(いつのおはばり)と謂う
(【伊都】の二字は音を以いる)

【訳】
迦具土神をお斬りになったこの刀の名を、天尾羽張(あまのおはばり)と言います。
天尾羽張はまたの名を、伊都尾羽張(いつのおはばり)とも言います。
(註:伊都尾羽張の【伊都】の二字は音読みを用いて【いつ】と読んで下さい)

【解説】
イザナギは、イザナミの死因となった迦具土神(カグツチ)を、帯びていた十拳剣で首を斬り殺してしまいます。

何回かお話した様に、十拳剣というのは長剣を意味する一般名詞であって、固有名詞ではありません。

古事記に記されている「天尾羽張(あまのおはばり)」、別名を「伊都之尾羽張(いつのおはばり)」という固有名詞は、あくまで【イザナミが持つ十拳剣(=長剣)の名前】である、ということです。

ちょっと漢字の意味を考察してみました。

【天尾羽張(あまのおはばり)】の考察

➩「天(あまの)」は文字通り天界(高天原)の剣という事を指しているのかな~と思います。
「尾羽張」は「両方の刃が張り出し、切先が幅広くなった剣」の意味だそうです。

つまり、天界では上図の様な剣を腰に帯びていたのだろう…と想像しています。

ちなみに天尾羽張は「刀の名前」なのですが、同時に「神の名前」でもあることに注意が必要です。
天尾羽張は国譲りの場面で、今度は「神様の名」として再登場します。

【伊都之尾羽張(いつのおはばり)】の考察

➩念のため【伊都】をググッてみると、【伊都国(いとこく)】がヒットしました。

伊都国について要点を書きますと…
①『魏志倭人伝』に倭国内の国の一つとして記載がある
②現在の福岡県最西部に位置する糸島市の辺り
③中国の史書で『王が居た』と明記されている倭の国は伊都国と邪馬台国と狗奴国のみ

②の位置関係から大陸との交流があったことが想像できます。
なので①③のように中国の史書に伊都国についての記載があるのでしょう。
③からは伊都国に王の存在が記されており、実際この辺りには王墓の遺跡が多く見つかっているそうです。

そんな訳で、伊都国は古事記成立のはるか以前から強大な国家だったのでしょう。
イザナギの十拳剣は「天尾羽張」、別名を「伊都之尾羽張」。
これは「天=伊都」とほぼ同じ意味ということだよな~…と私は考えています。
天界にも匹敵するほどの凄い国家だったのかしら...などと想像するのも楽しいですよね。

なお、古事記にある「天尾羽張」「伊都之尾羽張」と言う名は、日本書記には登場していません。
ここもなにか引っ掛かるのですが、時間が足りないので先に進むことにします。

以上で『古事記』本文上巻㊲~刀の名~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻㊳~黄泉の国へ行く~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
本日のおまけは一番下にあります。

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