こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻㊱~迦具土神のその後(8)~のご紹介です。
こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。
(註:【漏】の字は【久伎(くき)】と読んで下さい)
闇淤加美(くらおかみの)神です。
(註:闇淤加美の【淤】以下の三字は音読みを用い【おかみ】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい)
次に闇御津羽(くらみつはの)神がお生まれになりました。
以上、石拆(いわさくの)神から闇淤加美(くらおかみの)神までの併せて8柱の神々は、御刀(みはかし)から誕生した神様です。
火の神・カグツチが斬られ、その血が刀に付き、そこから8柱もの神々が誕生した...というのが前回までのお話でした。
私はこの文を読みながら、ふと「カグツチの血から8柱も誕生するのなら、亡骸からはどうなってしまうのだろうか…?」と思いました…。
そうなんです、亡骸からも次々と神々が誕生するのです。
ちなみに神生みでは8の数字が良く出てきますよね?
これは8という数字が吉であったことから、と考えられることもあるそうです。
現代でも8は「末広がり」で縁起の良い数字になっていますが、古代においても吉となる数字だったと思うと歴史の長さに感心してしまいますよね。
『古事記』本文上巻㊱~迦具土神のその後(8)~
所殺 迦具土神之於 頭所成神名 正鹿山(上)津見神
次 於胸所成神名 淤縢山津見神(淤縢二字以音)
次 於腹所成神名 奧山(上)津見神
次 於陰所成神名 闇山津見神
次 於左手所成神名 志藝山津見神
(志藝二字以音)
次 於右手所成神名 羽山津見神
次 於左足所成神名 原山津見神
次 於右足所成神名 戶山津見神
(自 正鹿山津見神 至 戶山津見神 并八神)
【読み方】
殺されたまいし迦具土(かぐつちの)神の頭に成りませる神の名は正鹿山津見(まさかやまつみの)神
(【山】は上声)
次に胸に成りませる神の名は淤縢山津見(おとやまつみの)神
(【淤縢】の二字は音を以いる)
次に腹に成りませる神の名は奧山津見(おくやまつみの)神
(【山】は上声)
次に陰(ほと)に成りませる神の名は闇山津見(くらやまつみの)神
次に左の手に成りませる神の名は志藝山津見(しぎやまつみの)神
(【志藝】の二字は音を以いる)
次に右の手に成りませる神の名は羽山津美(はやまつみの)神
次に左の足に成りませる神の名は原山津見(はらやまつみの)神
次に右の足に成りませる神の名は戸山津見(とやまつみの)神
(正鹿山津見神自(よ)り戸山津見神に至るまで并はせて八神)
(註:正鹿山津見神の【山】の字は上声です。高く発音して下さい)
次に殺されたカグツチの胸から、淤縢山津見(おとやまつみの)神がお生まれになりました。
(註:淤縢山津見神の【淤縢】の二字は音読みを用いて【おと】と読んで下さい)
次に殺されたカグツチの腹から、奧山津見(おくやまつみの)神がお生まれになりました。
(註:奧山津見神の【山】の字は上声です。高く発音して下さい)
次に殺されたカグツチの陰(ほと=性器)から、闇山津見(くらやまつみの)神がお生まれになりました。
次に殺されたカグツチ左の手のから、志藝山津見(しぎやまつみの)神がお生まれになりました。
(註:志藝山津見神の【志藝】の二字は音読みを用いて【しぎ】と読んで下さい)
次に殺されたカグツチの右の手から、羽山津美(はやまつみの)神がお生まれになりました。
次に殺されたカグツチの左の足から、原山津見(はらやまつみの)神がお生まれになりました。
次に殺されたカグツチの右の足から、戸山津見(とやまつみの)神がお生まれになりました。
(註:正鹿山津見神から戶山津見神まで、併せて8柱の神々です)
これを読むと…
「次に【体の部位】に成りませる神の名は〇〇神」。
訳すと…
「次に殺されたカグツチの【体の部位】から〇〇神がお生まれになりました」でしょう。
なので訳は非常に簡単でした。
念のため文中の()の太安万侶の注釈も下に書きます。
(上)は上声(じょうせい、じょうしょう)の略語です。
上声とは漢字を読むときの発声の一つです。
日本語で訳すとすれば「高く発音して下さい」になると思います。
ですから文中の「奧山(上)津見神」は「【山】は上声」、訳すと「奧山津見神の【山】の字は上声です。高く発音して下さい」という感じでしょうか。
(淤縢二字以音)と(志藝二字以音)
これはそれぞれ【淤縢】と【志藝】の読み方を説明している注釈です。
「淤縢二字以音」は「【淤縢】の二字は音を以(もち)いる」、訳すと「淤縢山津見神の【淤縢】の二字は音読みを用いて【おと】と読んで下さい」となります。
なので「淤縢山津見神」は「おとやまつみのかみ」と読みます。
同様に【志藝】は音読みで「しぎ」と読みますので、「志藝山津見神」は「しぎやまつみのかみ」と読みます。
最後に(自 正鹿山津見神 至 戶山津見神 并八神)について。
ここは「自 〇〇 至 △△ 并 ◎◎」が分れば簡単です。
自「~よ(り)」
至「~にいたるまで」
并(=併)「あわ(せて)」
で、「〇〇より△△にいたるまで、あわせて◎◎」です。
だから「正鹿山津見神から戶山津見神まで、併せて8柱の神々です」と訳せば良いと思います。
なお今回登場した8柱の神々は、火の神・カグツチの死体から誕生している&神名に「山」が入っていることから【火山】に関連した神様ではないか、と考えられています。
古事記で再登場することは無く、性別含め詳細は不明です。
私達の記憶力キャパオーバーしてるので、私達は紹介しておきながら忘れてしまうと思います…。
以上で『古事記』本文上巻㊱~迦具土神のその後(8)~のご紹介はおしまいです。
次回は『古事記』本文上巻㊲~刀の名~をご紹介する予定です。
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ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
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