いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻㉓~神生み(2)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『『古事記』本文上巻㉓~神生み(2)~』のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
この様に国々を生み終えたイザナギとイザナミは続いて、神をお産みになりました。
それらお産みになった神々の名は…
初めに大事忍男(おほことおしをの)神。
次に石土毘古(いはつちびこの)神をお生みになりました。
(註:【石】は【伊波(いは)】と読みます。また【毘古】の二字は音読みを用いて【びこ】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい)
次に石巣比賣(いはすひめの)神をお生みになりました。
次に大戸日別(おほとひわけの)神をお生みになりました。
次に天吹男(あめのふきをの)神をお生みになりました。
(註:天吹男の【吹】は上声です。高く発音して下さい)
次に大屋毘古(おほやびこの)神をお生みになりました。
次に風木津別忍男(かざもつわけのおしをの)神をお生みになりました。
次に海の神をお生みになり、名を大綿津見(わたつみ)の神といいます。
次に水戸(みなと=港)の神、名は速秋津日子(はやあきつひこの)神をお生みになりました。
次に速秋津日子神の妹神である速秋津比賣(はやあきつひめの)神をお生みになりました。
(大事忍男の神より秋津比賣の神まで併せて10柱です)

昨日も書きましたが、神生みのお話で登場する神々は、大きく4つのグループに分けられています。
今回は新たに8柱の神々が誕生します。

『古事記』本文上巻㉓~神生み(2)~

【原文と読み方】
【原文】
此 速秋津日子 速秋津比賣 二神
因河海 持別而 生神名 
沫那藝神
(那藝二字以音 下效此)
次 沫那美神
(那美二字以音 下效此)
次 頰那藝神
次 頰那美神
次 天之水分神
(訓分云久麻理 下效此)
次 國之水分神
次 天之久比奢母智神
(自久以下五字以音 下效此)
次 國之久比奢母智神
(自沫那藝神至國之久比奢母智神 并八神)


【読み方】
この速秋津日子(はやあきつひこ)、速秋津比賣(はやあきつひめの)二神
河海(かわうみ)によりて持ち別(わ)けて生みたまふ神の名は
沫那藝(あわなぎの)神
(【那藝】の二字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う)
次に沫那美(あわなみの)神
(【那美】の二字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う)
次に頬那藝(つらなぎの)神
次に頬那美(つらなみの)神
次に天水分(あめのみくまりの)神
(【分】を訓み、久麻理(くまり)と云(い)う 下も此れに效(なら)う)
次に國之水分(くにのみくまりの)神
次に天久比奢母智(あめのくひざもちの)神
(【久】自(よ)り以下の五字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う)
次に國久比奢母智(くにのくひざもちの)神
(沫那藝の神より國の久比奢母智の神まで并(=あわ=併)はせて八神)

【訳】
この速秋津日子(はやあきつひこ)と速秋津比賣(はやあきつひめの)の二柱の神が、河と海とでそれぞれに分けてお生みになった神々の名は…
初めに沫那藝(あわなぎの)神。
(註:【那藝】の二字は音読みを用いて【なぎ】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい)
次に沫那美(あわなみの)神をお生みになりました。
(註:【那美】の二字は音読みを用いて【なみ】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい)
次に頬那藝(つらなぎの)神をお生みになりました。
次に頬那美(つらなみの)神をお生みになりました。
次に天水分(あめのみくまりの)神をお生みになりました。
(註:【分】は【久麻理(くまり)】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい)
次に國之水分(くにのみくまりの)神をお生みになりました。
次に天久比奢母智(あめのくひざもちの)神をお生みになりました。
(註:「天久比奢母智」の【久】の字から以下の五字は音読みで【くひざもち】と読んで下さい。以下もこれに倣い読んで下さい)
次に國久比奢母智(くにのくひざもちの)神をお生みになりました。
(註:沫那藝の神より國の久比奢母智の神まで併せて8柱です)

【解説】
今回の文は前回と同じ構成なので、詳細は省略します。
なので、「今回のポイント」と「読みずらいかな~?」と思う所だけ触れますね。
各神々については下でも書いていますので、そちらも併せてご覧いただければと思います。

今回のポイントについて
下の2点を頭に入れて読むと、より分かりやすいかな~と思います。

・古事記の神生みのシーンですが、実は今回登場する8柱の神々はイザナギ・イザナミの2神が生んだのではなく、速秋津日子と速  秋津比賣が生んだのです。
・今回登場するのは河と海とでそれぞれに生まれた神々、つまりこの8柱は【水に関わる神】なのです。

読みずらいかな~?と思う箇所について
因河海 持別而 生神名

「沫」は「あわ」と読みます。
「泡」のことでしょうか。

「頬」は「ほほ」ではなく「つら」と読むそうです。
「水面」を意味していると考えられています。

「水分」は「すいぶん」ではなくて「水を分ける」と読みます。
つまり「配水」を意味していると考えられています。

「久比奢母智」は太安万侶の注釈を読んでから出ないと訳せません。
注釈には「自久以下五字以音 下效此」とあります。
これを「【久】自(よ)り以下の五字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う」と読みました。
訳すと「天久比奢母智」の【久】の字から以下の五字は音読みで【くひざもち】と読んで下さい。以下もこれに倣い読んで下さい」となると思います。

じゃあ、「久比奢母智(くひざもち)」ってなんだ?となりますよね。
「くひざもち」とは「水をくむ瓢箪」という意味です。
あたかも「私知ってました」風に話をしていますが、勿論調べて知りました~♪

以上、「読みずらいかな~?と思う箇所について」の補足でした<(_ _)>
これで読みづらい箇所がある場合は、前回の文を読んで下さいね。


【神生みで誕生した神々②】

沫那藝(あわなぎの)神
➩「沫」は「泡」の事と思われます。
「那藝」は「凪」のことでしょうか。
この後誕生する「沫那美(あわなみの)神」は「妹」という表記は無いのですが、名前が「アワナギ・アワナミ」と似ているので男女一対の神であると思われます。
なので男神でしょう。

沫那美(あわなみの)神
➩「那美」は「波」の事と思われます。
(多分)兄神の沫那藝が「凪=穏やかな様子」を表わすのに対し、(多分)妹神の沫那美は「波=波立っている様子」とそれぞれ静動を表わしているのでしょう。
女神です。

頬那藝(つらなぎの)神
➩「頬」は「ほほ(ほお)」ですが、ここでは「つら」と読ませるそうです。
「頬」の読み方については、色々検索してみたのですが「つら」と読む、と書かれたものは見つからずややシックリ来ないのですが…。
この「頬(つら)」は借字で、「水面」を表わす言葉だとか。
「頬=水面」、「那藝=凪」で「水面が穏やかな様子」となれば、少し納得出来ました。
男神です。

頬那美(つらなみの)神
➩古事記には妹神の記載はありませんが、名前で女神と分かりますね。
上でも書きましたが「頬=水面」、「那美=波」で「水面が波立っている様子」でしょうか。

天水分(あめのみくまりの)神
➩「山頂の水の分配」を司る神と言われます。
「水分」は「すいぶん」ではなくて「水を分ける」、つまり配水を意味していると考えられています。
性別は不明です。

國之水分(くにのみくまりの)神
➩天水分神と対をなす神様です。
「天」「國」と別れていますが、この違いについては諸説ありそれぞれ何を意味しているのかは良くわかっていません。
性別は不明です。

天久比奢母智(あめのくひざもちの)神
➩「久比奢母智(くひざもち)」は「水をくむ瓢箪」という意味があります。
そのため「灌漑」を司る神様ではないか、という説があります。
性別は不明です。

國久比奢母智(くにのくひざもちの)神
➩天久比奢母智神と対をなす神様です。
同じく「灌漑」を司る神様ではないか、と考えられています。
性別は不明です。

【まとめ】

重要なポイントは、今回登場した8柱の神々は【速秋津日子(はやあきつひこ)と速秋津比賣(はやあきつひめの)の二柱の神が生んだ神である】という点です。
うっかり読み進めていると、イザナギ・イザナミが生んだのかと錯覚してしまいますね。

もう一つのポイントは、速秋津日子と速秋津比賣の生んだ神々は全て【水に関わる神】という点ですね。

以上で『古事記』本文上巻㉓~神生み(2)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻㉔~神生み(3)~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
本日のおまけは一番下にあります。

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