いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』序文⑬~天武天皇の統治(2)~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『『古事記』序文⑬~天武天皇の統治(2)~』のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。


【前回のあらすじ】
(壬申の乱後で荒廃した世に)正邪・善悪の規範を示し、その統治の手腕は黄帝以上であり、周の文王・武王より優れていました。
天皇であることの証である三種の神器を得て、正しく天子の位を継ぐ者として、国の隅々までしっかりとまとめ、統治しました。

引き続き天武天皇の統治について描かれています。
前回は中国の黄帝と周王を引き合いにして統治が素晴らしかったという称賛と、正統に天子を継ぎ統治したことが述べられました。
今回は統治するにあたり、なにを拠り所にしたかが書かれています。

『古事記』序文⑬~天武天皇の統治(2)~

【原文と読み方】
【原文】
乘二氣之正。齊五行之序。設神理以奬俗。敷英風以弘國。

【読み方】二氣の正しきに乘り、五行の序(つい)を齊(ととの)え、神理を設(もう)けて俗(ならわし)を奬(すす)め、英風(えいふう)を敷きて、國を弘(ひろ)めたまう。

【訳】
(国内の統治するにあたっては)陰陽五行説の思想を用いる(採用して)ことで、万物の成り立ちや循環の順番を整理しました。
この(陰陽五行説の)優れた道理を整備して、この教えで世の人々を導き、また奨励することで、国家を大きくしていきました。

【解説】
今回は天武天皇の統治に関するお話です。
本文の解説に入る前に天武天皇の政策の概略を把握しておくと理解が進むと思いますので、簡単に触れておきたいと思います。

天武天皇の政策について
まず代表的な政策を箇条書きにして並べてみました。
①一人の大臣も置かない天皇専制「皇親政治」
②律令を定め、法式を改める。天武政権下で、日本律令体制の基礎が定まった
③初めて「天皇」を称した
④「日本」という国号を採用した
⑤富本銭(最初の貨幣とされる)が鋳造された
…ここまで見てきますと、天武天皇が専制君主として君臨し、強力な中央集権で以て制度改革を推し進めてきたことが伺えます。
続いて…
⑥新嘗祭(にいなめさい)大嘗祭(だいじょうさい)を国家的祭祀にする
⑦皇室の祖先神の天照大神を祀る伊勢神宮を全国の神社の頂点(総本山)とした
⑧『古事記』の編纂を命じる
…⑥~⑧を見ますと、天武天皇が日本の習俗や伝統文化を重視し、宗教政策を整備したことが分かります。
このように国家的祭祀や、宮廷儀式は天武天皇によって創始されました。
天武天皇時代に日本の官制改革、文化政策、宗教政策の礎が作られ、その中で古来からの伝統・伝承・文化を整理したことが『古事記』『日本書紀』の編纂に繋がっていくのです。


乘二氣之正 齊五行之序
「齊」は「ととの(える)」です。
「序」は「つい(で)」でしょうか。
「順番、並び方」の意味です。
「二氣」は「陰と陽との二つの気」を指します。
「五行」は「万物は木・火・土・金・水の5つの元素から成り立ち、元素は互いに影響を与えあい変化し、循環している」という思想です。
※「二氣」と「五行」はいわゆる「陰陽五行説」を指しています。

陰陽五行説
陰陽→相対する両極のどちらに属性が高いかによって二分類する考え方。
陽と陰の二気が調和して初めて自然の秩序が保たれる。
五行説→「五」の起源については東西南北の四方に中央を加えたものという考え方。
「相生」と「相剋」という、それぞれの要素同士がお互いに影響を与え合うという考え方です。

直訳すれば「二つの気性の正しさのに乗って、五行の順番を整える」ですが…。
ここは「陰陽五行説」の思想でもって統治したという事を言いたいのだろう、と考え、「乗って」はつまり「(五行説)に乗って=採用して」というニュアンスだと思ったので「陰陽五行説の思想を用いて(採用して)、万物の成り立ちや循環の順番を整理した」と訳しました。


設神理以奬俗
「神理」は「しんり」と読みます。
「人知をこえてすぐれた道理、神の定めた道理」という意味です。
「陰陽五行説の道理」のことでしょう。
「俗」は「世間一般の人、世の中の習わし」と言う意味です。

「神理を設けて、世の習わしを奨めた」ですが、主語が抜けているので加えて...
「この(陰陽五行説の)すぐれた道理を整備して、世の人々に奨励しました」と訳しました。


敷英風以弘國
「英風」は「えいふう」と読みます。
「すぐれた教えで下の者を導く」という意味です。
「弘國」は「国を広める」と言う意味です。

「優れた教えで下の者を導いて、国を広めた」でいいかなと思います。


以上で『古事記』序文⑬~天武天皇の統治(2)~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』序文⑭~天武天皇の統治(3)~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
本日のおまけは一番下にあります。

お気に入りいただけたら、下のバナーをクリックしてもらえると嬉しいです。
応援よろしくお願いします📣

にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 旅行ブログ 旅日記・旅の思い出へ
にほんブログ村
にほんブログ村 歴史ブログ 史跡・神社仏閣へ
にほんブログ村
PVアクセスランキング にほんブログ村


↓↓読者登録お願いします<(_ _)>

本日のオマケ
いもみのエキゾチックな夏シリーズ